【フィリーズレビュー】4勝挙げる「社台ファーム生産馬」を狙え イティネラートルが波乱を起こす

門田光生

フィリーズレビューの所属別成績(過去10年、19年は1着同着),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

桜花賞とのつながりは薄いが

2023年3月12日に阪神競馬場で行われる第57回フィリーズレビュー。ほかの前哨戦に比べて桜花賞とのつながりが薄い傾向にあるとはいえ、2017年の2着馬レーヌミノルはこのレースを経て本番を8番人気でV。こういった穴馬を見つけるためにも、やはりチェックは不可欠といえる。そんなフィリーズレビューにはどのような傾向があるのか、今回も過去10回の成績を基にして検証していきたい。

フィリーズレビュー出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆所属
栗東所属馬【11-8-9-112】(19年は1着同着)、美浦所属馬【0-1-1-30】で、勝ち馬はすべて栗東所属馬。美浦所属馬は2、3着も1回ずつしかないので、数字通り栗東所属馬有利と考えていいだろう。

フィリーズレビュー出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆キャリア
キャリア1戦の馬から勝ち馬が出ていないのは先週行われたチューリップ賞と同じ。ただ、チューリップ賞では2着馬が2回出ていたものの、フィリーズレビューではすべて馬券外となっている。また、キャリア7戦以上の馬も連対した例がない。

フィリーズレビュー出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
フィリーズレビュー出走馬の前走(芝のみ),ⒸSPAIA


☆前走クラスと前走
勝ち馬が出ているのは、未勝利、1勝クラス、オープン、そしてGⅠ。チューリップ賞は阪神JF組から9頭の勝ち馬が出ていたが、こちらは1勝だけ(朝日杯FS組も1勝)というのが面白い。ただ、2着馬は5頭出しており、連対率も23.1%とまずまずの数字。

最も連対馬を出しているのは1勝クラスの8頭(5勝)。勝率や連対率は目立って良いわけではないが、今年もこの組から連に絡む馬が出る確率は高そうだ。

フィリーズレビュー出走馬の前走馬体重,ⒸSPAIA
フィリーズレビュー出走馬の前走距離,ⒸSPAIA


☆前走馬体重と前走距離
前走の馬体重を比較してみると、449キロ以下だった馬は1勝、450キロ以上だった馬が10勝。勝ち馬を探すなら、前走を450キロ以上で走った馬を選ぶのが望ましい。

前走距離についてだが、1200mを使っていた馬は35頭いるが、3着が1頭いるだけ。あとはすべて着外となっている。サンプル数もそれなりに多く、これに当てはまると厳しくなる。1600mを走っていた馬からは1、2着が7頭ずつ出ており、前走はマイルを走っていた馬が狙い目となる。

フィリーズレビュー出走馬の生産牧場,ⒸSPAIA


☆生産牧場
続いて生産牧場。クラシックに強いノーザンファームだが、このレースに関しては28頭が出走して【1-1-2-24】。重賞、とくに3歳戦で強さを見せている牧場ということを考えると物足りない数字。一方、同グループの社台ファームは16頭が出走して4勝。もちろん連対率も優秀で、フィリーズレビューは社台ファーム生産馬を狙いたい。

フィリーズレビューにおけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみる。まず前走着順だが、5着だった馬の連対率が41.7%。2着が多いものの、連軸ならこのデータを重視するのもありだろう。続いて前走で1番人気に支持された馬が5勝。ほかのグループに比べて結果を出している。

悪い方だと、中1週以内で挑んできた馬は9頭すべて馬券外。駆け込みで権利狙いの馬には厳しい結果が待っているようだ。最後に、前走でダートを走っていた組(地方含む)からも連対馬は出ていない。

社台ファーム生産馬に注目

フィリーズレビューのデータをまとめてみよう。まず好走確率が上がるのはA「栗東所属馬」B「前走がマイル」C「社台ファーム生産馬」D「前走5着」E「前走1番人気」。

勝率や連対率が下がってしまうのはF「前走馬体重が449キロ以下」G「ノーザンファーム生産馬」。連対がないのはH「キャリア1戦、もしくは7戦以上」I「前走が1200m」J「中1週以内」K「前走ダート(地方含む)」。

今回の強データは、C「社台ファーム生産馬」とD「前走5着」の2つ。両方とも連対率が3割を超える優秀なものとなっている。

まず、社台ファームの生産馬はイティネラートルとポリーフォリアの2頭だけ。イティネラートルは栗東所属で前走がマイルと、ほかのプラス要素も持っている。F「前走馬体重が449キロ以下」にも該当しているのが気になるところだが、プラスデータを3つ持っているのはこの馬だけ。6頭の連対馬を出している阪神JF組というのも悪くなく、思い切って本命としたい。

もう1頭のポリーフォリアは、プラスデータはCだけだが、マイナスデータもなし。これまたよく馬券に絡む1勝クラス組でもあり、対抗はこれでいいだろう。

もう1つの強データ「前走5着」に当てはまるのはジューンオレンジだけ。ただ、この馬は連対がないI「前走が1200m」に引っかかるので見送りとしたい。また、唯一E「前走1番人気」に当てはまるジャスパーティアラも連対がないK「前走ダート(地方含む)」に該当するので、同じく見送り。

以下、プラスデータA、Bを満たすシングザットソング(抽選対象)、ムーンプローブを3、4番手に置く。トラベログはプラスデータがB「前走がマイル」だけだが、2015年の勝ち馬クイーンズリングと同じ菜の花賞組で、しかも2戦2勝という戦績まで同じ。これにも印を入れておきたい。

◎イティネラートル
◯ポリーフォリア
▲シングザットソング
△ムーンプローブ
×トラベログ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
姫路出張中は泊まることもありますが、仕事をこなしたいからという理由なので、グルメを楽しんでいる暇が全くないのが残念。大阪にいる時と同じような食べ物を買って、仕事しながらホテルで食べています。さすがにコンビニとマクドは飽きてきました。

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