【皐月賞】好走条件は「前走初角2~4番手」 穴馬は馬場次第で狙いを変えたい2頭

佐藤永記

過去10年の皐月賞、前走初角位置別成績,ⒸSPAIA

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ここ数年は2分前後の決着

桜花賞はリバティアイランドが異次元の豪脚で快勝し、牝馬クラシックは一強ムードが漂い始めた。一方、現状の牡馬クラシックは圧倒的評価となる馬はおらず「戦国・皐月賞」の情勢だ。さらに皐月賞の舞台、中山の馬場は4月に入って雨の影響でどんどんダメージを受けており、ただでさえ急坂でタフなコースなのに、馬場状態にも神経を尖らせねばならない。

ここ5年は雨が降れば2分、降らなければ1分58~59秒台と、大体2分前後での決着となっている。かつては2016、17年で1分57秒台が出たこともあったが、ここ数年はずっとこんな感じで、今年も2分前後の決着になりそうな状況だ。

そうなるとキレよりタフな2000mを走り切る能力が大事になってくる。


前走初角2~4番手の経験がほぼ必須

皐月賞 前走初角位置別成績,ⒸSPAIA


今回、重要になるのが先行実績である。前走のレースで初角の位置取りが前だった馬の成績が圧倒的にいい。前走で初角2~4番手だった馬の皐月賞成績は直近10年で【9-3-5-48】と、ほとんどの勝ち馬はこの条件を満たしている。基本的に最初から前々で競馬できる能力が中山芝2000mでは大切だということだ。

唯一皐月賞馬で例外だったのは、2016年に差し切り勝ちしたディーマジェスティ。同馬は前走の共同通信杯で10頭立ての7番手からレースを進めて勝利していた。ただ、この年は先にも紹介したとおり中山芝の状態がよく、1:57.9と速い時計が出せる馬場だった。近年の傾向からはむしろ外れた年で、例外だったと考えていい。

「前走初角2~4番手」というたったひとつの条件だけで、今年の皐月賞の優勝馬候補は6頭まで絞られる。

ショウナンバシット
タスティエーラ
トップナイフ
ファントムシーフ
フリームファクシ
ホウオウビスケッツ

上位人気に含まれない可能性もある、結構面白い馬たちもちらほら残った。このうち穴候補になりそうなのが、ショウナンバシットとホウオウビスケッツの2頭だ。


土曜の雨次第で狙いを変えたい

ショウナンバシットは良馬場だったすみれSでシャザーンに差し切られてしまったが、稍重の若葉Sでは先行力を活かして勝利している。記事執筆時点では土曜日に雨予報も出ており、日曜に雨の影響が残って馬場が悪化する可能性はある。そうなれば、1勝クラスも重馬場で勝利した実績があるこの馬は、馬場が悪くなればなるほど一発の期待度が上がる。

ホウオウビスケッツはスプリングSで先行し、荒れた馬場の内をずっと走り続け、最後はベラジオオペラに差し切られての2着だった。しかし、そのレースラップは残り5Fからずっと12秒台だった。こちらはショウナンバシットとは逆に、もう少し馬場が良いほうが粘れそうだ。1週前調教でも破格の時計を出して話題になっており、本番で押し切るシーンがあってもおかしくない。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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