【七夕賞】Cアナライズは地力上位のサンレイポケットを推奨 フェーングロッテンの楽逃げも警戒
貴シンジ
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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
先週のラジオNIKKEI賞ではオメガリッチマンを推奨し9番人気8着。ペースが上がったことで追走に苦労し、ポジションが悪くなってしまった印象だ。ペースが緩むレースでの巻き返しを期待したい。さて、今回は7月9日(日)に福島競馬場で行われる七夕賞について、下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走不利データ」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった22頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。
重要データ:前走敗戦からの巻き返しに注意
七夕賞では前走着順が重要なファクターとなる。着順が良いほど成績が良くなることはOPクラスでよく見られる傾向だが、七夕賞の場合、前走1~3着だった馬の成績は【2-3-5-26】で勝率5.6%、単勝回収率20%、複勝回収率73%。対して4着以下だった馬の成績は【8-7-5-96】で勝率6.9%、単勝回収率138%、複勝回収率131%だ。前走で好走していると、ハンデが重くなることや、オッズ妙味が下がることが、このデータの要因に挙げられるかもしれない。
今回人気に推されそうなフェーングロッテンやセイウンハーデスもこの割引データに該当している。
【前走1~3着だった出走予定馬】
・グランオフィシエ
・セイウンハーデス
・テーオーソラネル
・バトルボーン
・フェーングロッテン
・フライライクバード(除外対象馬)
・ホウオウエミーズ
前走不利データ:天皇賞(春)のサンレイポケット
サンレイポケットの前走は天皇賞(春)8着。同レースの8歳馬の成績は【0-1-0-12】で全く結果が出ていない。7歳馬も【0-0-3-17】と凡退しているので、高齢馬にとってGⅠは荷が重いのだろう。今回は一気にレースレベルが下がるので持ち味の末脚を上手く発揮できれば、激走があっても不思議はない。
血統解説:サンレイポケット、セイウンハーデス、フェーングロッテン
・サンレイポケット
日本での牝祖は3代母アドマイヤラピス。ファミリーには15年日経新春杯、同年日経賞勝ちのアドマイヤデウス、06年日経新春杯、08、09年中山金杯勝ちのアドマイヤフジなどが出ている、パワータイプの芝中長距離ファミリーだ。本馬もトニービンの影響が強く、持続性能の高い末脚を持っている。高速馬場だと苦しいが、時計がかかるようなら福島の舞台でも期待できる。
・セイウンハーデス
日本での牝祖は9代母フロリースカツプ。これは小岩井牧場の基礎輸入繁殖の一頭で、スペシャルウィークを筆頭に数多くの名馬たちを送り出してきたファミリーだ。本馬はパワーのあるシルバーステート×マンハッタンカフェ×エリシオという組み合わせで、スタミナ豊富な持続タイプの芝馬に出た。ストライドの大きな走りとパワーが持ち味だけに、ベストコースは阪神か東京。前走の新潟も適性がありそうなコースだけに、舞台が福島に変わって上積みは見込みづらいか。
・フェーングロッテン
日本での牝祖は3代母シンコウエンジェル。この牝系は複数の枝から活躍馬を輩出していて、現代日本競馬においても重要なファミリーの一つと言えるだろう。
中でも本馬の母ピクシーホロウの活躍は突出していて、競走馬としては3勝に終わったが、繁殖としては本馬の半兄で21年スプリンターズS勝ちのピクシーナイト(父モーリス)を輩出。本馬は父がスタミナ豊富なブラックタイドに替わった分、距離がもつ中距離タイプに出たが、母が逃げを信条としたスピードタイプだっただけに、脚質は先行して粘り切るタイプに。
ラジオNIKKEI賞勝ちの良績がある福島でコースは合うだろう。セイウンハーデスがハナを主張してこなければ、すんなりスローペースで逃げ切ってもおかしくない。
Cアナライズではサンレイポケットを推奨
今回のCアナライズではサンレイポケットを推奨する。近走は着順こそ目立たないが、戦ってきた相手レベルは高く、このメンバーであれば実績上位。福島コースで得意の持続性能の高い末脚を使えるかどうかがカギとなるが、フェーングロッテンのスローペースなら自ら競馬を動かしやすいか。
人気馬からはフェーングロッテンを推奨する。スローペースに落とせばとことん粘る馬で、今回も楽にハナを取れればチャンスは大きい。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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