【新潟大賞典】キラーアビリティに不安なデータあり? 今年こそアイコンテーラーの出番だ
勝木淳
ⒸSPAIA
1、2番人気勝ち星なし
2001年、日本初の直線競馬を新設して生まれ変わった新潟競馬場、そのもう一つの特徴である外回りコースは最後の直線が658.7m。国内唯一の上がり3ハロンがすべて直線というコースは、坂がない平坦コースであることも手伝い、速い上がりに対応できないとどうにもならない。
新潟大賞典は02年以降の21回で上がり最速馬は【8-5-5-7】勝率32.0%、複勝率72.0%。瞬発力は最大の武器になる。高速上がりに強い馬を探せ。これは新潟外回り攻略のキーワードだ。データは過去10年分を使用する。
1番人気は【0-2-3-5】複勝率50.0%と勝利こそないが、馬券圏内には半数くる。もっと悲惨なのは2番人気の【0-1-0-9】複勝率10.0%。馬券になったのは14年マジェスティハーツ2着しかない。1、2番人気の勝利はゼロで、難易度は相当高い。
3番人気が【3-3-0-4】勝率30.0%、複勝率60.0%と気を吐くものの、5~7番人気5勝で10番人気以下が【2-2-2-61】勝率3.0%、複勝率9.0%と大穴炸裂レースでもある。
年齢別では主力世代の4歳【2-4-3-18】勝率7.4%、複勝率33.3%、5歳【3-1-2-25】勝率9.7%、複勝率19.4%が中心でいいが、7歳以上【4-2-0-51】勝率7.0%、複勝率10.5%と高齢馬もしっかりケアしよう。6歳も【1-3-5-33】勝率2.4%、複勝率21.4%と馬券に絡む確率が高く、年齢で見切りたくない。
昨年より筋がいいアイコンテーラー
波乱上等のローカルハンデ戦は年齢不問で幅広い検討を求められるので、GⅠの裏開催であってもしっかり時間をかけたいのが本音だ。
前走クラス別傾向は正直どれも横一線で、難易度の高さが知れる。まず、人気のキラーアビリティらが当てはまる前走GⅠは【1-1-0-3】勝率20.0%、複勝率40.0%。ただし好走はフェブラリーSと有馬記念で、大阪杯は【0-0-0-2】。
たった2頭だが18年トリオンフは1番人気4着、22年ステラリアは2番人気5着で、人気別データをなぞるかのよう。全力投球のGⅠ後で思わぬ凡走は想定できる。なお、カラテのジャパンCは出走例がない。
次に前走GⅡ【1-4-3-31】勝率2.6%、複勝率20.5%について。ハヤヤッコなどの前走金鯱賞【1-1-0-8】勝率10.0%、複勝率20.0%の着順内訳は3着【0-1-0-1】、6~9着【1-0-0-2】なので、4着ハヤヤッコ、7着ヤマニンサルバムあたりにチャンスがある。
ショウナンマグマが該当する中山記念【0-2-0-2】複勝率50.0%は4着【0-1-0-0】、6~9着【0-1-0-1】。こちらも7着だったショウナンマグマはクリアする。
前走GⅢ【3-2-2-44】勝率5.9%、複勝率13.7%は距離に注目する。同じ2000mが【2-2-0-19】勝率8.7%、複勝率17.4%に対し、延長組【1-0-2-23】勝率3.8%、複勝率11.5%、短縮組【0-0-0-2】。小倉大賞典や東京新聞杯より愛知杯2着アイコンテーラーを評価したい。全4勝すべてが新潟のコース巧者。うち外回りは3勝だ。
昨年1番人気9着と人気を裏切ったが、近2走は芝2000mの重賞3、2着。大阪城S3着から距離延長で挑んだ昨年より筋はいい。前走GⅢ・芝2000mでかつ4着以内は【2-1-0-3】で、さらに好走確率はあがる。
続いて注目するのは前開催福島の福島民報杯【2-0-3-22】勝率7.4%、複勝率18.5%。勝ったカレンルシェルブル以下複数が出走予定だ。こちらの着順内訳は3着以内【2-0-2-5】、4着以下【0-0-1-17】なので、コース替わりの巻き返しを狙うより、素直に好走してきた馬がいい。今年買うべきはカレンルシェルブルだ。
最後に前走3勝クラス【2-2-2-9】勝率13.3%、複勝率40.0%について。前走2000mだと【0-2-2-8】、かつ東京【0-1-2-2】、阪神【0-1-0-2】。該当するスパイダーゴールド、セイウンハーデスも馬券に組み込もう。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。
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