【ラジオNIKKEI賞】ハイブリッド式で有力馬が次々消去 ソールオリエンスと“互角”のレーベンスティールを信頼

八木遊

過去10年のラジオNIKKEI賞『前走同距離』かつ『前走4着以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の宝塚記念ではイクイノックスが人気に応えて勝利。3着のジャスティンパレスも消去を免れていたが、10番人気で2着に激走のスルーセブンシーズを最後の最後に消していた。

今週からは本格的な夏競馬。7月2日に福島で開催されるのは、3歳ハンデ重賞のラジオNIKKEI賞だ。今回も過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。抽選対象の5頭(*)を含めた全20頭から残るのは果たしてどの馬か。


『非社台系生産』×『今回斤量52kg以下』★0.0%★

まずは生産者別データから、非社台系牧場で生産された馬を取り上げたい。過去10年の成績は【6-8-6-67】(複勝率23.0%)と上々。ただし、負担重量が52kg以下の馬は【0-0-0-21】(同0.0%)と全21頭が馬券圏外に沈んでいた。

登録がある20頭のうちこの条件に当てはまったのは2頭。どちらも抽選対象の1勝馬ウイニングライブとヨリキリで、たとえ抽選を突破しても消去する。

【今年の該当馬】
・ウイニングライブ*
・ヨリキリ*


『前走同距離』×『前走4着以下』★0.0%★

続いては距離変動別データを取り上げたい。前走で今回と同距離の1800mを走っていた馬は、過去10年で【3-2-1-35】(複勝率14.6%)とやや苦戦。特に前走が4着以下の馬は【0-0-0-15】(同0.0%)と馬券に絡んでいなかった。

今年は以下の3頭が前走1800m戦で4着以下に敗れていた。コレペティトールは前走の共同通信杯で7着に終わっているが、4着タスティエーラとは0秒4差。好メンバー相手に走った経験は評価できるが、今回は消しの判断を下す。

【今年の該当馬】
・エマヌエーレ*
・コレペティトール
・スズカハービン


『前走4角2~4番手』×『前走で人気より上の着順』★4.5%★

3つ目は前走の4角通過順が2~4番手だった先行馬を取り上げたい。過去10年の成績は【1-2-4-47】(複勝率13.0%)で、意外と好走率は低い。特に前走で人気より上の着順に好走していた馬は【0-1-0-21】(同4.5%)。唯一馬券に絡んだのは、21年に11番人気で2着に入ったワールドリバイバルだけだった。

この条件に当てはまったのは以下の4頭。消去済みのエマヌエーレ以外の、アイスグリーン、エルトンバローズ、グラニットの3頭を新たに消去する。

【今年の該当馬】
・アイスグリーン
・(エマヌエーレ*)
・エルトンバローズ
・グラニット


『社台系生産』×『母父サンデーサイレンス系』★5.6%★

続いては生産者別データから社台系の生産馬も取り上げたい。過去10年の成績は【4-2-4-49】(複勝率16.9%)と、複勝率は非社台系生産馬に比べて低い。これと掛け合わせるのは血統データだ。今回は母の父サンデーサイレンス系をピックアップした。この組み合わせは【0-0-1-17】(同5.6%)で、馬券に絡んだのは昨年の3着馬サトノヘリオスだけだった。

今年は5頭がこの条件に当てはまったが、うち2頭はすでに消去済み。新たに消去リストに加わるのは、前走で3歳限定リステッド競走を勝利したウヴァロヴァイトとバルサムノート、そしてオメガリッチマンの計3頭。いずれも上位人気に推される可能性は高いが、斤量を背負う分、割り引いて考えたい。

【今年の該当馬】
・(アイスグリーン)
・ウヴァロヴァイト
・(エマヌエーレ*)
・オメガリッチマン
・バルサムノート


『前走から距離延長』×『今回馬番5~12番』★0.0%★

4つの条件を終えた時点で、20頭中11頭を消去。最後は距離変動別データで、距離延長組を狙い撃つ。掛け合わせるのは今回の馬番だ。これが1~4番の内目か13~16番の外目なら【0-2-4-14】(複勝率30.0%)という好成績。しかし、馬番5~12番だと【0-0-0-23】(同0.0%)と、まったく走っていない。

残っている9頭のうち前走から距離延長で臨むのは以下の5頭。金曜日に発表される枠順次第では消去対象となる。

【今年の該当候補】
・シーウィザード
・シルトホルン
・ダイシンヤマト*
・ドンデンガエシ
・ラファドゥラ*

5つの消去条件を終えて、確実に残るのは、アグラシアド、セオ、マイネルモーント、レーベンスティールとなった。4頭の中ではレーベンスティールがデビュー戦で皐月賞馬ソールオリエンスと互角の戦いを演じており、前評判も高く信頼できそう。他の1勝クラスを勝ち上がった馬に比べると、斤量56kgはやや不利にも見えるが、3着を外すことはないだろう。この4頭に、5つ目の条件で消去を免れた馬を加えて三連複ボックスで勝負する。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は40.3%(6月25日現在)。

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