【皐月賞】ファントムシーフとトップナイフは枠順次第で消し! ハイブリッド式消去法で浮上した高配当の使者は?

八木遊

過去10年の皐月賞『前走関西圏』かつ『前走2着以下』の成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週の『桜花賞』は、リバティアイランド、コナコースト、ハーパー、ライトクオンタムが消去を免れた。いつも通り、4頭の三連複ボックスで勝負したが、1、2、4、8着で的中とはならず。これで春のGⅠシリーズは3連敗となった。

今週予想するのは、4月16日に中山競馬場で開催される『皐月賞』。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を順番に消去していく。今回は登録がある全20頭を対象に進めていきたい。


『キャリア6戦以上』×『前走2番人気以下』★0.0%★

まずは出走馬のキャリアに注目。ここでは皐月賞までに6戦以上を消化していた馬を取り上げる。キャリア6戦以上の馬は過去10年の皐月賞で【1-0-1-49】(複勝率3.9%)。このデータだけで消去条件の複勝率10%未満となるが、ハイブリッド式ではこれにもう一つの条件を掛け合わせる。今回は前走時の人気順をピックアップ。前走1番人気の馬が【1-0-1-5】(同28.6%)だったのに対し、同2番人気以下は【0-0-0-44】(同0.0%)と壊滅状態だった。

登録馬20頭のうち、この条件に当てはまったのは除外対象(*)のメイテソーロを含めた3頭。いずれもGⅠでは力不足とみて、迷いなく消去する。

【今年の該当馬】
・グラニット
・メイテソーロ*
・メタルスピード


『前走関西圏』×『前走2着以下』★3.2%★

続いては前走開催場所に注目。ここでは中京から西の競馬場で走っていた馬を取り上げたい。主要トライアルのほとんどが関東圏で開催されるとあって、過去10年で前走西開催の馬は【1-3-2-54】(複勝率10.0%)と苦戦している。ただし勝ち切った馬は【1-3-1-24】(同17.2%)とまずまずの成績。一方で、2着以下の馬は【0-0-1-30】(同3.2%)だった。

今年はダノンタッチダウンとラスハンメルの2頭がこのデータに当てはまった。前者は朝日杯FS2着の実績があるが、初距離と初輸送がネックとなりそう。鞍上・川田将雅騎手も魅力ではあるが、今回は消しという判断を下したい。

【今年の該当馬】
・ダノンタッチダウン
・ラスハンメル


『前走初角4番手以下』×『前走上がり3位以下』★4.3%★

続いては前走時の脚質にスポットを当てたい。前走時に初角の通過順が3番手以内の逃げ・先行馬は、皐月賞で【7-5-5-46】(複勝率27.0%)と好成績だった。一方で、初角4番手以下の馬は【3-5-5-97】(同11.8%)と複勝率は半分以下に。特に上がり3ハロン順位がメンバー中3位以下だった場合は【0-0-2-45】(同4.3%)と苦戦していた。

今年は6頭がこのデータに当てはまった。新たに消去リストに追加された4頭のうちタッチウッドは上位人気の一角を占めそうだが、グラニットなど他の逃げ馬との兼ね合いで楽にはハナを切れないとみて消去する。

【今年の該当馬】
・グリューネグリーン
・セブンマジシャン*
・タッチウッド
・(メイテソーロ*)
・(メタルスピード)
・ワンダイレクト


『関西馬』×『前走8頭立て以下』★5.9%★

4つ目のデータは過去10年で【4-7-6-92】(複勝率15.6%)の関西馬を取り上げたい。直近2年は関東馬がワンツーフィニッシュを決めるなど、関西馬が意外と苦戦している。特に前走で8頭立て以下のレースを走っていた関西馬は【1-0-0-16】(同5.9%)。唯一馬券に絡んだのは、17年に9番人気で優勝したアルアインだけだった。

今年この条件に当てはまったのは以下の5頭。上位人気が予想されるフリームファクシは新馬戦で15頭立てを経験しているが、この時は逃げて2着に敗れている。その後は6、9、8頭立ての少頭数で3連勝しているが、フルゲートで揉まれた時に一抹の不安が残る。

【今年の該当馬】
・シャザーン
・ショウナンバシット
・フリームファクシ
・マイネルラウレア
・(ラスハンメル)


『前走上がり4位以下』×『今回馬番15番から外』★0.0%★

4つの条件を終えて、20頭中13頭が消え、残るは7頭。最後は前走時の上がり3ハロン順位と今回の枠順の組み合わせを採用する。具体的には前走上がり4位以下の馬が皐月賞で馬番15番から外に入った時は消し。この条件に一致した馬は過去10年で13頭いたが、全て馬券圏外に沈んでいた。

残っている7頭のうち前走上がり4位以下だったのは4頭。いずれも重要な前哨戦で好走し、本番でも上位人気が予想される有力馬たちだが、馬番15番から外を引き当てたときは消去したい。

【今年の該当候補】
・タスティエーラ
・トップナイフ
・ファントムシーフ
・ホウオウビスケッツ

5つの条件を終えて、確実に残るのはウインオーディン、ソールオリエンス、ベラジオオペラの3頭となった。無敗のまま参戦する2頭以上に注目したいのは1勝馬のウインオーディン。前走の共同通信杯は10番人気で5着だったが、長期休み明けで繰り出した上がり最速タイの末脚は高く評価できる。いつも通り、消去を免れた馬の三連複ボックスで勝負するが、ウインオーディンが絡んでくれれば高配当も期待できるだろう。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は11.2%(4月9日現在)。

《関連記事》
【皐月賞】戦国クラシック開幕 初陣を飾るのは中山を経験した無敗馬ベラジオオペラだ!
【皐月賞】参考レース振り返り データは勝率31.3%の共同通信杯組、素質ならヒケとらないソールオリエンス
【皐月賞】未完の大器シルバーステートが産駒3頭出し 中山芝とは好相性【マイナー種牡馬応援団】

おすすめ記事