【七夕賞】緩みないペースへの対応力を評価　東大HCの本命はバトルボーン

2023/07/09 06:00

東大ホースメンクラブ

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この記事のレース

七夕賞

GⅢ

7月9日(日)　福島11R

高配当がもはや恒例

今週日曜、福島競馬場でGⅢ七夕賞が行われる。夏の福島開催を飾る名物ハンデ重賞に、中距離戦線で堅実な活躍を見せているフェーングロッテン、昨年の覇者エヒト、不良馬場の新潟大賞典を逃げて2着としたセイウンハーデス、昨年11月のウェルカムS以来の復帰戦となる4連勝中の4歳馬バトルボーンなどが出走予定だ。

直近10年で、平均配当は馬連6,688円、3連単45万円超。18年には3連単256万馬券が飛び出すなど荒れるレースとして知られるが、今年はどうか。過去10年のデータから検証する。

ヒモ荒れに注意

七夕賞の人気別成績,ⒸSPAIA

＜七夕賞の人気別成績＞
1～3人気【7-2-2-19】勝率23.3%/連対率30.0%/複勝率36.7%
4～5人気【1-3-0-16】勝率5.0%/連対率20.0%/複勝率20.0%
6～9人気【1-4-3-32】勝率2.5%/連対率12.5%/複勝率20.0%
10人気以下【1-1-5-55】勝率1.6%/勝率3.2%/複勝率11.3%

まず人気別成績からチェックしよう。3番人気以内の馬が7勝を挙げている一方で、10番人気以下の馬券圏内も7頭と多い。信頼できる人気馬を軸に据え、相手をある程度広くとる買い方が良いだろう。

ここで人気薄の馬たちの不利データについて2点紹介しておく。まず6～9番人気で6歳以上の馬は【0-2-0-25】。馬券に絡んだ例は13年トレイルブレイザー、15年ステラウインドの2つしかない。続いて2桁人気の馬については、前走で重賞を使われていた馬が【0-0-1-37】と苦しい。天皇賞（春）12着から巻き返した19年3着ロードヴァンドールを除いて全滅している。相手を広くとは書いたが、これらの該当馬は買い目から外したい。

軸は逃げ先行

七夕賞の脚質別成績,ⒸSPAIA

＜七夕賞の脚質別成績＞
逃げ【1-1-0-8】勝率10.0%/連対率20.0%/複勝率20.0%
先行【7-3-4-22】勝率19.4%/連対率27.8%/複勝率38.9%
差し【2-6-5-46】勝率3.4%/連対率13.6%/複勝率22.0%
追込【0-0-1-45】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率2.2%
※マクリ【0-0-0-1】

つぎに脚質別成績をチェックすると、やはり逃げ先行馬が強い。勝ち馬のうち8頭は4コーナー4番手以内で運んでおり、安定して前につけられる馬が大きな恩恵を受けるレースと言える。

過去10年のラップを見てみると、前半5F59秒を切った年が10回中7回もある。後半5Fの方が速かったのは15、20年の2回だが、それぞれ前後半59.5-58.7と61.3-61.2で、極端なスローではない。持久力勝負になりやすいレースであることは確かだ。今年もショウナンマグマやフェーングロッテンを筆頭に前走で逃げ先行策をとっている馬が多く、前半のペースが緩むとは考えづらい。タフな展開になることが予想される。

そこで、後ろすぎない位置からの差しにも警戒したい。前走の4コーナー位置が5～10番手だった馬は、七夕賞で4コーナー9番手以内につけられれば【3-6-1-27】連対率24.3%をマークしており、単複回収率も100%を超えている。後手後手に回らなければチャンスはある。

連勝を伸ばす

◎バトルボーン
昨年のウェルカムS（東京芝2000m）以来のレース。その際は大外枠ながら道中2番手のポジションに落ち着くと、残り400m地点で先頭に立ち、レインフロムヘヴンの追い上げを封じて押し切った。

ラップをみると12.9-11.0-11.3-11.7-11.9-12.1-12.3-11.4-11.4-11.8と緩みのないペースであり、実際4コーナー5番手以内で進めていた馬はバトルボーン以外掲示板にも残れていない。キャリア5戦すべて先行か逃げ戦法で勝負しているのも安心感をアップさせる。5連勝で一気に重賞ウィナーへと駆け上がってほしい。

◯フェーングロッテン
ここ3戦は芝2000mの重賞ですべて逃げ、タイム差なし3着、0.1秒差2着、0.1秒差2着と好走を続けている。2000mはこの馬にとってベストな距離だろうし、実績的にも間違いなく上位だ。ハンデ58kgを課されることは多少気掛かりだが、自分のペースで走ることができればコース特性的に大崩れはしないだろう。

▲テーオーソラネル
4歳に入ってから充実期を迎えており、3月に1勝クラスを勝つと4月の2勝クラスでは逃げて上がり最速を計時。さらに前走の岸和田Sでは差しに回り、前が止まらない展開のなかで上がり最速の33.8秒を繰り出し、ハナ差かわしたところがゴール板。見事オープン入りを決めた。1週前追いでは、仕掛けられるとグイグイ僚馬を突き放しており状態もよい。初の重賞挑戦でも期待していい1頭だ。

以下セイウンハーデス、エヒト、グランオフィシエまで印を回す。馬券は◎軸、◯以下相手の3連複で勝負する。

▽七夕賞予想▽
◎バトルボーン
◯フェーングロッテン
▲テーオーソラネル
△セイウンハーデス
×エヒト
×グランオフィシエ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。