【ラジオNIKKEI賞】白百合S上がり最速で好データに合致 東大HCの本命はバルサムノート

東大ホースメンクラブ

ラジオNIKKEI賞のプラスデータ(過去10年),ⒸSPAIA

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夏の福島競馬開幕

日曜日、福島競馬場でGⅢ・ラジオNIKKEI賞が行われる。夏の福島開催の始まりを告げるこの名物レースに、1勝クラスを圧勝してきたレーベンスティール、白百合Sを勝ったバルサムノート、クビ差2着に惜敗したアイスグリーン、スイートピーSを差し切り勝ちしたウヴァロヴァイトなどが出走を予定している。

過去10年で3度馬連万馬券が飛び出し、3連単の平均配当は19万円超えを叩き出す難解なハンデ重賞だが、今年も波乱の決着となるか。過去10年のデータから検証していく。

中心はOP組

ラジオNIKKEI賞の前走クラス別成績,ⒸSPAIA


<ラジオNIKKEI賞の前走クラス別成績>
1・2勝クラス【3-4-5-55】勝率4.5%/連対率10.4%/複勝率17.9%
OP・L【5-2-1-20】勝率17.9%/連対率25.0%/複勝率28.6%
GⅢ【0-0-0-6】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
GⅡ【2-0-1-13】勝率12.5%/連対率12.5%/複勝率18.8%
GⅠ【0-4-3-21】勝率0.0%/連対率14.3%/複勝率25.0%

まず前走クラス別成績から確認する。最も数値が良いのはOP・リステッド組であり、勝率は17.9%に達する。このうち前走で上がり3Fが1、2位だった馬は【5-0-0-4】となっている。昨年の勝ち馬フェーングロッテンも、その前の白百合Sは逃げて上がり3F2位(34.7秒)をマークしていた。今年の該当馬はアイスグリーン、アグラシアド、バルサムノートの3頭だ。

次に1勝、2勝クラス組についても詳しく見てみよう。前走で逃げた馬は【1-3-1-11】複勝率31.3%。20年はこれに該当したバビット(8番人気)、パンサラッサ(7番人気)のワンツーが決まるなど妙味もある。今回の出走馬ではシルトホルンが該当する。ところが、条件戦で逃げ以外の競馬をしていた馬は【2-1-4-44】と凡走が目立つ。

最後に重賞組について。今年の出走馬に関係するデータを挙げると、皐月賞組が【0-1-1-6】ながら、一昨年のワールドリバイバル(11番人気2着)、昨年のサトノヘリオス(2番人気3着)と2年連続で馬券圏内に来ている。なお京都新聞杯組は【1-0-0-3】(勝ち馬は19年ブレイキングドーン)、毎日杯は【0-0-0-4】、NZTと共同通信杯はともに【0-0-0-1】である。

54kg馬に注意

ラジオNIKKEI賞の斤量別成績,ⒸSPAIA


<ラジオNIKKEI賞の斤量別成績>
52kg以下【0-0-1-25】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率3.8%
53kg【1-4-4-32】勝率2.4%/連対率12.2%/複勝率22.0%
54kg【5-3-3-32】勝率11.6%/連対率18.6%/複勝率25.6%
55kg【2-3-1-9】勝率13.3%/連対率33.3%/複勝率40.0%
56kg以上【2-0-1-18】勝率9.5%/連対率9.5%/複勝率14.3%

斤量別の成績も確認しよう。成績不振の52kg以下は斤量引き上げの影響か、今年は不在。最軽量にあたる53kgの馬は、4角4番手以下だと【0-0-2-28】と苦戦傾向にあり、高い先行力が必須。53kgはダイシンヤマトのみだが、差しを主戦法とするこの馬にとっては不利なデータだ。さらに56kg以上の馬も1、2番人気を除けば【0-0-1-13】とほとんど馬券に絡んでいない。こちらも慎重な取捨選択が必要だ。

一方で最多の5勝をマークしているのが斤量54kgの馬。前で進めると特に強く、4角4番手以内なら【2-2-3-9】複勝率43.8%と安定感がある。今回54kgのハンデを与えられたのは4頭だが、そのうち逃げ先行を主戦法にしているエマヌエーレ、シルトホルンの2頭は要チェックだろう。また55kg馬も4角4番手以内なら【1-1-0-1】と、こちらも先行力のある馬を拾っていきたい。

OP勝ちの余勢駆って

◎バルサムノート
白百合Sではメンバー中最速となる上がり3F33.6秒を計時。最後の3Fのラップは11.5-11.2-11.4であり、止まらない前の馬たちをまとめて差し切った強い内容だ。折り合いなどメンタル面に課題を残す馬だが、最終追い切りでは坂路でラスト1F11.6秒と、その切れ味は重賞でも上位クラス。自分のリズムで走れば福島でも強みを発揮してくれるだろう。

◯レーベンスティール
母父トウカイテイオーという希少な血統面でも注目を集めている馬。前走は道中3番手で進め、400mの標識手前で先頭に立つと、ラスト2Fで10.8-10.9というラップを叩き出し、5馬身差で圧勝してみせた。過去10年の東京芝1800m戦で、最後の2Fが連続して10秒台だったのはこのレースしかなく、傑出度は明らか。今回は7枠14番に入ってしまい、かつメンバーも強化されるが、やれるだけの力は十分ある。

▲シルトホルン
前走は東京の1勝クラス。好発からそのままハナを切ると一度も先頭を譲らず、直線では突き放して1.3/4馬身差の勝利。上がり3Fもメンバー中2位の33.5秒をマークした。スッと前につけられ、なおかつスピードもあり、福島コースは向きそうな勝ち方だ。一方で前走1600mの1勝クラスを使っていると、【0-1-1-15】複勝率11.8%というデータもある。ここは相手として馬券に組み込みたい。

以下アイスグリーン、エマヌエーレ、グラニットに印を回す。買い目は◎軸の3連複とする。スイートピーSで鮮やかな差し切り勝ちを収めたウヴァロヴァイトは上位人気が予想されるが、牝馬は過去10年で【0-1-0-22】。ここでは見送りたい。

▽ラジオNIKKEI賞予想▽
◎バルサムノート
◯レーベンスティール
▲シルトホルン
△アイスグリーン
×エマヌエーレ
×グラニット

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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