【中京記念】ルージュスティリアら前走ヴィクトリアマイル組を全消し 残ったのは高配当も期待できる4頭
八木遊
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5つのデータから絞れた馬は?
先週の函館記念は、人気薄5頭の三連複ボックスで勝負したが、ハヤヤッコの5着が最高着順だった。
今回は23日に中京競馬場で行われるハンデ戦の中京記念を予想する。過去3年は阪神と小倉で開催されていたレースだが、それらを含めた過去10年のデータを採用したい。今週も複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去する。4分の2の抽選対象馬(*)を含めた18頭を対象に進めていきたい。
『前走ハンデ戦』×『前走から斤量増減なし』★0.0%★
まず取り上げるのは前走でハンデ戦を走っていた馬だ。過去10年の成績は【1-0-2-34】(複勝率8.1%)と、このデータだけで複勝率は10%を下回っている。しかし、ハイブリッド式消去法では、これに別の条件を掛け合わせて絞り込みを図る。今回は前走から斤量増減なしというデータを採用。この組み合わせに当てはまった馬は24頭いたが、全て5着以下に敗れていた。
今年は1頭がこの条件に当てはまった。それが4分の2の抽選対象となっているヴィジュネル*である。もし抽選を突破しても消去する。
【今年の該当馬】
・ヴィジュネル*
『前走リステッド競走』×『前走3着以下』★0.0%★
2つ目は前走クラス別データを取り上げたい。ここでは過去10年で【1-1-1-21】(複勝率12.5%)の前走リステッド組(厳密にはJRAでリステッド競走が導入されたのは2019年なので、過去4年分)をピックアップ。馬券に絡んだ3頭は、全てその前走で連対していた。3着以下に敗れていた馬は16頭いたが全て馬券圏外に消えている。
この条件には8頭が当てはまった。高額取引馬のアドマイヤビルゴ、これが重賞初挑戦のアナゴサンなどをバッサリ消去する。
【今年の該当馬】
・アドマイヤビルゴ
・アナゴサン
・ウイングレイテスト
・カイザーミノル
・グランデマーレ*
・セルバーグ
・ミッキーブリランテ
・ワールドウインズ
『6歳以上』×『非社台系生産』★2.5%★
3つ目は年齢別データから6歳以上の高齢馬をピックアップする。過去10年の成績は【3-3-2-60】(複勝率11.8%)と苦戦傾向。ただし、社台系生産馬に絞ると、【2-3-2-21】(同25.0%)と上々の成績を残している。一方で、非社台系生産馬は【1-0-0-39】(同2.5%)。3つ目の条件はこの組み合わせを採用する。
今年は4頭がこの条件に当てはまったが、うち3頭はすでに消去済み。新たに消去リスト行きになったのは、昨年の関屋記念で2着の実績があるシュリだった。
【今年の該当馬】
・(ウイングレイテスト)
・(カイザーミノル)
・シュリ
・(ワールドウインズ)
『牝馬』×『前走から中4週以上』★5.3%★
続いて取り上げるのは牝馬。「夏は牝馬」という格言は競馬界で広く知られているが、中京記念においては過去10年で【1-1-2-24】(複勝率14.3%)と特段高いとはいえない。特に前走から中4週以上の間隔を空けて出走してきた馬は【0-0-1-18】(同5.3%)と凡走する確率が高かった。
登録がある牝馬3頭はいずれもヴィクトリアマイル組。当然、中4週以上の間隔が空いているため、3頭そろって消去対象となった。抽選対象のディヴィーナ、重賞勝ち馬のサブライムアンセム、1番人気の可能性もありそうなルージュスティリアをまとめて消去する。
【今年の該当馬】
・サブライムアンセム
・ディヴィーナ*
・ルージュスティリア
『前走で人気より下の着順』×『今回馬体重470kg未満』★5.3%★
4つの条件を終えて、対象18頭中13頭を消去。最後は前走で人気を裏切る着順に敗れていた馬を取り上げたい。過去10年の成績は【6-4-1-48】(複勝率18.6%)とまずまずだったが、好走していた馬のほとんどは、それなりにサイズ感がある馬体の持ち主だった。中京記念当日に計測された馬体重を470kgで区切ると、470kg以上の馬は【5-4-1-30】(同25.0%)だったのに対し、470kg未満の馬は【1-0-0-18】(同5.3%)。後者の中で唯一馬券に絡んだのは、18年に1番人気に応えて優勝したグレーターロンドンである。
残っている5頭のうち、前走で人気を裏切る着順に敗れていたのは抽選対象のヴァリアメンテ*だけ(ホウオウアマゾンは前走海外のため対象外とする)。もし運良く抽選を突破しても、当日の馬体重が470kg未満なら消しとする。
【今年の該当候補】
・ヴァリアメンテ*
全ての条件を終えて残ったのは、ダノンスコーピオン、ベジャール、ホウオウアマゾン、メイショウシンタケの4頭。もし、ベジャールとメイショウシンタケがそろって馬券に絡むようなら高配当にも期待できるだろう。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は35.0%(7月16日現在)。
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