【高松宮記念】内枠ならナムラクレアで間違いなし 東大HCが中京芝1200mを徹底検証
東大ホースメンクラブ
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コース紹介
今週は中京芝1200mを舞台にGⅠ・高松宮記念が行われる。春芝GⅠの幕開けを告げる電撃の6ハロン戦。前哨戦のシルクロードSを勝ったナムラクレア、現役屈指のアイドルホース・メイケイエール、破竹の5連勝で一気の頂点を狙うアグリ、1年3ヶ月ぶりにターフへ帰還する21年スプリンターズS覇者ピクシーナイト、父ビッグアーサーとの親子制覇がかかるトウシンマカオなど多士済々のメンバー構成だ。
当該コースの重賞は2レース。今週のGⅠ高松宮記念に加え、サマースプリントシリーズとして夏競馬を盛り上げるGⅢ・CBC賞が行われる。なお、2023年は京都競馬場改修工事に伴う開催日程の変更で、本来は京都で施行のGⅢ・シルクロードSが当該コースでの実施となっている(使用するデータは2013年3月24日~2023年3月18日)。
まずはコース紹介。向正面の半ばからスタートし、100m程度進んだ地点から最後の直線までなだらかな下り坂を進んでいく。400m以上の長い直線では高低差2mの急坂が待ち受け、急坂を上り切った後もなお200m程度の直線が控えるタフな条件だ。
地力を問う外枠
<中京芝1200m・過去10年の枠別成績>
1枠【32-21-18-299】勝率8.6%/連対率14.3%/複勝率19.2%
2枠【34-35-23-289】勝率8.9%/連対率18.1%/複勝率24.1%
3枠【25-40-26-297】勝率6.4%/連対率16.8%/複勝率23.5%
4枠【32-26-33-309】勝率8.0%/連対率14.5%/複勝率22.8%
5枠【25-30-37-318】勝率6.1%/連対率13.4%/複勝率22.4%
6枠【23-17-24-352】勝率5.5%/連対率9.6%/複勝率15.4%
7枠【21-23-30-478】勝率3.8%/連対率8.0%/複勝率13.4%
8枠【26-27-27-488】勝率4.6%/連対率9.3%/複勝率14.1%
枠別成績では内~中枠がほぼ横一線の成績で、外枠の不振が際立つ。中京コースは4コーナーでラフに外を回すと直線の急坂があいまって最後のひと押しが鈍りやすいが、芝1200m戦も全体の傾向をなぞる形の数字が出ている。
過去10年の高松宮記念で6~8枠の馬は9頭が馬券になっており、ノーチャンスとはいえないが、好走馬はモズスーパーフレア、ロードカナロア、ダノンスマッシュ、ハクサンムーン(13年3着、15年2着)、レシステンシア、ドリームバレンチノ、スノードラゴン、ミッキーアイルと当時の短距離界でトップを張った馬ばかり。外からの好走は確かな地力が求められる。
<中京芝1200m・過去10年の脚質別成績>
逃げ【44-18-25-131】勝率20.2%/連対率28.4%/複勝率39.9%
先行【80-76-61-581】勝率10.0%/連対率19.5%/複勝率27.2%
差し【73-97-91-1178】勝率5.1%/連対率11.8%/複勝率18.1%
追込【21-28-41-937】勝率2.0%/連対率4.8%/複勝率8.8%
全体成績ではもちろん前有利だが、オープンクラス以上で逃げ切りを決めたのは一昨年の中京2歳Sを勝ったジャングロのみ(高松宮記念を勝ったモズスーパーフレアは2位入線)。今年のメンバーに徹底ハナのタイプは不在だが、頭に入れておきたいデータだ。
重賞25レースのうち、12勝を4角7番手以下の馬が挙げているように条件が上がると差しが届く。重馬場だった昨年の高松宮記念でも掲示板に入った5頭のうち、3着キルロードを除く4頭が4角8番手以下だった。今週末の中京はひと雨が予想されており、後方待機勢に気を配っておきたい。
連対のない横山和生騎手
<中京芝1200m・過去10年の種牡馬別成績>
ロードカナロア【20-9-11-101】勝率14.2%/連対率20.6%/複勝率28.4%
ビッグアーサー【4-0-2-14】勝率20.0%/連対率20.0%/複勝率30.0%
ミッキーアイル【3-2-0-12】勝率17.6%/連対率29.4%/複勝率29.4%
種牡馬別成績ではロードカナロアが独走。勝利数20は好相性の証で、一昨年の高松宮記念もダノンスマッシュが勝って親子制覇を達成した。今年はキルロード、ファストフォース、ボンボヤージが出走予定。前年3着馬キルロード、前哨戦で善戦を続けるファストフォースに食指が動く。
出走数は少ないが勝率2割をマークしているのがビッグアーサー。代表産駒のトウシンマカオは直近4走連続で7枠より外と枠に泣きながらも好走を続けており、前走同コースのシルクロードS4着で見限るべきではないだろう。
2強として支持を集めそうなナムラクレア、メイケイエールが該当するミッキーアイル産駒も同等の数字。全3勝は前走重賞かつ継続騎乗だったケースで、ナムラクレアがわずかにリードか。その他ピクシーナイトの父モーリスは【3-3-0-22】複勝率21.4%だが、4番人気以下に限ると【0-0-0-20】だった。
<中京芝1200m・過去10年の騎手別成績>
浜中俊【5-8-5-34】勝率9.6%/連対率25.0%/複勝率34.6%
池添謙一【6-7-1-35】勝率12.2%/連対率26.5%/複勝率28.6%
鮫島克駿【3-10-7-68】勝率3.4%/連対率14.8%/複勝率22.7%
横山和生【0-0-1-15】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率6.3%
人気馬に騎乗予定のジョッキーではナムラクレアとコンビを組む浜中俊騎手が好調。3番人気以内に限ると【3-5-4-7】複勝率63.2%、さらに1~4枠なら【3-3-0-1】連対率85.7%とほぼ崩れがない。枠次第ではあるが軸候補の筆頭だろう。
池添謙一騎手は3着が極端に少なく、メイケイエールを狙うなら単系、連系馬券がおすすめ。こちらも1~4枠【6-3-0-13】連対率40.9%、5~8枠【0-4-1-22】連対率14.8%と明暗が分かれている点を頭に入れておきたい。
鮫島克駿騎手は人気薄への騎乗が多いながらもたびたび穴をあけており、評価は下げられない。継続騎乗では29回騎乗して未勝利のため、トウシンマカオは2、3着付けで狙うべきか。その他ではアグリに騎乗する横山和生騎手に連対がなかった。
《ライタープロフィール》
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約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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