【マリーンカップ予想】過去10年で7勝の「5歳馬」が圧倒的 ナンヨーアイボリーが混戦を制す
菊池敬太
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今後の牝馬路線を占う重要な戦い
2023年4月12日(水)に船橋競馬場でマリーンカップ(ダート1600m・JpnⅢ)が実施される。来年度より3歳限定戦となるため、古馬による争いは今回で見納め。今年は重賞ウイナーが不在で混戦ムードだが、ダートでは連対を外していないペルアアをはじめ、重賞で2度の2着があるレディバグ、オープンで上位争いできるナンヨーアイボリーやチェイスザドリーム、重賞好走歴のあるリネンファッションなど、JRAと地方から好メンバーがそろった。
数々の名牝を送り出した重賞の節目に、勝ち名乗りを上げるのはどの馬か。過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す。
過去10年の人気を見ると、1番人気が【4-3-1-2】、2番人気は【4-2-2-2】と、ともに勝率、連対率、複勝率の信頼度が高い。3番人気は【1-3-2-4】と、連対馬20頭中17頭が1~3番人気だった。ただし、1番人気は6連敗中なのは気になるところだ。
所属別成績ではJRAが15連対(栗東11、美浦4)と有利だが、地方馬は大井が4連対、川崎が1連対。大井の連対率は28.6%で、複勝率も42.9%と高い。また、2019年から4年連続で地方馬が馬券圏内に入っている。
年齢は5歳馬が7勝を含む12連対。勝率20.6%、連対率35.3%で圧倒的リード。6歳馬が2勝、4歳馬が1勝含む各3連対。7歳馬と8歳馬は勝利実績がなく、ともに2着1回が最高だった。
勝ち馬は10頭中8頭が重賞ウイナー。残る2頭はそれぞれ1月に勝ち鞍がある5歳馬だった。同年のエンプレス杯3着以内に入った馬は【4-3-3-4】と好相性。連対馬20頭中9頭が前走重賞で連対し、該当しなかった11頭のうち6頭は2走前で重賞を制していた。連対馬の脚質は【逃げ7先行11差し2追込0】で、逃げ馬は7年連続で馬券圏内。また、連対馬17頭が4コーナーで3番手以内だった。
ニューヒロインの誕生だ
◎ナンヨーアイボリー
勝率20.6%の「栗東所属」という5歳馬。先行から追い込みまでこなせる自在性が強みで、前走のTCK女王盃は久々の右回りで5着に敗れたが、重賞勝利経験がある4着テリオスベルとはクビ差だった。全4勝を左回りでマークしていることから初めての船橋コースでも問題はなく、戦歴から距離短縮はプラスに働きそうだ。今回は好位で立ち回れるメンバー構成で、重賞ウイナーも不在。初タイトルのチャンスだ。
◯レディバグ
同じく栗東所属の5歳馬。昨年のスパーキングレディーカップ(JpnⅢ)でショウナンナデシコにクビ差まで迫ったように、牝馬同士では上位の能力がある。近走は不振続きだが、前走のコーラルSで勝ち馬に0秒4差まで迫る伸び脚を見せて良化が感じられる内容だった。3勝をあげている左回りに替わるのは大歓迎で、重賞で2着2回の実績はこのメンバー構成では頭ひとつ抜けている。展開がかみ合えば勝利に手が届いてもいい。
▲ペルアア
4歳を迎えて本格化し、連勝でオープン入りを果たした逸材。ダートはこれまで【4-2-0-0】と崩れておらず、左回りは2戦2勝と相性抜群だ。キャリアが浅く、今回は初めてのナイターなど初物づくしだが、難なく対応できれば一気に牝馬のトップクラスまで駆け上がっても不思議ではない。
ほか、チェイスザドリームは1200m以下で4勝をマーク。近親に短距離で活躍した馬が多く、マイルに対応できるかがポイントとなるが、坂井瑠星騎手がどのようにエスコートするのか注目だ。川崎のリネンファッションはJRA在籍時の成績を考えれば、このメンバーで上位争いに加わってもおかしくない。
《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。
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