【阪神大賞典】休み明けディープボンドは馬体重次第で消し ハイブリッド式消去法で導き出した結論は

八木遊

過去10年の阪神大賞典『距離短縮』かつ『前走10番人気以下』の成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週の『金鯱賞』は2週前の弥生賞に続き三連複の1点勝負。消去を免れた3頭は2、4、5番人気と比較的上位人気馬だったが、最高着順がディープモンスターの5着ではもはや笑うしかない。これで今年は中山金杯から10連敗。昨年のプロ野球・阪神の開幕連敗記録をも上回ってしまったが、まずは1つ白星を挙げて同じようにV字回復を遂げたいところだ。

気を取り直して、今週は19日の『阪神大賞典』で的中を狙う。いつも通り、過去10年のデータを対象に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を順に消去していく。


『関東馬』×『騎手乗り替わり』★0.0%★

まずは東西別成績から関東馬を取り上げたい。過去10年の成績は【0-1-0-15】(複勝率6.3%)なので、関東馬というだけで複勝率10%未満の消去条件を満たしている。ただし、ハイブリッド式ではもう1つの条件を掛け合わせて絞り込みを図る。今回選んだのは、前走から騎手乗り替わりが発生していたかどうか。乗り替わりがあった関東馬は【0-0-0-11】(同0.0%)で、好走例がなかった。

登録馬15頭のうち、関東馬は2頭だけ。騎手が想定通りなら、武豊騎手と初コンビを組むゼーゲンの消去は確定。アケルナルスターは自己条件のスピカSとのW登録だが、前走時の三浦皇成騎手はこの日中京で騎乗する公算が高く、もし格上挑戦に踏み切っても消去となりそうだ。

【今年の該当馬】
・アケルナルスター
・ゼーゲン


『距離短縮』×『前走10番人気以下』★0.0%★

続いては距離変動データで、前走で3000m超のレースを使われた距離短縮組を取り上げる。過去10年の成績は【0-2-3-21】(複勝率19.2%)とまずまずだったが、その前走で10番人気以下の馬は11頭すべてが4着以下に沈んでいた。

今年はメイショウテンゲンとメロディーレーンの2頭がこのデータに当てはまった。いずれも近走は苦戦続きで、今回のメンバーでは掲示板を確保するのも厳しいだろう。

【今年の該当馬】
・メイショウテンゲン
・メロディーレーン


『前走関東圏以外』×『前走4着以下』★3.4%★

続いては前走の競馬場に注目。ここでは前走でJRAの関東圏(東京、中山、新潟、福島)以外に出走した馬をピックアップする。過去10年の成績は【1-3-5-40】(複勝率18.4%)だったが、前走着順が4着以下の馬に限ると【0-0-1-28】(同3.4%)と苦戦していた。この条件下で唯一馬券に絡んだのは19年に10番人気で3着に入ったロードヴァンドールだった。

今年このデータに当てはまったのは、以下の6頭。昨年2着の実績があるアイアンバローズだが、今年は馬券圏内も厳しいとみる。

【今年の該当馬】
・アイアンバローズ
・アフリカンゴールド
・エブリワンブラック
・サンレイポケット
・シロニイ
・ノーチカルチャート


『6歳以上』×『非サンデーサイレンス系』★4.5%★

4つ目のデータは年齢と血統の組み合わせから。年齢は6歳以上、血統は父が非サンデーサイレンス系の馬を取り上げた。この条件を満たす馬は過去10年で22頭いたが【0-1-0-21】(同4.5%)。馬券に絡んだのは1頭だけだった。

今年は3頭がこの条件に当てはまったが、うち2頭はすでに消去済み。新たにユーキャンスマイルを消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・(サンレイポケット)
・(シロニイ)
・ユーキャンスマイル

『非社台系生産』×『今回馬体重510kg以上』★6.7%★

最後は過去10年で【5-1-6-41】(複勝率22.6%)の非社台系生産馬を見ておきたい。【5-9-4-36】(同33.3%)の社台系生産馬に比べると馬券に絡む確率は低いが、数字は決して悪いわけではない。ただし、レース当日の馬体重が510kg以上の大型馬は【1-0-0-14】(同6.7%)で、複勝率10%を割り込んでいた。

残っている4頭のうち、非社台系生産馬はディープボンドとブレークアップの2頭。もし当日の馬体重が510kg以上なら消去対象となる。両馬ともに前走の有馬記念時が504kgで、休み明けの今回は太目残りなら消去対象としたい。

【今年の該当候補】
・ディープボンド
・ブレークアップ

5つの条件を終えて、確実に残るのはジャスティンパレスとボルドグフーシュの4歳馬2頭だけとなった。アケルナルスターは鞍上次第、ディープボンドとブレークアップは当日の馬体重次第で取捨を決めたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。

《関連記事》
【阪神大賞典】中心は有馬記念組 ボルドグフーシュ、ディープボンド、積極策ならジャスティンパレス
【阪神大賞典】参考レース振り返り 連対率6割超の有馬記念組、ボルドグフーシュの内容を高評価
【スプリングS】実績馬オールパルフェに迫る昇級先行馬たち! ホウオウビスケッツとハウゼに好データ

おすすめ記事