【函館スプリントS】開幕週でも馬券に絡む追い込み勢 ディヴィナシオンの一撃に期待
佐藤永記
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穴は前走大敗の差し追込馬
夏競馬の訪れを告げる函館スプリントS。開幕週ということもあって毎年安定した好時計で、逃げ先行馬が勝ちやすい重賞である。しかし、脚質別成績を見ると、思ったより後方の馬でも戦えているようだ。実際、開幕週だというのに過去10年で差し馬が【2-4-4-46】、追込馬が【1-2-3-38】と2、3着には結構絡んでいる。
さらに注目なのは前走着順。前走1着と順調そうな馬たちも成績は【1-2-3-17】とはっきり言って悪い。むしろ前走2桁着順だった馬が【4-4-3-54】、6着以下まで広げれば【6-4-3-75】と、勝ち馬は過去10年で多数派になるのだ。
それだけ函館に替わることが大きな変化になるのだろう。ちなみにこれらの過去データは、あのグリーンカル騒動で除外馬が大量に出て、7頭立てとなった2019年も含んでいる。その年も勝ち馬は前走韋駄天S6着の5番人気カイザーメランジェだった。
よって、1着候補は逃げ先行勢になるとして、ヒモ候補は「前走大敗組」かつ「差し・追込馬」の人気薄をピックアップしておくと、馬券的に良い配当を狙えるだろう。
今年の穴馬候補
まず注目したいのは昨年2着馬のジュビリーヘッドだ。昨年は、圧倒的に実力上位のナムラクレアが斤量50kgで出走して1着だった。これは規格外というべきで、むしろその2着というのは高く評価できる。前走の重馬場で行われた春雷Sは9着だったため、昨年同様、少し人気が落ちそうなのも妙味がある。差し馬というより先行の後ろ寄りが基本位置の馬だが、今年もその位置で堅実な末脚を見せてくれれば、好配当の使者になりうるだろう。
もう1頭はディヴィナシオンだ。前走は高松宮記念14着と大敗を喫しているが、GⅠ、不良馬場、道中15番手と出番がないのは当たり前といった敗戦である。前々走オーシャンSは2着で、最後に出走した函館のレース(昨年の3勝クラス)では6着だった。しかし、15番手から伸びて勝ち馬から0.3秒差と僅差で、後方から届く脚を持つ馬である。今年は逃げ馬候補が多く、例年の傾向から外れるハイペースで前が苦しいレースになる可能性はある。後方組有利に傾いたとき、一気に牙を剥く可能性に期待したい。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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