【京王杯SC】高松宮記念組が過去3年で2回ワンツー 2年前の再現でトゥラヴェスーラが激走だ

門田光生

京王杯SCの前走レース別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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前走2、3着馬が狙い目

2023年5月13日に東京競馬場で行われる第68回京王杯スプリングカップ(京王杯SC)。1着馬には安田記念の優先出走権が与えられる、いわゆるトライアルレースである。

ここ10年で京王杯SCから安田記念を制したのは、2017年サトノアラジンしかいないとはいえ、出走頭数はマイラーズCに次いで2番目に多く、春のマイル王決定戦に向けて重要な一戦であるのは間違いないところ。

そんな京王杯SCにはどんな傾向があるのか。今回も過去10年の成績を基に検証していきたい。

京王杯SC出走馬の所属,ⒸSPAIA
京王杯SC出走馬の性別,ⒸSPAIA
京王杯SC出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆所属、性別、年齢
美浦、栗東とも勝ち馬を5頭ずつ出して互角の様相。2着馬は栗東所属馬が7頭と多く、連対率では栗東所属がややリードしている。

性別は、牡馬・セン馬が17連対(9勝)。同週にヴィクトリアマイルが行われるので、牝馬の有力どころの参戦がないのも納得のいくところ。牝馬でここへ出走してくる馬は、賞金が足りないか、もしくは距離が1400mまでの馬と推測される。牝馬で連対した3頭は、いずれも前走で1400m以下を走っていた。

世代別では、最も勝ち馬が出ているのが4歳馬の4頭。連対馬だと5歳馬の7連対。ただ、勝ち馬は4歳から8歳までまんべんなく出ており、勝率や連対率で抜けた世代はない。

さらに細かく見ていくと、栗東所属馬で勝ち馬が出ているのは4歳と5歳だけで、6歳以上から勝ち馬が出ていない。牝馬も、連対した3頭はいずれも5歳以下となっている。

京王杯SC出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
京王杯SC出走馬の前走,ⒸSPAIA


☆前走クラスと前走
勝ち馬の半分以上にあたる6頭が前走GⅠ組で、いずれも高松宮記念を走っていた。勝率、連対率ともに優秀で、ベストローテーションといっていいだろう。GⅢ組は3勝でGⅠ組には少し劣るものの、2着が7回もあり、連対率だけで見れば悪くない。

特に東京新聞杯組は【1-3-1-1】で、該当する6頭中、5頭が馬券に絡んでいる。これに該当する馬がいれば要注目だったが、残念ながら今年はいなかった。また、サンプル数は少ないものの、今年の登録馬でいえば谷川岳S、春雷S、オーシャンS、京都金杯組、そして海外組から連対馬が出ていない。

京王杯SC出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走着順
高松宮記念から好走馬が多く出ているのは上記で書いた通りだが、その多くは着外からの巻き返しだった。それも影響しているのであろう、ほかの重賞と違って、前走1着馬は連対率4.5%と好走率が極端に低い。

一方、前走2、3着馬はともに連対率35%を超えており、逆に狙いごろとなる。前走5着馬も最多の3頭の勝ち馬を出しており、悪くない数字といえるだろう。

京王杯SCにおけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
その他で気になったデータを挙げてみる。まず相性のいい種牡馬だが、ロードカナロア産駒が【1-1-3-4】と結果を出している。それに対し、父キングカメハメハ、そして同産駒のルーラーシップはどちらも連対馬を出していない。

前走で京王杯SCと同じ1400mを走っていた馬の成績は【0-2-1-25】。これが牡馬・セン馬に限ると【0-0-1-20】となり、連対馬がいなくなる。最後に、ローテーションでは、中4週以内で挑んだ45頭から勝ち馬は出ておらず、2着馬が1頭いるだけだ。


軸は高松宮記念組から

京王杯SCのデータを整理してみよう。まず好走率が高くなるのはA「前走が高松宮記念」B「前走2、3、5着馬」C「ロードカナロア産駒」。

勝ち馬が出ていないのはD「6歳以上の栗東所属馬」E「前走1着馬」F「中4週以内」。連対馬がいないデータはG「6歳以上の牝馬」H「前走で1400mを走った牡馬・セン馬」。

今回のプラスデータの中で最も重視したいのは、ここ10年で6頭の勝ち馬を出しているA「前走が高松宮記念」。今回の登録馬では4頭が該当しているが、この中で勝率20%弱、連対率35%超えのB「前走3着馬」も併せ持つトゥラヴェスーラに注目。

高松宮記念組は大敗後からの巻き返しが目立っているが、2017年の勝ち馬レッドファルクスは、トゥラヴェスーラと同じ高松宮記念3着からの勝利だった。トゥラヴェスーラ自身も2021年にこのレースで2着となっているが、その時も高松宮記念4着からの参戦だった。勝ち馬が出ていないD「6歳以上の栗東所属馬」に該当するものの、このデータ自体は2着馬が5頭出ていて、連対率で見ると悪くない。というわけで、連の軸として推したい。

近3年で高松宮記念組が2回ワンツーを決めていることからも、前走高松宮記念のウインマーベル、ダディーズビビッド、そしてピクシーナイトの3頭は無視できない。3頭とも目立ったマイナスデータを持っていないのも強調材料になる。

あと、好走データのC「ロードカナロア産駒」に該当する3頭のうち、タイムトゥヘヴンとレッドモンレーヴは、ともに2頭の勝ち馬を出しているダービー卿CT組。今回の登録馬だと、高松宮記念とダービー卿CTだけが勝ち馬を出している前哨戦なので、この2頭も押さえておいていいだろう。

◎トゥラヴェスーラ
◯ウインマーベル
▲ダディーズビビッド
△ピクシーナイト
×タイムトゥヘヴン
×レッドモンレーヴ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
先日、家族でスーパーマリオの映画を見に行きました。これが予想以上に面白く、大人から子供まで楽しめる作品。吹き替え版の声優も全く違和感がなかったし、最近見た中では1、2を争う出来だったかも。いい意味で期待を裏切られましたね。

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