【宝塚記念】イクイノックス安泰もディープボンドは消し! ハイブリッド式消去法で残った馬は?

八木遊

過去10年の宝塚記念 『社台系生産』かつ『前走時馬体重500kg以上』の成績,ⒸSPAIA

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『社台系生産』×『前走時馬体重500kg以上』★0.0%★

今週はいよいよ上半期の総決算、宝塚記念が25日に阪神競馬場で開催される。いつも通り、過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。出走回避を表明した2頭(ウインマイティー、ブローザホーン)を除いた、登録馬18頭を対象に進めていきたい。

まず取り上げたいのは生産者別データだ。いつもなら非社台系生産馬を対象にすることが多いが、宝塚記念は意外にも社台系生産馬の方が複勝率は低い。過去10年の成績は【7-4-6-66】(複勝率20.5%)で、【3-6-4-47】(同21.7%)の非社台系生産馬に劣っている。特に大型馬は苦戦しており、前走時馬体重500kg以上の社台系生産馬は【0-0-0-16】(同0.0%)だった。まずはこの組み合わせを採用する。

18頭のうち2頭がこの条件に当てはまった。ダノンザキッドは3年前に、ドゥラエレーデは昨年にホープフルSを勝っているが、その後は勝利から遠ざかっている。どちらも穴人気しそうだが消去対象とする。

【今年の該当馬】
・ダノンザキッド
・ドゥラエレーデ


『6歳以上』×『前走で人気を上回る着順』★3.1%★

2つ目は年齢別データから、過去10年で【0-5-0-48】(複勝率9.4%)の6歳以上の馬をピックアップ。この条件だけで複勝率は10%を下回っているが、ハイブリッド式消去法は、これにもう1つのデータを掛け合わせる。今回は前走で人気を上回る着順に好走していた馬を対象とした。その成績は【0-1-0-31】(同3.1%)で、馬券圏内に入ったのは昨年5番人気で2着のヒシイグアスだけだった。

この組み合わせに当てはまったのは以下の3頭。昨年の4着馬ディープボンドは侮れない存在だが、2200mは距離不足の感が否めない。

【今年の該当馬】
・ディープボンド
・ボッケリーニ
・モズベッロ


『前走国内GⅡ以下』×『前走4着以下』★3.7%★

3つ目は前走クラス別成績を取り上げたい。対象としたのは国内でGⅡ以下のレースを走っていた馬。過去10年の成績は【2-3-1-40】(複勝率13.0%)と苦戦していた。特に前走で4着以下に敗れていた馬は【0-1-0-26】(同3.7%)。馬券に絡んだのは、14年の2着馬カレンミロティックだけだった。

この条件に当てはまったのは以下の4頭。消去済みのモズベッロに加えて、カラテ、プラダリア、ライラックの3頭が3つ目の消去条件に当てはまった。

【今年の該当馬】
・カラテ
・プラダリア
・(モズベッロ)
・ライラック


『キャリア21戦以上』×『前走から騎手乗り替わり』★6.3%★

続いては馬のキャリア別成績から、宝塚記念までに21戦以上走っていた、戦歴が豊富な馬を取り上げる。このデータだけでも【2-3-1-50】(複勝率10.7%)と、かろうじて複勝率10%に達しているレベルだが、鞍上が前走から乗り替わっていた馬は【1-1-0-30】(同6.3%)と成績がさらに悪かった。4つ目のデータはこの組み合わせを取り上げたい。

この条件に当てはまったのは以下の3頭。新たに消去リストに加わるのは、2年前の当レース2着馬ユニコーンライオンと昨年のジャパンC覇者ヴェラアズールとなった。

【今年の該当馬】
・(モズベッロ)
・ユニコーンライオン
・ヴェラアズール


『前走上がり3位以内』×『今回8番人気以下』★0.0%★

4つの条件を終えた時点で、18頭中10頭を消去。まだ8頭が残っているが、最後は「前走の上がり順位と今回の人気順」を掛け合わせたデータで絞り込みを図っていく。

採用したのは、「前走上がり順位が3位以内かつ今回8番人気以下」という組み合わせ。過去10年で18頭がこのデータに当てはまっていたが、すべて掲示板を外していた。8番人気以下で馬券に絡んでいたのは、そろって前走上がり4位以下の馬ばかり。これは覚えておいて損はないだろう。

残っている8頭のうち、前走の上がり順位が3位以内だったのは以下の3頭。このうち天皇賞(春)勝ち馬のジャスティンパレスは、7番人気以内に支持されると見ていい。一方で、他の3頭は8番人気以下の可能性が高く、消去対象になるだろう。

【今年の該当候補】
・ジャスティンパレス
・スルーセブンシーズ
・ミクソロジー

5つの条件を終えて、必ず残るのは、アスクビクターモア、イクイノックス、ジェラルディーナ、ジオグリフ、ブレークアップの5頭。今週はこれにジャスティンパレスを加えた、6頭の三連複ボックスで勝負することになりそうだ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は44.2%(6月18日現在)。

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