【フローラS】Cアナライズからの推奨はキミノナハマリア 好走データ、前走不利データ、東京向き血統の三拍子揃う

貴シンジ

2023年フローラステークスの前走着順別成績,ⒸSPAIA

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

先週行われた皐月賞はソールオリエンスが鋭い末脚を見せて完勝。ダービーも楽しみになる勝ち方だった。

さて、今回は4月23日(日)に東京競馬場で行われるフローラSについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走不利データ」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった15頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。


重要データ:勝ち馬は前走1着から、相手は2着以下から

前走着順別成績,ⒸSPAIA


重要データで取り上げるのは前走の着順別成績。まずは勝ち馬を見極めることが重要という観点から、「前走1着馬」を好走データとして取り上げる。勝ち馬10頭のうち7頭が前走1着であり、特に1勝クラス以上を勝って臨戦した馬は勝率23.1%、単勝回収率268%と圧倒的な成績だ。

一方で、2、3着馬は20頭のうち15頭が前走2着以下だった。相手はここから選びたい。

【前走1勝クラス以上で1着の出走予定馬】
・キミノナハマリア


前走不利データ:君子蘭賞のキミノナハマリア

キミノナハマリアの前走は君子蘭賞1着。君子蘭賞は阪神芝1800mで実施されるが、阪神芝1800mでのハービンジャー産駒の成績は良くない。18年~22年の5年間で【7-6-14-101】となっていて、勝率5.5%、単勝回収率38%、複勝回収率47%と低調な成績だ。

そんな阪神芝1800mの君子蘭賞を先行して上がり最速で快勝したキミノナハマリアの実力は素直に評価したい。


血統解説:イングランドアイズ、キミノナハマリア、ソーダズリング

・イングランドアイズ
日本での牝祖は3代母ファーガーズプロスペクト。このファミリーからは21年JBCクラシック勝ちのミューチャリー、本馬の母で14年オークス馬のヌーヴォレコルトが出ている。クイーンCは今年の桜花賞前哨戦の中ではハイレベルな部類。そこで4着だから実力は確かだ。

Kingman×ハーツクライの組み合わせで成長力があるタイプ。馬体を見ても本格化はまだ先だろう。とはいえ緩さが残る現時点では東京コースがベストなのは間違いない。

イングランドアイズの血統表,ⒸSPAIA


・キミノナハマリア
日本での牝祖は3代母ピュアティー。ファミリーから重賞級の活躍馬は出ていないが、本馬の叔父サトノシリウス(父ディープインパクト)や母シャドウマリアなど勝ち上がり馬は堅実に出している。

シャドウマリアはヴィクトワールピサ×クロフネという組み合わせで持続性能の高いタイプだった。本馬は父ハービンジャーだから芝特化で持続性能の高さは折り紙付き。東京コースは初めてだが、むしろぴったりだろう。先行力があるのがこの馬の強さで、大崩れは考えづらく軸としては最適な一頭だ。

キミノナハマリアの血統表,ⒸSPAIA


・ソーダズリング
日本での牝祖は祖母スーア。スーアは伊1000ギニー(GⅡ・芝8F)勝ち馬。活力は抜群で本馬の母ソーマジックは08年桜花賞3着の実績馬。繁殖としても優秀で、愛知杯勝ちのマジックキャッスル(父ディープインパクト)、チャレンジC2連覇のソーヴァリアント(父オルフェーヴル)などを輩出している。

本馬はマジックキャッスルと3/4同血の間柄。ディープインパクトからハーツクライに変わったことを考えれば完成度の高い身体つきだが、元々仕上がりが早いタイプのファミリーではなく、出世が遅れた印象だ。

現時点では東京コースが合いそうだが、前走のパフォーマンスではここで通用するだけのものはまだ示せていない。血統と前走の勝ち方で人気するなら軽視してもいいか。

ソーダズリングの血統表,ⒸSPAIA


Cアナライズではキミノナハマリアを推奨

今回のCアナライズではキミノナハマリアを推奨する。

キミノナハマリアはここまで世代トップクラスではないものの、高いパフォーマンスを発揮し続けており、安定感がある。好走データや前走不利データも持ち合わせていて、血統的にも東京コースに不安はなく推し要素は多い。

相手としてはレベルの高いクイーンCで、スタート後手を踏みながら差のない4着に入ったイングランドアイズを推奨する。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほかPOG本での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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