【福島牝馬S】久々の実戦、良化途上でもステラリア快勝 ハッキリした適性と今後の狙い時
SPAIA編集部
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また社台レースホース
皐月賞のソールオリエンスに続き、黄色と黒のタテジマ、おなじみの勝負服がまた重賞を制した。2023年福島牝馬ステークスを勝ったのはステラリア。社台レースホースはこれで2週連続の重賞制覇、今年早くもJRA重賞6勝目となった。来週末は香港のクイーンエリザベス2世Cにプログノーシス、天皇賞(春)にボルドグフーシュとそれぞれ有力馬を送り込む。快進撃はまだまだ続きそうだ。
レースに話を戻す。ストゥーティが好発からハナに立つと、逃げを予想されたウインピクシスは無理せず2番手で隊列はすんなり決まる。このあたりは松岡正海騎手に、強攻策で垂れた前走の反省があったかもしれない。
800m通過49.2秒のゆったりとした流れを見て、1番人気ストーリア横山武史騎手は向正面でポジションを上げる選択をとる。ただ後半は12.1-11.6-11.6-11.6-11.8のレースラップで、ストーリア自身は5F連続で11秒台中盤を刻む必要がある展開になってしまった。序盤が緩くとも、ロングスパート合戦で意外とタフな競馬になる。これは福島芝中距離戦の特徴でもある。結果5着のストーリア、そして抜群の手応えで直線早め先頭だった3着クリノプレミアムが苦しくなり、待機勢にチャンスが巡ってきた。
内枠から中団待機、馬群の中で脚を溜め、勝負所でクリノプレミアムの真後ろに位置をとったステラリアは、コーナーではエネルギーを使わず、前が抜け出したスペースを利して極めて効率的に追い上げた。2着ビッグリボンとのハナ差は1頭分の3~4角進路の差でもあり、枠順の差でもある。それでも、団野大成騎手の好騎乗であることには違いないだろう。
改めて高いポテンシャルを証明
ステラリアはこれが繋靭帯炎明け、昨年新潟大賞典以来11カ月ぶりの実戦だった。追い切りは本数、時計ともに良化途上といった印象で、決して完調ではなかったように思われるが、それでも重賞を勝ったのはポテンシャルの高さの証明に他ならない。さすがはエリザベス女王杯2着馬、ローカルの牝馬限定GⅢでは地力が一枚違った。
これで自身の戦績は左回り【0-1-0-4】、右回り【3-1-2-2】。エリザベス女王杯含め、右回りでの連対4回はいずれもレース上がり34.9秒以上を要する競馬だった。父キズナに、母父はモンジュー直仔Motivatorという血統。タフな展開が合う。次走は分からないが、ヴィクトリアマイル向きではないだろう。相手が強いのは承知の上で、宝塚記念や札幌記念など内回り系のコースに出てきたときに狙ってみたい。
2着ビッグリボンはいい脚で追い込んできたがわずかに及ばず。ラスト200mで鈍った前走との比較でみても現状の適距離は1800mの様子。5歳だがまだ9戦と使い込まれておらず、伸びしろは大いに残されている。ただこの馬に限らず、「マイルだと短く、2200mだと長い」という牝馬は番組選択が難しい。
それは3着クリノプレミアムにも同様のこと。4角までは唸るような手応えで外を進出してきたが、最後は力尽きた。強い内容で走ってはいるが、こちらも小回りの1800mがベストで、この後は使うところがあまりない。夏の札幌、クイーンSが適鞍だろうか。
4着ジネストラは距離延長、差す形でも一定の結果を出し、収穫のある一戦だった。賞金的に出られるか不明だが、適性的にはヴィクトリアマイルの方がよく、スピードを生かした先行策なら一発あっていい。
5着ストーリアは仕掛けが早かった形で、次走以降で見直し可能。11着ミスニューヨークは出負け気味のスタートから挟まれて最後方、大外ぶん回しで上がり最速の脚を使うも勝負に加われず。あまり褒められた騎乗ではなかった。やはり主戦のM.デムーロ騎手でこその馬だ。
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