【ヴィクトリアマイル】格上の馬が順当に走るレース 京大競馬研の本命はソングライン
京都大学競馬研究会
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基本は使ったレース格を重視
5月14日(日)に東京競馬場でヴィクトリアマイル(GⅠ、以下「VM」)が行われる。二冠牝馬のスターズオンアースや、昨年の覇者ソダシ、GⅠ連対実績のあるナミュールやナムラクレアなど16頭が集まった。
近年は牡馬も圧倒するほどの名牝が参戦することが多くなった当レースだが、今年も過去に負けず劣らず実力馬が揃った印象を受ける。実績馬が更にタイトルを積み重ねるのか、あるいは格下の逆転があるのか、今週も目が離せない熱戦に期待できそうだ。
まずは過去10年の前走レース別成績を調査した。最多の勝ち馬を送り込むのは阪神牝馬S組【4-4-4-56】。ただし頭数が多いぶん複勝率は17.6%とさほど高くはない。かつては毎年1頭以上は掲示板に載っていたが、昨年はVM創設以降初めて阪神牝馬S組が掲示板に載らなかった。前走でもGⅠを使った馬の出走が増え、昔ほどの重要性はなくなったと言えるだろう。
代わって近年成績が伸びているのは前走大阪杯組(GⅡ時代を含む)【2-1-1-3】などの混合GⅠ組だ。有馬記念、フェブラリーS、高松宮記念から1勝ずつ。また11年以上前を含めれば前走ドバイ組が2勝するなど、牡馬相手にGⅠを戦ってきた馬は牝馬同士のここに入ればやはり格上の存在であることがわかる。
今年は前走混合GⅠ組があまり多くなく、スターズオンアース、ソダシ、ナムラクレア、ロータスランドの4頭のみ。かつGⅠ馬はスターズオンアースとソダシだけ。この2頭と混合GⅠ勝ち馬のソングラインを含めた実績馬3頭は、人気上位ではあるが重い印を打たないといけない。
その他のレースでは前走中山牝馬S組が【1-1-0-11】。中山牝馬Sよりさらにレベルの落ちる傾向の福島牝馬S組は【0-1-2-20】と勝ち馬が出ていない。VMを「勝ちたい」馬ではなく、VMに「出たい」馬が出走するため、ここでは低調。福島組の優先順位は落として馬券を組むべきだ。
勝率では3枠が優秀
次に過去10年の枠順別成績を調べた。最も勝ち馬を輩出しているのは3枠で【4-0-1-15】。他の枠と比べて勝率が圧倒的で、人気馬にとって競馬が組み立てやすい枠であることがわかる。同様の理由で2枠【2-1-2-15】、6枠【2-1-0-17】も悪くない。4、5枠からは勝ち馬こそいないが、連対馬が3頭ずつ出ている。馬券の組み方としては中枠に近い方を上位に評価したい。
甲乙つけがたいGⅠ馬たち 昨年取り逃したタイトルを今年こそ
◎ソングライン
昨年の安田記念勝ち馬。セントウルSを使った後調整が順調にいかず、今年初戦となった1351ターフスプリントは10着に大敗した。内容は確かに残念なものではあったが、今回は得意の東京。輸送も短いことから前走からの上積みは大きいと考える。枠順がとにかくよく、3枠6番はレース傾向にも馬場傾向にも合致しており、詰まりさえしなければ勝ち負けになるだろう。
◯スターズオンアース
大阪杯は6枠11番から、内前有利の展開に反発する2着。怪我明けであったことやクラシックで戦った相手がその後不調であったことから当時は実力を疑っていたわけだが、結果で私を黙らせる一戦だった。今週からBコースに替わる馬場傾向から内枠はプラス。しかし1枠2番は少し内すぎたか。オークスと桜花賞の内容を比較する限りマイルは忙しそうで、後ろで構えすぎると枠の利が打ち消され、インで捌ききれなかったり物理的に届かなかったりというリスクも。この舞台では絶対安全と言い切ることは出来ない。
▲ソダシ
昨年の勝ち馬。牝馬限定のマイルGⅠ・3勝で芝マイル成績が【4-0-1-0】。マイルのスペシャリストであるため、軽視は出来ない。一方で、勝ったGⅠは全て内枠からの先行抜け出しであり、大外枠はマイナス。成長につれ適性距離が短距離にシフトしているため、ギリギリのスタミナ量で大外枠から先行すると最後伸び負けする可能性も考えられる。道中は内で何とか距離ロスを抑える競馬をしたい。
△ララクリスティーヌ
東京マイルでキャピタルSを勝つなど左回りが得意。実績面で見劣るが、内で溜める競馬が出来れば上位候補。
×ナミュール
東京新聞杯は高速馬場に対応するも、逃げ切りを許してしまう2着。マイルGⅠでは実績がなく見劣りする。
馬券はソングラインの単勝と、印5頭の三連複ボックス10点で勝負する。(文:福山)
ヴィクトリアマイル 予想印
◎ソングライン
◯スターズオンアース
▲ソダシ
△ララクリスティーヌ
×ナミュール
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。
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