【マーメイドS】昨年覇者ウインマイティーも消し! ハイブリッド式消去法

八木遊

2023年マーメイドステークスの消去法データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週のエプソムCは、ルージュエヴァイユ、ガロアクリーク、ショウナンマグマの3頭が消去を免れた。ルージュエヴァイユを除く2頭は2桁着順に沈んだが、三連複1点勝負だったため、「被害」を最小限に抑えることができた。

宝くじ感覚で臨んだ先週から気分を切り替えて、今週は18日に阪神競馬場で開催されるマーメイドSを予想する。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。


『前走3勝クラス以下』×『前走5着以下』★3.6%★

まずは前走クラスを取り上げたい。過去10年の勝ち馬10頭のうち実に7頭は前走で3勝クラスを走っていた。ハンデに恵まれた格下馬の好走が目立つ特殊なレースとして知られるが、さすがに「前走3勝クラス以下で5着以下に敗れていた馬」は出番が少ない。過去10年の成績は【1-0-0-27】(複勝率3.6%)で、馬券に絡んだのは、21年に逃げ切り勝ちを収めたシャムロックヒルだけだった。

登録がある15頭のうち、この条件に当てはまったのは以下の3頭。そろって斤量50kg以下とハンデには恵まれたが、さすがに馬券圏内に好走するのは難しいだろう。

【今年の該当馬】
・タガノフィナーレ
・ヒヅルジョウ
・ビルボードクィーン


『前走から斤量3kg以上減』×『前走初角4番手以内』★5.0%★

続いては、前走時から斤量が3kg以上減っていた馬を取り上げたい。過去10年で56頭が走り、【2-4-0-50】(複勝率10.7%)という成績。特に苦戦していたのは、前走で最初のコーナーを4番手以内で通過していた先行馬で、その成績は【0-1-0-19】(同5.0%)だった。

この条件に当てはまったのは最初に消したヒヅルジョウを含む大量6頭。ゴールドエクリプスなどを消去リストに加える。

【今年の該当馬】
・ゴールドエクリプス
・サンカルパ
・シンシアウィッシュ
・セレッソ
・ハギノメーテル
・(ヒヅルジョウ)


『前走2000m以上』×『キャリア15戦以上』★5.6%★

3つ目は前走距離に着目した。今回と同じ2000mもしくはそれ以上の距離を走っていた馬は、過去10年で【3-4-1-38】(複勝率17.4%)と可もなく不可もなくといった成績。ただし、馬券に絡んだ8頭中7頭はキャリアの浅い馬だった。キャリア15戦以上の馬に限ると、【0-0-1-17】(同5.6%)という成績が残っている。

この条件に当てはまったのは以下の5頭。連覇を狙うウインマイティーは昨年と同様に距離短縮で臨むが、キャリアを重ねた分、割引が必要となりそうだ。

【今年の該当馬】
・ウインマイティー
・(タガノフィナーレ)
・ビジン
・(ビルボードクィーン)
・ランスオブアース


『非社台系生産』×『ミスタープロスペクター系』★6.3%★

4つ目は生産者別データから、過去10年で【3-4-7-56】(複勝率20.0%)の非社台系牧場の生産馬に注目。複勝率は20.3%の社台系生産馬と変わらないが、父がミスタープロスペクター系の馬に限ると、【0-0-1-15】(同6.3%)と苦戦していた。

この条件に当てはまったのは以下の4頭。新たに消えるのは、いずれも上位人気が予想されるストーリアとビッグリボンとなった。

【今年の該当馬】
・(ゴールドエクリプス)
・ストーリア
・ビッグリボン
・(ビルボードクィーン)


『前走重賞』×『今回10番人気以下』★0.0%★

4つの条件を終えた時点で、15頭中13頭を消去し、残っているのはシャーレイポピーとホウオウエミーズの2頭だけとなった。最後は前走重賞と今回10番人気以下という組み合わせ。過去10年でこのデータに当てはまった17頭全てが、4着以下に敗れていた。同じ10番人気以下の伏兵でも前走が非重賞だった馬は【3-3-1-35】(複勝率16.7%)なので、穴馬の取捨に迷った時は前走でリステッド以下を走っていた馬を選択すべきかもしれない。

最後まで残っていた2頭はどちらも前走が重賞。つまり、今回の人気次第ではそろって消去対象になる可能性もある。

【今年の該当候補】
・シャーレイポピー
・ホウオウエミーズ

5つの消去条件を終えて、必ず残る馬はゼロ。当日にならないと人気は読めないが、もし2頭とも9番人気以内なら両馬のワイド1点、1頭だけなら単勝1点を買い目とする。もし2頭そろって10番人気以下なら、本企画開始以来初の「見」とさせていただく。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は44.4%(6月11日現在)。

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