【ニュージーランドT】中山マイル適性抜群のエエヤン3連勝! 1番人気7着ドルチェモアの敗因は

SPAIA編集部

2023年ニュージーランドTのレース結果,ⒸSPAIA

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「中山の鬼」になりえる器

朝日杯FSの勝ち馬ドルチェモアが出走し、12年ぶりのGⅠ馬参戦に沸いたニュージーランドトロフィーは2番人気エエヤンの勝利に終わった。

五分のスタートを切ったエエヤンはやや促して内の4番手を確保。序盤は引っかかる素振りを見せたが、3コーナー付近で鞍上が外に持ち出すと、抑える力を緩めてスッと浮上。これでガス抜きができたか、そこからはリラックスしたいい手応えで直線に向き、あっさり先頭に立ってそのまま押し切った。

これで中山マイルは3戦3勝、3連勝。勝ち時計1.33.7ながら、上がりは36.0秒を要する持続ラップの消耗戦だった。「内前のポジションを確保できる先行力」「緩みないラップで他馬より相対的に伸びる持続力」の2点は、まさにこの地で活躍するために欠かせない資質。今回のような走りができるのであれば、将来的には「中山の鬼」と呼ばれるような存在に育っていくのではないだろうか。もっとも、古馬の中山マイル重賞は春秋ともにハンデ戦であり、GⅡを勝ったことで斤量面は不利になるかもしれないが。

ドルチェモアの敗因は

好スタートを決め、馬なりでハナに立ったドルチェモアは少し力む感じの走り。800m通過46.5秒はそこまで速いペースでもないが、続く5ハロン目、先述のエエヤンが位置を上げた区間で11.2秒を踏まされた。そこからは自身推定11.9-12.1-12.6と純減速。数字上はシンプルに、早仕掛けでバテたという負け方だ。

まして、中山はスプリングS週、日経賞週と大雨の影響を受け、この日も雨。さすがに内はあまり伸びていなかった。1~5着はいずれも内から3~4頭分以上離れたところを通った馬で、トラックバイアスの不利もあっただろう。

ただし、昨年の朝日杯FSのレベルにも疑問符が付く。これで朝日杯FS組はその後OP以上のレースにのべ16頭が出走し、【0-0-1-15】(重賞では【0-0-0-11】)。2着ダノンタッチダウンはまだ次走を迎えていないが、3着レイベリングや4着キョウエイブリッサが共同通信杯で大敗を喫し、5着バグラダスはファルコンSと今回で掲示板にすら上がれなかった。勝ち時計は前週リバティアイランドの阪神JFより0.8秒遅い。

NHKマイルCに向かうのであれば、休み明けを叩いた上積み、今回の展開・馬場不利など見直せる要素もあるにはあるが、そもそも前提としての能力評価は慎重にならざるを得ない。

最後に、過去10年のNHKマイルCにおけるニュージーランドT組の成績は【2-1-2-45】。NZT1着馬は【0-0-0-10】、NZTで逃げor先行した馬は【0-0-1-17】。巻き返しはマテンロウオリオン、ケイアイノーテックなど、中山で差し損ねた馬が広い東京に替わって、というパターンに限られる。次走で狙うという意味なら、エエヤンやドルチェモアよりもウンブライルやモリアーナ、ミシシッピテソーロあたりになる。


2023年ニュージーランドトロフィーのレース展開,ⒸSPAIA




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