【高松宮記念】短距離王決定戦なのに「1200m重賞未勝利馬」が強い 東大HCの本命はアグリ
東大ホースメンクラブ
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中東の熱狂に負けない一戦を
今週日曜、中京競馬場を舞台にGⅠ高松宮記念が行われる。春の4週連続芝GⅠの開幕を告げる電撃の6ハロン戦に、昨秋のスプリンターズSでも1、2番人気を分け合ったメイケイエールとナムラクレア、5連勝での短距離王座奪取を狙うアグリ、京阪杯覇者トウシンマカオ、昨年の勝ち馬ナランフレグ、2着ロータスランド、3着キルロードなどが挑む。
土曜深夜にドバイミーティングも行われたが、こちらも中東の熱狂に負けない一戦を期待したいところ。今週も過去のデータを参考に馬券戦略を考えていく。
「短距離王決定戦」にもかかわらず……
<高松宮記念 芝1200m重賞勝ちの有無別成績>
あり【6-3-4-79】勝率6.5%/連対率9.8%/複勝率14.1%
なし【5-8-7-85】勝率4.8%/連対率12.4%/複勝率19.0%
※中京競馬場改修後の2012~2022年
高松宮記念は芝1200mのGⅠにもかかわらず、1200m重賞を勝ったことがある馬(以下、「あり」)の苦戦傾向が存在する。対照的に、1200m重賞勝ちがなかった馬(以下、「なし」)は昨年のワンツースリーなど、目下6年連続で複数頭が馬券に絡んでいる。中京競馬場は息の長い末脚が求められる長い直線と急坂が特徴で、スピードだけで押し切るのは至難の業。「春の短距離王決定戦」という大看板とは裏腹に、純粋なスプリンターだけに目を奪われると的中は遠のく。
「なし」の馬のうち、芝1400mの重賞勝ち鞍がある馬は【2-7-3-15】と4割以上の複勝率をマーク。ほとんどの年で好走馬を出している。さらに4番人気以内で【2-6-3-3】複勝率78.6%、5番人気以下【0-1-0-12】複勝率7.7%と明暗が分かれており、上位人気が濃厚なアグリと、後者から唯一馬券圏内に入った(昨年2着)ロータスランドの2頭をピックアップする。
「あり」の馬は前述の通り全体成績が低調だが、13頭の馬券絡みがある以上無視はできない。このうち前走から斤量増となる馬は【0-1-1-40】複勝率4.8%と苦しく、メイケイエールやピクシーナイトは評価を下げるべきか。一方で前走勝って斤量減、もしくは据え置きの馬は【3-1-2-3】複勝率66.7%。さらに2番人気以内なら【3-1-2-1】複勝率85.7%。「あり」組は上位人気に推されるであろうナムラクレアを筆頭評価としたい。
5連勝でGⅠ獲りへ
◎アグリ
芝1400~1500mで4連勝中と勢い十分。特に前走の阪急杯は前半3F33秒9の流れを番手で楽に追走し、直線では後続の追い上げを抑える強い内容だった。勝ちタイム1分19秒5の優秀さもさることながら、1200m通過タイム1分7秒6もスプリント路線で通用するクラスの記録。英愛で芝6ハロンのGⅠを2勝したカラヴァッジオを父に持ち、速力には裏付けがある。先行押し切りのスタイルで初GⅠ奪取といきたい。
◯ナムラクレア
スプリンターズSでは極端なイン有利の馬場で外々を回しながら5着に健闘、シルクロードSでは牝馬の身で56.5kgを背負いながら好時計で勝利と、短距離界では現役屈指の脚力を誇る。芝1200mで敗れたレースは2戦とも何らかの不利が絡んだものであり、まともに走れば上位争いは間違いないだろう。
▲ロータスランド
昨年の2着馬。前走の京都牝馬Sは道中最後方から距離ロスを極限まで減らした岩田康誠騎手の好騎乗もあったが、復調気配を感じさせる3着。高松宮記念以降芝1200mを一度も使わず、満を持しての距離短縮というローテーションにも好感が持てる。パワフルな走りに定評があり、今週末のひと雨も追い風になりそうで、リピーターの躍動に警戒したいところ。
以下ファストフォース、ダディーズビビッド、トウシンマカオ、トゥラヴェスーラまで印を回す。買い目は◎の単勝、◎―◯のワイドを本線に、◎から▲以下への馬連を抑える。
▽高松宮記念予想▽
◎アグリ
◯ナムラクレア
▲ロータスランド
△ファストフォース
×ダディーズビビッド
×トウシンマカオ
×トゥラヴェスーラ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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