【桜花賞】どんなペースでも問題なし 東大HCの本命はリバティアイランド
東大ホースメンクラブ
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桜の女王を目指して
今週日曜日、阪神競馬場で牝馬三冠の第一戦となるGⅠ・桜花賞が行われる。今年は阪神JFの覇者リバティアイランド、その阪神JFで12番人気ながら2着に激走したシンリョクカ、シンザン記念を勝ったライトクオンタム、ほかにもハーパー、シングザットソング、ラヴェル、モズメイメイなど多数の重賞実績馬が集結した。
阪神JFで実力を見せつけたリバティアイランドの1強ムードが漂うが、相手候補は混戦模様。今週は出走馬の過去のレースラップから展開面を中心に検討する。
対応力あるリバティアイランド
<モズメイメイの近2走と、2022年桜花賞のレースラップ>
こぶし賞:12.9-11.5-11.9-12.2-12.0-11.3-11.3-11.6
チューリップ賞:12.5-11.0-11.7-12.3-12.4-11.3-10.9-11.9
2022年桜花賞:12.4-10.8-11.4-12.2-12.0-11.1-11.5-11.5
メンバーを見るとハナに行きそうなのはモズメイメイぐらいで、楽に展開を握る可能性が高い。そこでまずモズメイメイが逃げを打った近2走の展開に注目した。いずれも2~3F目は11秒台だが、4~5F目には12秒台に落として息を入れ、最後の3Fで再び加速し11秒台前半を出すという流れになっている。チューリップ賞では2着のコナコーストを除き、前目で進めた馬たちが5着まで占めた。
これを昨年の桜花賞と比較すると、加減速のタイミングなど似ていることがわかる。昨年はスターズオンアースが差し切ったが、2、3着にはウォーターナビレラ、ナムラクレアと揃って内前から進めた先行馬が残った。Bコース替わりの初週ということもあり、今年も内枠先行馬に恩恵がありそうだ。
<リバティアイランド・近3走レースラップ>
新馬:13.2-12.2-12.8-13.1-12.5-10.9-10.2-10.9
アルテミスS:12.6-11.4-11.8-12.0-12.2-11.4-11.0-11.4
阪神JF:12.1-10.5-11.1-11.5-11.8-11.1-12.5
次にリバティアイランドが出走した3レースについて振り返る。新馬戦は良馬場のマイルで前半5F63.8秒という超がつくほどのスローペース。そこから新潟外回りの長い直線を使った上がり勝負となった。続くアルテミスSは2~3F目が速く、4~5F目で12秒台を2回踏み、最後の3Fは11秒台前半。先ほど見た3レースに近いラップとなった。結果は2着だったが、直線で前が空かなかったことが大きく、ゴール前での勢いは1着馬ラヴェルを凌ぐもの。不完全燃焼なレースだったことは間違いない。
前走の阪神JFは前半5Fが57.0秒というかなりのハイペースとなり、先行勢が揃って馬券圏外となった。その展開の助けを差し引いても、直線に向いてからの加速力、そして堂々たる差し切りは圧巻の一言。実力差を見せつける形となった。
以上見たように、3レースともペースがかなり異なっているにもかかわらず安定した結果を残している。どんな展開になっても、リバティアイランドの上位が揺らぐことは考えにくい。
人気集中でも信頼
◎リバティアイランド
過去10年の桜花賞で、前年の阪神JF1着馬は9頭出走して【1-3-1-4】と堅実。一昨年は阪神JFワンツーのソダシとサトノレイナスが直行で桜花賞に臨み、再びワンツーを決めている。先述したように、そもそも前走の勝ち方が強い。仮に大きな不利があっても馬券圏内は外さないだろう。人気集中でも軸としたい。
◯ライトクオンタム
シンザン記念ではスタートでアオる形となり後方から。逃げた新馬戦とは真逆の競馬となった。しかも4コーナー出口では大きく外にふくれるロスもあった。それでも直線では上がり最速の34.6秒をマークし、粘る先行勢を一気に抜き去って鮮やかに勝利した。キャリア3戦目にして早くもGⅠ挑戦となり、力関係がまだ不明な点はあるが、シンザン記念で見せた鋭い切れ味を再び発揮できれば好走は必至だろう。
▲ドゥアイズ
前走のクイーンCは、最初と最後の1F以外がすべて10、11秒台と先行勢に厳しい展開で、直線ではハーパーの差し脚に屈し2着だった。それでも4角4番手以内で掲示板に残ったのはドゥアイズ1頭のみ。粘り強さを見せる形となった。また阪神JFではややスムーズさを欠いたものの、10番人気という低評価を覆して3着に日あった。2枠4番という好枠を引けたことと、デビューから1度も馬券圏内を外していない安定感もプラス材料だ。
以下コナコースト、シンリョクカ、ペリファーニアに印を回す。馬券は◎1着固定、◯以下を相手の3連単とする。
▽桜花賞予想▽
◎リバティアイランド
◯ライトクオンタム
▲ドゥアイズ
△コナコースト
×シンリョクカ
×ペリファーニア
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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