【ジャパンダートダービー予想】連対した地方馬は3頭中2頭が東京ダービーを制覇 ミックファイアが無敗三冠へ
菊池敬太
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真の3歳ダート王決定戦
2023年7月12日(水)に大井競馬場でジャパンダートダービー(JpnⅠ・ダート2000m)が実施される。3歳ダート三冠競走の創設に伴う路線整備のため、来年から実施時期が10月上旬に移動。レース名はジャパンダートクラシックに変更される。
最後の「ジャパンダートダービー」となる今回は、兵庫チャンピオンシップで2着に1秒差をつけたミトノオーをはじめ、2001年トーシンブリザード以来、南関東無敗の三冠制覇に挑む大井のミックファイア、デビューから【3-1-0-0】と堅実な走りを見せているユティタムなど、JRAと地方から素質馬が集結した。過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す。
過去10年の人気別成績では、1番人気が【3-2-2-3】で勝率、複勝率ともにリード。2番人気は【2-2-1-5】の複勝率50%で、3番人気は【0-2-2-6】。4番人気は【2-4-0-4】と連対率がトップで、連対馬20頭中17頭が4番人気以内と人気サイドの決着が多い。
所属はJRAが連対馬17頭(栗東13、美浦4)と有利。地方馬は船橋が2勝。大井が2着1回だった。
実績面はJRAの連対馬17頭中12頭がダート重賞かオープン特別で勝利実績。残りの5頭は前述の条件で2着、または古馬相手の2勝クラスで勝利していた。地方の連対馬3頭中2頭は東京ダービーの優勝馬だった。また、前走1着馬が過去10年で8勝を挙げている。連対馬の脚質は【逃げ4先行9差し5追込2】で、勝ち馬10頭中7頭が4コーナーで5番手以内だった。
ミックファイアが偉業を達成する
◎ミックファイア
デビューから無傷の5連勝。一冠目の羽田盃、二冠目の東京ダービーともにレースレコードをマークし、どちらも6馬身差で圧勝するパフォーマンスを見せた。特に東京ダービーの走破時計2分4秒8(重)は、5月24日に行われた古馬SⅠの大井記念を0秒4も上回っており、完成度は高い。地方馬で連対を果たしている3頭中2頭は東京ダービーを制覇。二冠とも直線で後続を置き去りにする走りからも、スケールの大きさが感じられる。JRA勢は強力なメンバーでも自分の競馬ができれば、2001年のトーシンブリザード以来となる無敗の三冠馬誕生へ期待は高まる。
◯ユティタム
栗東所属で3連勝中と勢いに乗る。前走の青竜ステークスでは直線で楽に2着馬に並びかけると、ラスト1ハロンで一気に突き放して2馬身半差の完勝。余裕のある勝ち方に重賞クラスの実力が見て取れた。前走でオープン特別を勝利しているのは好走データに合致しており、先行・差しと自在に立ち回れるのは大きな強み。父は米国の三冠馬で、距離が延びても対応は可能だろう。初めての地方馬場やナイターに戸惑わなければビッグタイトルにも手が届く。
▲ミトノオー
デビューから5戦4勝。敗れたのは距離不足に加えて道中で不利を受けた昨秋の東京1400m戦だけ。前走の兵庫チャンピオンシップを6馬身差で圧勝。卓越したスピードを示し、地方馬場に難なく対応して見せた。兵庫チャンピオンシップの1着馬は過去10年で【1-2-2-3】と、勝ったのは2019年クリソベリルだけだが、右回りで3戦無敗と抜群の適性を誇っていた。ミトノオーも同様に右回りは3戦無敗で、こなしてくる可能性は高い。レジェンド武豊騎手の巧みなペース判断で重賞連勝を狙う。
ほか、キリンジは前走の兵庫チャンピオンシップでミトノオーに大きく離されてしまったが、メンバー最速の末脚を発揮して2着を確保。これまでのレースぶりから、広いコースに替わるのはプラスに働きそうだ。オーロイプラータの前走は年長馬が相手の2勝クラスで、ここを鋭い末脚で快勝した。脚質から大井の外回りは合いそうだ。
テーオーリカードはマイペースな逃げに持ち込めばかなりしぶとく、前走も古馬相手の2勝クラスを勝利。初の地方遠征だが、父パイロから、力が要る馬場は向きそうで、自分の形に持ち込めば簡単には止まらない。ゴライコウは前走のUAEダービーで12着。昨秋にJBC2歳優駿を勝ったように、コーナーを4つのコースは好材料で、父ホッコータルマエと距離延長は問題ない。帰国初戦でも軽視は禁物だ。
《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。
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