【大阪杯】ハイレベルな一戦を制するのは若い先行馬！　京大競馬研の本命はジャックドール

2023/04/01 06:00

京都大学競馬研究会

ⒸSPAIA

この記事のレース

大阪杯

GⅠ

4月2日(日)　阪神11R

ハイレベルかつ難解な一戦

4月2日（日）に阪神競馬場で大阪杯（GⅠ）が行われる。昨年の二冠牝馬スターズオンアースやエリザベス女王杯を勝ったジェラルディーナ、連覇のかかるポタジェ、複数の重賞勝ち鞍があるジャックドールやヒシイグアスなど、GⅠ馬に限らずGⅠ上位常連組がそろってハイレベルな戦いになりそうだ。

その反面、確固たる軸がいないため予想は非常に難解。データを捨てて好きな馬から買いたくなる一戦でもあるが……。今回は様々なデータからマイナス要素の少ない馬を選んで予想を組み立てたい。

原則は若い馬優勢だが……

過去6年大阪杯年齢別成績,ⒸSPAIA

まずは大阪杯がGⅠに昇格した2017年以降の年齢別成績を調べた。他の芝GⅠと同様、4、5歳馬が馬券内のほとんどを占めており、4歳【2-2-5-19】、5歳【4-3-1-23】となっている。勝利数こそ5歳馬優位だが、3着以内の頭数は4歳の方が多い。あまり差をつけずに評価したい。

一方で6歳【0-1-0-15】、7歳以上は【0-0-0-10】で全滅と高齢馬には厳しいデータを突きつけられている。しかし、6歳以上の高齢馬が単勝オッズ10倍を切った例が18年のシュヴァルグラン以外になく、唯一馬券になったステファノス（2017年2着）は前年の秋GⅠで活躍を見せていたことから、秋GⅠで結果を出している馬であれば一定の評価をするべきだろう。裏を返せば前年不振だった高齢馬の巻き返しはないため、人気薄は切って点数を減らしたい。

勝利ポジションは4角5番手以内、意識を前に

過去6年大阪杯脚質別成績,ⒸSPAIA

次に同期間の脚質別成績を調べた。逃げ【1-0-1-4】、先行【3-4-0-11】と前に行った馬がそのまま残るレースがほとんど。中団【1-2-4-32】から唯一勝った2020年ラッキーライラックも4角5番手とはいえ道中は3番手。5番手以内を追走出来る馬から買いたい。後方から勝つためには2018年1着のスワ－ヴリチャードのようにマクる以外なく、直線まで脚を溜める馬はヒモまでだ。

関西馬が圧倒的に強い

最後に東西所属別成績をチェック。多くの媒体で触れられているが、大阪杯は関西馬を買うべきレース。近年美浦所属で馬券になったのはダノンキングリーのみで、関東馬は人気でも疑ってかかりたい。そのダノンキングリーも逃げて何とか3着に残したもので、先述の脚質別データと合わせて関東の差し馬の台頭がないことは覚えておきたい。年齢別、脚質別データに上乗せする形で印の優劣をつける。

5歳の先行・関西馬

◎ジャックドール
昨年の大阪杯はハイペースを作ってしまい自滅。ハイレベルの天皇賞（秋）は不向きな展開を4着とGⅠ級の力は既に見せている。香港では馬体重を減らしており万全ではなかったことから、今回は上積みに期待してよいだろう。5歳の先行馬で栗東所属とマイナス要素がなく、昨年と違いめぼしい逃げ馬がおらずマイペースで走れそうなことはプラス材料。逃げの上手い武豊騎手とともにここでGⅠ初戴冠を決めて欲しい。勝てば武豊騎手は岡部幸雄元騎手の持つGⅠ最年長優勝記録を更新する。記録達成にも期待だ。

◯ダノンザキッド
中山記念は謎の大敗。しかしマイルCS、香港カップ連続2着で復調の兆しは見せている。阪神は【1-1-1-0】の得意コースで、メンタルの問題が解消されていれば上位に食い込める。2000mであれば先行出来ることも強みで、横山和生騎手にはホープフルSを勝った時と同じような乗り方をしてほしい。

▲ヴェルトライゼンデ
関西馬、川田将雅騎手を配して先行してきそうだ。6歳ではあるが、昨年のジャパンC3着とGⅠでも善戦している今が充実期。割引は必要ないだろう。

△キラーアビリティ
4歳の関西馬。前走はかかっていたため距離短縮はプラスだが、位置取りは未知数。鞍上の勢いに期待。

×ノースザワールド
5歳、栗東所属、先行馬と実はマイナス材料なし。ディープ産駒の母父米国血統は昨年覇者のポタジェと同じ。データを味方に実績不足をカバーしたい。

×スターズオンアース
二冠牝馬で実績は上位。ただし怪我明けで、以前にも骨折を経験しており、4歳ながら能力の減衰がありそう。そもそも怪我明けの馬に上位の印を打つこと自体リスクが高い。関東馬で、今年高柳厩舎が未勝利であることも心配材料。地力でどこまでやれるか。

×ポタジェ
近走は先行もできておらず内容に衰えが見える。しかし阪神芝2000mは得意。

馬券はジャックドール軸の三連複15点で勝負する。買いたい馬が多数いるなか何とか7頭予想に載せたが、マリアエレーナ、マテンロウレオなど印を回せなかった馬もいるため、もう少しヒモを増やす可能性が高い。読者の皆様に対しても、今回はボックスや一頭軸など手広く押さえられる買い方を推奨する。（文：福山）

大阪杯　予想印
◎ジャックドール
◯ダノンザキッド
▲ヴェルトライゼンデ
△キラーアビリティ
×ノースザワールド
×スターズオンアース
×ポタジェ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。