【ヴィクトリアマイル】ナミュールとナムラクレアは消し! ハイブリッド式消去法で浮上した特注穴馬は

八木遊

過去10年のヴィクトリアマイル『栗東所属騎手』かつ『非社台系生産』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『NHKマイルC』は、最終的に消去を免れたオールパルフェ、カルロヴェローチェ、ミシシッピテソーロ、ユリーシャの三連複ボックスで勝負したが、ものの見事に4頭そろって馬券圏外に敗れた。

気持ちを入れ替えて今週は『ヴィクトリアマイル』を予想する。いつも通り、過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を順番に消去していく。骨折で回避が決まったアートハウスを除く18頭を対象に進めていきたい。


『キャリア18戦以上』×『母父ノーザンダンサー系』★0.0%★

まずはキャリアと血統の組み合わせから複勝率0.0%のデータを発見した。それがキャリア18戦以上の馬の母父がノーザンダンサー系という条件。過去10年で16頭が該当したが、そろって4着以下に沈んでいた。

対象18頭のうちこの条件に当てはまったのは、6歳馬のクリノプレミアムとロータスランド。どちらも東京のマイルコースはベスト舞台とは言い難くばっさり消去する。

【今年の該当馬】
・クリノプレミアム
・ロータスランド


『栗東所属騎手』×『非社台系生産』★4.3%★

続いては騎手の東西別成績に注目。本レースは他のGⅠに比べて美浦所属騎手の活躍が目立つ。実際に関東ジョッキーの過去10年の成績は【5-4-6-54】(複勝率21.7%)で、関西ジョッキー【4-6-4-87】(同13.9%)の複勝率を大きく上回っている。ここで取り上げるのはもちろん後者。栗東所属騎手が非社台系生産馬に騎乗したときは【0-1-1-45】(同4.3%)と好走例が2頭しかいなかった。

もちろん鞍上は変更になる可能性もあるが、現段階でこの条件に当てはまるのは以下の4頭。上位人気が予想されるナムラクレアや急きょ美浦の横山和生騎手から栗東の川田将雅騎手に変更になったルージュスティリアも消しとなった。

【今年の該当馬】
・イズジョーノキセキ
・サウンドビバーチェ
・ナムラクレア
・ルージュスティリア


『非サンデーサイレンス系』×『前走時馬体重460kg未満』★4.5%★

3つ目のデータは、再び血統を取り上げたい。ここでは父が非サンデーサイレンス(SS)系の馬。過去10年の成績は【3-3-2-49】(複勝率14.0%)と、【7-7-8-98】(同18.3%)のSS系の馬に成績でやや劣る。特に苦戦が目立つのは馬体が小さい馬。具体的には前走時の馬体重が460kg未満の非SS系の馬は【0-1-0-21】(同4.5%)と、3着以内は1頭しかいなかった。

今年この条件に当てはまったのは4頭。上位人気が見込まれるナミュールなどがここで消去対象となった。

【今年の該当馬】
・アンドヴァラナウト
・アヴェラーレ
・ディヴィーナ
・ナミュール


『前走ローカル』×『前走上がり5位以内』★4.8%★

4つ目は前走でローカル(中山、東京、阪神、京都を除く競馬場)を走っていた馬を取り上げたい。過去10年の成績は【1-1-5-40】(複勝率14.9%)とやや低調。これと掛け合わせるのは前走時の上がり3ハロン順位だ。通常とは違い、今回は同順位が1~5位だった馬で、この組み合わせは【0-0-1-20】(同4.8%)という成績が残っている。意外だが鋭い末脚を繰り出した馬はヴィクトリアマイルでは買いづらいということがわかる。逆に前走ローカルで上がり6位以下の馬は【1-1-4-20】(同23.1%)と本番で好成績を収めていた。

今年この条件に当てはまったのは以下の3頭。うち2頭はすでに消去されているため、前走の福島牝馬Sで休み明けを勝利したステラリアを新たに消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・(アヴェラーレ)
・ステラリア
・(ナムラクレア)


『4歳馬』×『今回8番人気以下』★2.8%★

4つの条件を終え、18頭のうち11頭が消えた。最後は年齢と今回の人気順を掛け合わせて絞り込みを図りたい。ピックアップしたのは、過去10年で【0-1-0-35】(複勝率2.8%)となっている8番人気以下の4歳馬。同じ8番人気以下なら5歳以上の馬から伏兵を探した方がベターだ。

残っていた7頭のうち4歳馬は以下の3頭。おそらくスターズオンアースとスタニングローズの2頭は8番人気以下になることはないはず。残りのサブライムアンセムが消去対象となるだろう。

【今年の該当候補】
・サブライムアンセム
・スターズオンアース
・スタニングローズ

全ての条件を終えて、確実に残るのはソダシ、ソングライン、メイケイエール、ララクリスティーヌの4頭。これに5つ目の条件で消去を免れた馬が加わる。

人気順次第だが、今週は6頭の三連複ボックスで勝負することになりそう。6頭の中では、ララクリスティーヌが馬券に絡んでくれれば高配当に期待できる。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は31.1%(5月7日現在)。

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