馬主リーディング4位までを一口馬主クラブが独占 ソールオリエンス擁する社台RHの逆襲に注目だ!

高橋楓

2022年馬主リーディング,ⒸSPAIA

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馬主獲得賞金ランキング

リバティアイランドの衝撃的なレース内容に沸いた桜花賞。2着コナコーストで馬主のサンデーレーシングはワンツーフィニッシュになった。よく見ると3着ペリファーニアはキャロットファーム、5着ドゥアイズはGⅠレーシングの持ち馬で、掲示板に4頭も一口馬主クラブの馬が並んでいた。

これだけ活躍するのだから「一口馬主バブル」という言葉も頷ける。そこで今回は特に活躍している4クラブと、直近の好成績が目立つ社台レースホースについて取り上げてみたい。まず、2022年のリーディングオーナー(賞金順)は以下のようになっている。

2022年 リーディングオーナー(賞金順),ⒸSPAIA


1位 サンデーレーシング 35億3084万9000円
2位 シルクレーシング 33億499万4000円
3位 キャロットファーム 26億6432万6000円
4位 社台レースホース 25億3780万2000円
5位 金子真人ホールディングス 16億3038万8000円

ベスト5のうち、上位4位までが一口馬主クラブとなっている。1位はサンデーレーシング。エリザベス女王杯を制したジェラルディーナをはじめ、ジオグリフ、スタニングローズ、ソングライン、そして前述のリバティアイランドなど競馬界を牽引し続けた。

2位は勝ち星では126勝でトップだったシルクレーシング。イクイノックスが天皇賞(秋)、有馬記念を制覇し年度代表馬に輝いた。そして3位にジャパンカップを制覇したヴェラアズールのキャロットファームと続く。


社台レースホースの逆襲なるか

社台レースホースの主な活躍馬,ⒸSPAIA


ここで取り上げたいのは、昨年4位に名を連ねた社台レースホースだ。1983年から2004年まで22年連続リーディングオーナー第1位に輝き続けた怪物クラブである。1980年に「社台ダイナースサラブレッドクラブ」として会員募集を始めると瞬く間に成長し、競馬界の中心に君臨していた。

ジェニュイン(1995年皐月賞)、ステイゴールド(2001年香港ヴァーズ)、バブルガムフェロー(1996年天皇賞秋)、タイムパラドックス(2004年ジャパンカップダート)、ネオユニヴァース(2003年日本ダービー)、ハーツクライ(2005年有馬記念)、ダンスインザムード(2004年桜花賞)など。活躍馬をあげ続けたらキリがない。

特に2005年のハーツクライはジャパンカップで当時のレコードタイムとなる2分22秒1で駆けながら2着。次走の有馬記念では無敗の三冠馬ディープインパクトを封じ込めての初GⅠ制覇だったことが思い出深い。

2010年以降はトップにたっておらず、2018年からは4位が続いているが、昨年はスターズオンアースが牝馬二冠を達成。今年に入ってからはすでに重賞を4勝して、現時点でリーディング2位につけている。数年をかけ、基盤となる社台ファームや山元トレーニングセンターの施設やコースを改修したことが功を奏したか、上昇気配がハッキリとうかがえる。

桜花賞ではシングザットソング、ライトクオンタムともに掲示板にのることは出来なかったが、皐月賞ではGⅢ京成杯を制し2戦2勝のソールオリエンスが人気の一角と予想される。2017年以来のリーディングベスト3入りも十分可能なだけに、引き続き注目だ。

大活躍の1996年秋シーズン!

1996年 社台レースホースの大活躍,ⒸSPAIA


特に社台レースホースが強かったのは1987年で、157勝、勝率13.0%、複勝率36.5%。3頭走れば1頭は馬券に絡んでいる計算になる。しかしイメージで言うと1996年の秋シーズンが印象深い。毎週のように「黄・黒縦縞・袖青一本輪」の勝負服が活躍していた。

10月20日の第1回秋華賞でロゼカラーが3着。10月27日にバブルガムフェローが天皇賞(秋)で1着。3歳馬(当時の表記だと4歳)の優勝は、第1回ハッピーマイト以来59年ぶりだった。1938年から古馬限定となっており、1987年に3歳馬に出走権が復活してからは史上初の快挙だった。

11月3日にはダンスインザダークが鬼脚を炸裂させ菊花賞制覇。さらに11月17日には前年の皐月賞馬ジェニュインが1番人気に応えマイルチャンピオンシップを優勝。ちなみにこの期間には同じく社台系オーナーのファビラスラフインやダンスパートナーなどもGⅠ制覇をしており、毎週のように縦縞の勝負服が競馬界の頂点に君臨し続けた時代だった。

現在では、メインレースで一口馬主クラブの勝負服を目にしないことの方が珍しくなった。特に上位4クラブからは今後、馬券ファンとしても、競馬ファンとしても目が離せない。

《ライタープロフィール》
高橋楓
秋田県出身。競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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