【香港チャンピオンズデー】地元香港勢に日本馬完敗 プログノーシスのクイーンエリザベス2世C2着が最高

三木俊幸

2023年クイーンエリザベスⅡ世カップで2着入線したプログノーシス,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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香港チャンピオンズデーに日本馬4頭が参戦

4月30日(日)、香港・シャティン競馬場は「チャンピオンズデー」としてGⅠ・3レースが行われた。日本からは昨年のエリザベス女王杯の優勝馬ジェラルディーナをはじめ4頭が参戦、それぞれレース結果を振り返る。


香港スピードシリーズ三冠達成

2023年チェアマンズスプリントプライズに出走したアグリ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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現地時間の14時50分にスタートしたのは、芝1200mで争われたチェアマンズスプリントプライズ。日本からは阪急杯を制した実績を持つアグリがC.デムーロ騎手とのコンビで参戦した。

8頭立てとなったレースはマスターエイトが逃げ、前半400mの入りは23.72とスローペースで流れた。日本で馬券発売されたオッズでは単勝1.2倍と断然の支持を集めていたラッキースワイネスは2番手、アグリは5番手の外からレースを進める形となる。

直線に向いて手応え良く先頭に立ったラッキースワイネスにこのレース3連覇を狙ったウェリントンが迫るも、楽々と突き放して後方から伸びてきたクーリエワンダーに3.1/4馬身差をつける完勝。圧倒的な力の差を見せつけるとともに、2004/05シーズンのサイレントウィットネス以来、香港競馬史上4頭目の香港スピードシリーズ三冠を達成した。

K.マン調教師は「まずはオーナーと相談する必要がある」と語ったが、安田記念にも予備登録を済ませており、参戦は実現するのか注目が集まる。

チェアマンズスプリントプライズ1着のラッキースワイネス,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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チェアマンズスプリントプライズ優勝馬ラッキースワイネス,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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チェアマンズスプリントプライズ表彰,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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アグリは、前との差を詰めることはできず5着に終わった。C.デムーロ騎手は「香港で走るならもう少し距離があった方がいいかもしれません」とのコメントを残している。


チャンピオンズマイル3連覇

2023年チャンピオンズマイルで誘導を受けるゴールデンシックスティ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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日本馬の参戦がなく、馬券発売されなかったものの、香港のトップホース・ゴールデンシックスティが出走した芝1600mのチャンピオンズマイル。地元香港の馬券発売では3.2倍と2番人気で、昨年末の香港マイルを制したカリフォルニアスパングルが逃げるも、向正面ではヘルシーハッピーにピッタリとマークされる形で、800m通過は46.99。3角に差しかかるとヴォイッジバブルが先頭に並びかける展開となる。

ゴールデンシックスティはヴォイッジバブルに続いて3番手を追走、直線はしぶとく粘るカリフォルニアスパングルの外から残り300mで先頭に立つと後続を寄せつけず1馬身半差の勝利。2着にはビューティージョイ、3着はカリフォルニアスパングルという結果に終わった。

これでゴールデンシックスティはチャンピオンズマイル3連覇達成。7歳のシーズン後半を迎えたが、その走りに衰えは全く見られず香港トップホースとしての力を示した。今後の最大目標について管理するK.ルイ調教師は、12月の香港マイルで3度目の勝利を狙いたいと語っている。

チャンピオンズマイル優勝馬ゴールデンシックスティ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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2馬身差の2着と健闘

クイーンエリザベス2世Cに出走するプログノーシス,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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芝2000mで争われたクイーンエリザベス2世Cには、日本からジェラルディーナ、プログノーシス、ダノンザキッドの3頭が出走した。7頭立てのレースはマネーキャッチャーが逃げて200mごとのラップを見ると、27.45-25.10とかなりのスローペースで流れる。

日本勢はダノンザキッドが4番手、後方にジェラルディーナとプログノーシスが並ぶ形。日本発売分では単勝1.4倍の人気を集めたロマンチックウォリアーは3番手でじっくりと構える。抜群の手応えで最後の直線に向くと、あとは香港Cの再現を見ているかのようだった。鞍上のJ.マクドナルド騎手は残り50mで後続の追い上げを確認する余裕もあり、ゴールでは大きなガッツポーズを見せた。

クイーンエリザベス2世C優勝馬ロマンチックウォリアー,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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スチュワーズC、香港ゴールドCと近2戦はゴールデンシックスティの前に2着と敗れていたが今回は全く危なげなく、昨年に続いてクイーンエリザベス2世C連覇達成。C.シャム調教師は、次走は5月28日のチャンピオンズ&チャターCに出走する意向を示すが、「秋には天皇賞(秋)に向かいたい」とも語った。これまで香港では日本馬の前に壁として立ちはだかるロマンチックウォリアーが秋の府中でどのような走りを見せるのか、実現することを楽しみに待ちたい。

敗れはしたもののGⅠ初挑戦ながら、2馬身差の2着と健闘したのはプログノーシス。直線に向いた時点では最後方、外に持ち出そうとするも進路がなく、内へと進路を切り替えてからの伸びは素晴らしく、上がり22.40(11.14-11.26)は最も速かった。

騎乗したZ.パートン騎手は「素晴らしい走りでした。ペースがとても遅かったので、直線でギアが入るのに若干モタモタしてしまいましたが、最後は素晴らしい脚を見せてくれました。もし12月の香港ヴァーズに出走する機会があれば、今回以上に適応できると思います」とコメントした。

その他、香港C2着となるなど香港での実績はあったダノンザキッドは5着。安田隆行調教師、C.ホー騎手ともにペースが遅すぎたことを敗因としてあげた。

クイーンエリザベス2世Cに出走したダノンザキッド,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ジェラルディーナは6着。C.デムーロ騎手は「レース前、とても入れ込んでいて、以前、自分が乗ったときの状態とは違いました。反応も良くなかったです」とレースを振り返った。

クイーンエリザベス2世Cに出走したジェラルディーナ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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