【桜花賞】リバティアイランドとライトクオンタムは軽視不可 ハイブリッド式消去法で浮上した穴馬候補は
八木遊
ⒸSPAIA
5つのデータから絞れた馬は?
先週の『大阪杯』はスターズオンアース、ヴェルトライゼンデら6頭が消去を免れた。しかし、優勝したジャックドールと3着馬ダノンザキッドを消しており、三連複ボックス買いはまたも不発。今年の回収率は10%割れが現実味を帯びてきた。
まさに落ちるところまで落ちたハイブリッド式消去法だが、予想は続く。今週は4月9日に阪神競馬場で開催される『桜花賞』が対象だ。いつも通り過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。条件に当てはまった馬を順番に消去していく。今回は4日時点で出走枠にいるシンリョクカまでの18頭を対象に進めていきたい。
『前走1600m以外』×『前走3着以下』★0.0%★
1つ目の条件は前走時の距離データから見て行きたい。取り上げたのは、前走でマイル以外の距離を走っていた馬。過去10年の成績は【1-0-2-64】(複勝率4.5%)と、これだけでも十分消せる数字だ。しかし、ハイブリッド式ではこれにもう一つの条件を掛け合わせる。今回は前走が3着以下というデータ。この組み合わせだと【0-0-0-34】(同0.0%)で、馬券圏内に入った馬はいなかった。
対象の18頭のうち、この条件に当てはまったのはジューンオレンジとブトンドールの2頭。どちらもフィリーズレビューからの参戦で、距離に不安を抱えての一戦となる。よほど展開等に恵まれないと、3着以内は厳しいのではないか。
【今年の該当馬】
・ジューンオレンジ
・ブトンドール
『キャリア5戦以上』×『前走で人気以上の着順』★2.0%★
続いてはデビューからのレース数で絞り込みを図りたい。今回は過去10年で【3-2-3-87】(複勝率8.4%)の「キャリア5戦以上」が対象。3着以内に好走した8頭のうち7頭は前走時に人気より下の着順に敗れていた。つまり前走で人気と同じ、もしくは上回る着順に好走していた馬の馬券圏内は1頭だけ。その成績は【0-0-1-48】(同2.0%)で、唯一馬券に絡んだのは2013年に14番人気で3着に入ったプリンセスジャックだった。4着以下に沈んだ48頭の中には、16年に1番人気で4着のメジャーエンブレムや19年に同じく1番人気で4着だったダノンファンタジーなどが含まれる。
今年このデータには6頭が当てはまった。すでに消去されたジューンオレンジ以外にエミュー、ドゥアイズなどが消去対象となった。
【今年の該当馬】
・エミュー
・コンクシェル
・(ジューンオレンジ)
・トーセンローリエ
・ドゥアイズ
・ムーンプローブ
『非社台系生産』×『前走時馬体重460kg未満』★4.7%★
続いては生産者に注目。今回は社台系以外の牧場で生産された馬を取り上げたい。これに掛け合わせるのは前走時の馬体重が460kg未満の馬。この組み合わせは過去10年で43頭いたが、【0-1-1-41】(複勝率4.7%)で、馬券に絡んだのは2頭だけだった。
今年は6頭がこのデータに当てはまったが、うち4頭は消去済み。新たに消去リストに追加されるのはキタウイングとシンリョクカとなった。
【今年の該当馬】
・(エミュー)
・キタウイング
・(コンクシェル)
・シンリョクカ
・(ジューンオレンジ)
・(トーセンローリエ)
『前走上がり4位以下』×『今回馬番10番から外』★5.0%★
4つ目のデータは前走時のラスト3ハロン順位と桜花賞での枠順を組み合わせた。具体的には、前走時の上がり時計がメンバー4位以下、かつ桜花賞で2桁馬番を引き当てた馬だ。このパターンは過去10年で40頭いたが、【0-2-0-38】(複勝率5.0%)とかなり苦戦していた。
3つ目のデータを終えて残っている9頭のうち、前走時の上がり順位4位以下は次の7頭。木曜日に発表される枠順で10番から外の馬番を引いた馬は消去する。
【今年の該当候補】
・コナコースト
・シングザットソング
・ドゥーラ
・ハーパー
・ペリファーニア
・モズメイメイ
・ラヴェル
『前走1着』×『今回4番人気以下』★2.6%★
最後は前走着順と桜花賞での人気順の組み合わせ。前走1着だった馬は過去10年で【4-3-3-50】(複勝率16.7%)とまずまずの成績を残している。ただし、桜花賞で4番人気以下だと【0-0-1-38】(同2.6%)で、ほぼ馬券に絡んでいなかった。
3つ目のデータを終えて残っている9頭のうち、前走1着馬は以下の5頭。ただ、ライトクオンタムとリバティアイランドは3番人気以上がほぼ確実。消去を免れることになるだろう。
【今年の該当候補】
・シングザットソング
・ハーパー
・モズメイメイ
・ライトクオンタム
・リバティアイランド
5つの条件を終えて確実に残る馬は1頭もいないが、ライトクオンタムとリバティアイランドの2頭は残る可能性が高い。あとは枠順次第になるが、ドゥーラやペリファーニアといった伏兵に印を回すことになりそうだ。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は11.6%(4月2日現在)。
《関連記事》
・【桜花賞】やはり中心はリバティアイランド 穴はチューリップ賞敗退組とクイーンC1、2着
・【桜花賞】参考レース振り返り 連対率50%の阪神JF直行組・リバティアイランドが抜けた存在
・【注目3歳馬(牝馬編)】2歳女王リバティアイランドが主役 オークス向きなのはドゥアイズ、ラヴェル
おすすめ記事