【競馬】ローカルの芝で高い単勝回収率 西村淳也騎手の「買える条件・買えない条件」

東大ホースメンクラブ

西村淳也騎手の条件別成績,ⒸSPAIA

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今年すでに重賞3勝と大躍進

函館開催が今週で終了し、来週からは札幌開催がスタート。夏競馬も中盤にさしかかりつつある。そんな夏競馬の強い味方の一人が西村淳也騎手だ。今年はすでにGⅢ・3勝を挙げており、大躍進の年になる予感。今週はそんな同騎手の「買える条件・買えない条件」をテーマに過去のデータから分析していく(参照するデータは西村騎手がデビューした2018年3月3日~2023年7月9日)。


ローカルの鬼

西村淳也騎手の「買える条件」,ⒸSPAIA


<西村淳也騎手の「買える条件」>
杉山晴紀【22-10-8-53】勝率23.7%/連対率34.4%/複勝率43.0%
脚質・逃げ×芝【32-29-13-90】勝率19.5%/連対率37.2%/複勝率45.1%
福島芝コース【31-22-19-139】勝率14.7%/連対率25.1%/複勝率34.1%
キャロットファーム【18-13-15-90】勝率13.2%/連対率22.8%/複勝率33.8%

まずは西村淳也騎手の買える条件について分析していく。

厩舎別成績では杉山晴紀厩舎をピックアップする。勝率は23.7%、単勝回収率はなんと192%。この黄金タッグでは、先日のラジオNIKKEI賞をエルトンバローズで制している。この勝利を含め、2023年7月9日時点で同タッグは3連勝中。この中には人気薄での勝利(7月8日の中京未勝利戦、8番人気1着キトリ)も含まれており、見かけたら押さえておきたいコンビだ。

西村淳騎手は積極的に前目につける騎乗スタイルが特徴であり、その傾向はデータにも如実に現れている。逃げ、先行の両方で単勝回収率は100%を超えており、特に芝で逃げた場合は同317%と妙味十分だ。2021年の金鯱賞では、強気の逃げで10番人気のギベオンを1着に導き、単勝オッズ227.3倍の大波乱を演出したのは記憶に新しい。

前述した西村淳騎手の騎乗スタイルが最も活きるのが、ローカル開催。芝コースに限ると単勝回収率は、福島116%、新潟96%、中京152%、小倉114%と高い水準を維持。その中で勝率が14.7%と最も高いのが福島芝コースである。特に1200mと2000mでの妙味度が高く、1200mは【14-8-10-55】で勝率16.1%、単勝回収率129%、2000mは【6-6-3-37】で勝率11.5%、単勝回収率157%と黒字域だ。また1800mでは複勝回収率130%を記録しており、人気薄を馬券内に持ってくることも多い。

馬主別ではキャロットファームの成績が最も良く、【18-13-15-90】で勝率13.2%、単勝回収率135%。その他の馬主では社台レースホースが【11-12-7-90】で勝率9.2%、単勝回収率256%、ロードホースクラブが【7-4-4-35】で勝率14.0%、単勝回収率103%と、クラブ馬での活躍が目立つ。


ダートでは妙味が低い

西村淳也騎手の「買えない条件」,ⒸSPAIA


<西村淳也騎手の「買えない条件」>
京都【8-20-17-198】勝率3.3%/連対率11.5%/複勝率18.5%
ダート【116-156-151-1349】勝率6.5%/連対率15.3%/複勝率23.9%
サンデーレーシング【11-27-12-107】勝率7.0%/連対率24.2%/複勝率31.8%

次に買えない条件についても確認する。

ローカル開催では敵なしの活躍を見せているが、関西の主場では苦戦が続いている。阪神では【25-43-44-523】で勝率3.9%、単勝回収率78%。京都ではさらに苦戦しており、【8-20-17-198】勝率3.3%、単勝回収率23%と大きく落ち込む。ただし、今年に入って、白百合S1着バルサムノートや京都新聞杯2着ダノントルネード、マイラーズC2着ガイアフォースなど、オープンや重賞での好走例も増えており、今後には十分期待できる。

また、全体成績で芝は単勝回収率102%を記録している一方、ダートでは単勝回収率71%に留まっている。この傾向は得意とするローカル開催でも同様であり、ダートコースの単勝回収率は福島68%、新潟67%、中京99%、小倉64%と、中京競馬場を除いてやや過剰人気の傾向だ。基本的には芝で狙うのが良いだろう。

馬主別ではサンデーレーシング所有馬での単勝回収率が46%と妙味度が非常に低い。シルクレーシングも同様で、【11-11-14-92】で勝率8.6%、単勝回収率55%。クラブ馬でも、先述したキャロットや社台の馬を中心に狙っていくのが良さそうだ。

西村淳也騎手の「買える条件・買えない条件」,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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