【マーメイドS】前走着差と馬齢から難解なハンデ戦を分析! 京大競馬研の本命はストーリア
京都大学競馬研究会
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0.5秒差以内で敗れた馬に要注目!
6月18日(日)に阪神競馬場でマーメイドS(GⅢ・芝2000m)が行われる。昨年のレースは10番人気ウインマイティーが復活星を挙げるなど、例年通りの荒れ模様のレースとなった。今年はそのウインマイティー、福島牝馬S2着のビッグリボン、福島牝馬Sで1番人気に推されたストーリアなどに加え、条件戦からシンシアウィッシュ、ゴールドエクリプスなどが出走する。以下では、過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。
まず、過去10年間のマーメイドSにおける前走着差別成績について調べた。ここでは、前走0.5秒差以内で敗れていた馬が好走傾向にあることが分かった。該当馬の成績は【7-4-5-46】で勝率11.3%、連対率17.7%、複勝率25.8%。今回であれば、ストーリア、ビッグリボンなどが該当する。
その次に優れた成績を残しているのは、前走勝利した馬だ。【1-3-2-18】で勝率4.2%こそ低いものの、連対率16.7%、複勝率25.0%はほぼ前記の組と変わらない数値を記録している。今回はシンシアウィッシュ、ハギノメーテルなど5頭が該当する。
反対に、成績が芳しくないのは前走0.6秒差以上の着差を付けられて敗れた馬。成績は【2-3-3-55】で、勝率~複勝率いずれも「前走0.5秒差以内で敗れた馬」の半分以下になっている。評価を下げたい。
4・5歳馬が中心
次に、過去10年間のマーメイドSにおける馬齢別成績について調べた。ここでは、4、5歳馬が優れた成績を残していることが分かった。
4歳馬は【4-4-3-36】で勝率8.5%、連対率17.0%、複勝率23.4%の好成績。ストーリア、シンシアウィッシュ、ビジンなどが該当する。5歳馬も【5-5-6-59】で勝率6.7%、連対率13.3%、複勝率21.3%と遜色ない数字。ビッグリボン、シャーレイポピーなどがいる。
逆に、6歳馬は成績がいまひとつで、【1-1-0-18】で勝率5.0%、連対率10.0%となっている。6歳はウインマイティー、ホウオウエミーズが該当する。
2つのデータから好走馬を見抜く!
◎ストーリア
前走0.3秒差の5着、4歳馬という好データを満たす。早く仕掛けすぎた前走、他馬のレベルが高すぎた秋華賞、先行策を取ったカーネーションS以外の8走ではどれも上がり3位以内と堅実な末脚を見せている。
これまでの走りを見る限り、重賞レベルになると1800mは少し忙しそうなので、距離延長は間違いなくプラス。2000mという距離は秋華賞で勝ち馬と0.4秒差の競馬が出来ているように適性がある。今回は先行馬が多く、ペースがそれなりに流れて展開も向くであろう。中山牝馬Sのような競馬が出来さえすれば、ここでも間違いなく好走できる。
ハンデはウインマイティーより2キロ軽い54キロ。この馬の能力や実績を踏まえれば恵まれたと見る。調教内容も良く、しっかりと走れる状態にある。
◯ビッグリボン
前走ハナ差の2着、5歳馬と好走条件を満たす。3走前サンタクロースSから前走までの3走は牡馬との対戦や重賞ながらも速い上がりを使えている。福島牝馬Sは後ろからの競馬になり、道中動くもハナ差及ばず2着となったが、ベストの距離ではない1800mでも、牝馬限定の重賞であれば通用することを証明できた。関門橋SやサンタクロースSを見る限り、2000mであれば位置を取ることができ、またそこからいい脚を使えるので今回の舞台は間違いなく向く。調教の動きも良いので期待する。
▲シンシアウィッシュ
前走アタマ差で2勝クラスを勝ち切った4歳馬。3歳時にはフローラSで3着に入るなど、2000mという距離に関しては実績がある。先行タイプでそこまでキレはないが、立ち回りが上手い馬ではあるので、今回の条件はかなり向くはず。調教の動きも水準以上で、しっかりと好位が取れさえすれば十分チャンスはある。斤量も51キロとこの馬の能力を考えればかなり恵まれた。懸念点は鞍上(騎乗停止明けの角田大河騎手)のブランクであるが、元々若手の中では技術が明らかに抜けている騎手なので、上手にエスコートして欲しい。
△ランスオブアース
前走久々の芝レースで0.5秒差の4着と好走。展開向けば馬券内狙える。
×タガノフィナーレ
距離はこれくらいが合っている。軽斤量生かせればチャンスある。
×シャーレイポピー
距離延長で変わり身あれば。
買い目としては、◎-◯▲△×の馬連で勝負する。
▽マーメイドS予想印▽
◎ストーリア
◯ビッグリボン
▲シンシアウィッシュ
△ランスオブアース
×タガノフィナーレ
×シャーレイポピー
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。
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