【阪神大賞典】3強の順位付けが焦点 京大競馬研の本命はディープボンド
京都大学競馬研究会
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「日本一堅い重賞」
3月19日(日)に阪神競馬場で阪神大賞典(GⅡ)が行われる。菊花賞、有馬記念2着のボルドグフーシュ、天皇賞(春)2年連続2着のディープボンド、菊花賞3着のジャスティンパレスによる3強体制のオッズが予想される。以下、昨年2着のアイアンバローズやアルゼンチン共和国杯を勝ったブレークアップなどがいるが、3強は長距離GⅠで結果を残しており、それ以外のほとんどはGⅠ実績皆無。果たして格下馬のつけいる隙があるかどうか。
近年は荒れ気味だが、かつては「日本一堅い重賞」とも言われていた程、力差がはっきり分かることが多かった阪神大賞典。そして今年は以前のような堅い決着になる可能性が非常に高い。力の抜けた3頭について、今回は騎手データをもとに印に差をつけていきたい。
3騎手の長距離戦成績は
3強に騎乗する川田騎手、和田騎手、ルメール騎手の3人について、過去10年の長距離戦(3000m以上)における成績を調べた。勝率、複勝率とも圧倒的なのがルメール騎手。【6-2-6-9】の複勝率60.9%は他2人に倍以上の差をつけるもの。2018年の菊花賞をフィエールマンで勝った際は内での進路選択など随所に巧さが見えた。しかし2020年の天皇賞(春)以降、3年近く長距離戦での勝利はなく、少し力の足りない馬に乗る機会も増えたことから、現在は2、3着狙いにしておくのが吉だ。
和田騎手は【3-4-1-24】の複勝率25.0%。早めから全力で追うのが特徴で、ディープボンドのようなズブい馬との相性が抜群だ。その他ではヴォージュで万葉Sを逃げ切るなど、前につけられる馬ならなおよい。人気薄に乗る機会が多く複勝率は低めだが、回収率は単複とも100%を超えている。スタミナ切れをおこしにくい人気馬であれば信頼して良いだろう。
3人の中では頼りない成績なのが川田騎手。【1-2-4-24】の複勝率22.6%で重賞での勝利は10年間なし。先行意識の高さから中距離以下では成績を伸ばす川田騎手であるが、長距離では先行した結果差されるというレースが多く、分かりやすい例では2021年のダイヤモンドSで2着に敗れたオーソリティの騎乗が挙げられる。今回はボルドグフーシュと初コンビ。現状レース展開について行けず後方からの競馬しか出来ない当馬を無理に前に行かせようとすると、最後伸びない可能性も考えられる。単勝1倍台なら過剰人気ではないだろうか。
3強の印、買い目が予想の見せ場
◎ディープボンド
前走有馬記念は枠順抽選で大外を引き当て、その時点で終戦。加えて当日には輸送のトラブルもあるなど力を出し切れなかった。展開面も厳しい中、それでも8着に留められる点でやはりここでは力上位だろう。早々に手応えを失ったブレークアップとの差は大きい。重馬場をすいすい走った2021年、差す競馬で結果を出した2022年と、人馬ともにこのコースの走り方を熟知している点は強みで、後方待機のボルドグフーシュと比較してポジションの利があることもプラス。特にこれといった不安要素がなく3連覇へ視界良好だ。
◯ボルドグフーシュ
有馬記念2着からの参戦。毎度良い末脚を使うものの道中は基本最後方待機。溜めに溜めたからこそ出せているものであって、先行意識の高い川田騎手と手が合うかは未知数だ。菊花賞は早仕掛けで最後止まっていたアスクビクターモアを捉えきれない、不満の残る内容、有馬記念もイクイノックスが進路を作ってくれるなど恵まれての2着だった。アフリカンゴールドが逃げそうな今回、近2走ほどのハイペースは見込めず、川田騎手の乗り方に依るところが大きい。上手くいけばディープボンドを逆転できるが、データ上強調できない。
▲ジャスティンパレス
菊花賞3着馬。ディープインパクト産駒ながら母方の欧州血統が強いため鋭いキレはなく、皐月賞とダービーは適性に合わなかった。神戸新聞杯のような消耗戦が合う馬だ。ただ、菊花賞は外枠から内に入れて完璧に乗ったにもかかわらず3着、有馬記念は先行策から7着まで。どちらも実力負けといった内容で、ボルドグフーシュとの差は埋められないと判断する。他の高齢馬と比較すると流石に力上位ではあるが、3番手まで。先述したルメール騎手の近年のトレンドにも合致する。
△アフリカンゴールド
人気薄で1頭選ぶならこの馬。長距離で輝くステイゴールド産駒。後ろで他馬がけん制し合うようであれば逃げ残りも。
ボルドグフーシュは乗り方1つでディープボンドを逆転可能だが、ジャスティンパレスはそれが出来ないだろう、というのが基本の考え方になる。よって買い目はディープボンドの単勝、三連単◎-◯-▲、◯-◎-▲の2点。逃げ残り展開に対する保険で◎-△のワイドを購入する。
▽阪神大賞典予想印▽
◎ディープボンド
◯ボルドグフーシュ
▲ジャスティンパレス
△アフリカンゴールド
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。
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