【チューリップ賞】重賞勝ち馬2頭に疑問符 京大競馬研の本命はモズメイメイ
京都大学競馬研究会
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春GⅠの到来はすぐそばに
3月4日(土)に阪神競馬場でチューリップ賞(GⅡ)が行われる。札幌2歳Sを勝ったドゥーラや、ここまで重賞2勝のキタウイング、紅梅S上位のダルエスサラーム、バースクライなど17頭が揃った。
早いものでもう3月に入り、春GⅠの到来をすぐそばに感じる時期になった。例年阪神JFの上位馬が桜花賞への叩きで出走してくることが多い当レース。しかし今年はGⅠ実績馬が不在で少し小粒に見える。GⅠ大敗後でも巻き返しが効くのか、阪神JFとの関連性を中心に調べた。
フェアリーSのレベルは例外なく低め
まずは過去10年の前走レース別成績を見てみる。前走阪神JF組が【9-1-6-12】だが、これは後ほど詳しく分析する。前走GⅢ組が【0-3-1-12】、今年人気になりそうなキタウイングが該当する前走フェアリーS組に絞ると【0-0-1-7】。3着1回も逃げて何とか残したもので残る7頭は掲示板にも乗らない完敗と、特に不振だ。1月の初週に行われるフェアリーSは同じ週にシンザン記念、1ヶ月前に阪神JFとマイル重賞が近くに多数存在するため毎年条件戦レベルにしかならないのが一因だろう。
その他のところでは前走エルフィンS組が【1-1-1-18】、紅梅S組が【1-0-0-8】。マイルのオープンであるエルフィンS組を上位に取りたい。前走1勝クラス【0-1-2-35】もしくは新馬or未勝利or地方【0-3-0-20】から馬券になった6頭中4頭は前走マイルであった。格上挑戦の馬を選ぶ際にもマイル実績は重視したい。
阪神JF一桁着順なら繰り上がり可能、大敗組は通用しない
次に先程出した前走阪神JF組【9-1-6-12】ほか、前年の阪神JFに出走していた32頭について、そこでの着順別に調査した。
阪神JF1~5着馬が今回いないため、それ以下について述べると、JF6~9着馬が【0-0-1-7】、掲示板に乗った馬は8頭中3頭いた。2013年3着のアユサンはJF7着。この年のチューリップ賞ではJF勝ち馬ローブティサージュがまさかの大惨敗を喫しており、実績馬の自滅に助けられた面があった。2016年5着のデンコウアンジュ(JFは7着)も、JF2着だったウインファビラスの凡走に恵まれて掲示板は拾った。このように阪神JFを一桁着順で収めていれば、実績馬のトビによって上位進出は可能であることがわかる。それでも勝ちきるまでには至らないため、ドゥーラはヒモまでに抑えておくのが良さそうだ。
一方JF10着以下だと【0-0-0-2】、2頭はここでも二桁着順の大惨敗で通用していない。考慮する必要はない。
ドゥーラはヒモまで、キタウイングは消し
◎モズメイメイ
前走は少頭数を自ら引っ張って快勝。その前の2戦は先行策で結果を出しており、東京では上がり33.1を使って勝利するなど、スローなら重賞級の末脚を使えることを証明済みだ。前走阪神JF組は展開の恩恵受けた6着ドゥーラだけ、また先行勢が手薄な今回は横綱相撲で押し切れるだろう。阪神コースで経験を積めたこともプラスだ。
◯アリスヴェリテ
アルテミスS3着馬。前走は逃げなかった結果内で力んで伸びず、自滅と言っていい内容だった。逃げれば少なくとも前走より悪くなることはない。母ルミエールヴェリテの産駒は何が何でも逃げて結果を出す馬が多く、当馬にも狂気の血が流れている。逃げ先行策で実績を上げる坂井瑠星騎手とともに逃げてどこまでやれるか。
▲ドゥーラ
阪神JF6着で実績上位にあたるが、昨年は2019年並の超ハイペースで断然差し有利。後方から伸びるもラスト100mで前の馬と脚色が同じになっており、むしろ展開利込みで詰めきれなかったと捉えることができ、不満が残る。休んでどれだけ成長があるか。阪神JF上位馬不在で繰り上がりは可能だが、前走のように出遅れるとトライアル特有のスローペースでは展開が向かない。好走歴が札幌に偏っており阪神が合うとも思えない。
△ルミノメテオール
1400mで結果を出す。マイルはどうかだが、前走でダルエスサラームを圧倒するなど紅梅S組より上位の存在。距離をこなせば。
×カフジキアッキエレ
未勝利戦をイン突きで勝利。イン突きできる馬を買うのであればキタウイングよりこちらの方が断然妙味アリ。
×コナコースト
エルフィンS2着、レース内容自体はスローの逃げ切りを許してしまい不満。だが阪神JF上位組がいない今回はデータ上繰り上がってくる。
消キタウイング
重賞2勝だが新潟2歳Sは内がガラ空き、フェアリーSはハイペースで外を回した先行勢が全滅するなど展開に大変恵まれた。2戦とも勝ち時計は平凡で、速い決着になった阪神JFは大敗しており、あちらが本来の実力。データ上も阪神JF大敗馬の巻き返しはない。杉原誠人騎手が阪神では通算【0-0-1-31】とほぼ馬券になっていない。関西主場の経験が少ない杉原騎手に阪神コースを覚えてもらうため、今回は人馬ともに試走の面が強い……等々、懸念点を挙げればきりがない。どこにも買い要素がない。
消ペリファーニア
新馬戦は同日同コースの未勝利戦より1秒以上遅い凡戦で、良血であること以外の買い要素がなく、今あたえられている新馬戦のレース内容だけでは手が出ない。
馬券はモズメイメイの単勝と、モズメイメイ軸の三連複10点で勝負する。リバティアイランドに太刀打ち出来る馬は現れてくれるだろうか。(文:福山)
チューリップ賞 予想印
◎モズメイメイ
◯アリスヴェリテ
▲ドゥーラ
△ルミノメテオール
×カフジキアッキエレ
×コナコースト
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。
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