【アーリントンC】名手に導かれオオバンブルマイが重賞2勝目 距離もクリアしていざ本番へ
SPAIA編集部
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ラスト1F12.8秒の消耗戦
朝日杯FSの勝ち馬ドルチェモアがニュージーランドTで初黒星、それもまさかの7着敗退を喫し、NHKマイルC戦線は突如混沌としてきた。今年は桜花賞の上位馬もこぞってオークスへ駒を進めるようで、一線級のマイル転戦はおそらくなし。どの馬が人気を集めるのかさえ読みにくく、言いかえればどの馬にもチャンスがあるということだ。
そんな状況で行われた最重要ステップのアーリントンカップは、武豊騎手騎乗のオオバンブルマイが制した。京王杯2歳Sに次いで、これで重賞2勝目となった。
序盤は促して好位を取りに行った武豊騎手だが、ユリーシャが大逃げを打つ展開を深追いはせず、道中は内目の7番手で少し手が動きながらの追走。直線に出たところで左前方にいたヤクシマにフタをされそうになったが、右ムチ一発で切り返して外に持ち出すと、そこから徐々に脚を伸ばして測ったようにゴール前で差し切った。
雨の影響を多分に受けた重馬場、ユリーシャがテンに飛ばして600m34.1秒というハイペースになったことが複合して、ラストは11.8-11.6-12.8のレースラップ。スタミナが問われる競馬になった。オオバンブルマイはここまで1400mで2戦2勝、朝日杯FSでは後方から行って7着までという戦績だったが、この消耗戦で勝てるのであればマイルという距離は全く問題なさそうだ。むしろ、秋以降は1800m以上でも見てみたい。
今週をもっておよそ2カ月強に渡った阪神競馬場でのロングラン開催は終了。武豊騎手は開幕週の京都記念をドウデュースで制したほか、チューリップ賞、大阪杯、そして最終週のアーリントンCと重賞4勝を加算した。来週から再開される京都開催でも、その手綱捌きから目が離せない。
次走注目セッション
さて、重馬場の消耗戦になったがゆえに、NHKマイルCを占う意味では今回の着順をそのまま評価に直結させるわけにもいかないだろう。敗れた馬についても見ていこう。
2着セッションは距離短縮が奏功。スタートはショーモンやユリーシャと並ぶほど速く、抑えながらで好位を追走できた。直線もステッキに対する反応が素晴らしく、残り200mまでは突き抜けそうな気配すらあったが、そこで止まってしまった。馬場とペースを考えれば仕方ないことで、本番が良馬場なら頂点に立ってもおかしくない。ゆくゆくは1400mでもいいかもしれない。
3着ショーモンは大逃げを2番手から見る形。ダート指向のマインドユアビスケッツ産駒でもあり、パワフルな走りで重馬場もそこまで苦にしなかったように映る。今回のところは力負けか。ここまで5戦で自身の上がり3Fベストはデイリー杯2歳Sで記録した34.4秒。東京で瞬発力勝負になると少し分が悪いだろう。
7着ナヴォーナは新馬戦が上がり33.2秒での差し切り。キレ自慢のタイプで、さすがに今回は経験値の浅さと求められる適性の違いに泣いた。ただ、そもそも新馬戦は同日メイン・東京新聞杯が1.31.8で決着した速い馬場での勝ち時計1.36.3。時計の裏付けがないのも事実であり、即巻き返しが効くかは半信半疑だ。
11着ユリーシャは、松山騎手がエルフィンSのようなセーフティリードを取りたかったようだが、前走時は良馬場の前半3F35.6秒、今回は重馬場で同34.1秒。ただただオーバーペースだった。12着ヤクシマは距離が長かった。1400m以下で見直したい。
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