【弥生賞】前走芝1800m重賞組に好データ 東大HCの本命はタスティエーラ

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弥生賞の前走クラス別成績,ⒸSPAIA

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皐月賞への最重要ステップ

今週日曜、中山競馬場を舞台にGⅡ弥生賞ディープインパクト記念が行われる。ホープフルSでわずかハナ差の2着に粘ったトップナイフ、共同通信杯4着からの巻き返しを期すタスティエーラ、若駒S2着ワンダイレクト、東京芝2000mの未勝利戦を好タイムで勝ったレヴォルタード、京都2歳S勝ち馬グリューネグリーンなどが集結した。

ホープフルS3着キングズレイン、若駒S覇者マイネルラウレア、名牝ハルーワスウィートを母に持つグランヴィノスなど有力馬が回避。やや寂しいメンバー構成とはなったものの、3歳牡馬クラシック初戦・皐月賞に向けた重要なステップレースであることには変わりない。同舞台の中山芝2000mでGⅠに名乗りを上げるのはどの馬か、今週も過去のデータを参考に検討していく。


経験してきたレースの格が重要

2023年弥生賞・前走クラス別成績,ⒸSPAIA


<弥生賞・前走クラス別成績>
新馬、未勝利【0-1-0-14】勝率0.0%/連対率6.7%/複勝率6.7%
1勝クラス【3-2-0-24】勝率10.3%/連対率17.2%/複勝率17.2%
オープン、L【2-1-0-8】勝率18.2%/連対率27.3%/複勝率27.3%
GⅡ、GⅢ【3-2-2-28】勝率8.6%/連対率14.3%/複勝率20.0%
GⅠ【2-4-8-5】勝率10.5%/連対率31.6%/複勝率73.7%
※過去10年 ※初出走【0-0-0-1】、地方【0-0-0-2】

皐月の声を間近に聞く3月ともなれば、経験に乏しかった3歳馬たちもキャリアを重ねてくる時期。レベルの高いレースを走っていたか否かの差が結果にあらわれる。

新馬、未勝利からここに臨む馬は2019年2着シュヴァルツリーゼが唯一の好走例。この年は重馬場施行で勝ち馬がのちに長距離路線で活躍するメイショウテンゲンと、例年のレースの性格を大きく逸脱した一戦だった。今年は前走新馬組が不在。前走未勝利組は1986年以降唯一の好走例が09年2着ミッキーペトラで、同馬はデビューから全て連対を確保していた。この組はレヴォルタードのみ残したい。

1勝クラスから好走した馬は全頭が前走勝ち馬で、今年は該当馬なし。オープン、リステッドは複勝率3割弱とまずまずの成績を残しており、馬券圏内3頭は全て前走若駒S。勝ち馬マイネルラウレアとハナ差だったワンダイレクトに食指が動く。

GⅡ、GⅢ組は前走芝1800m組が【2-1-1-7】複勝率36.4%と結果を出しており、このうち5番人気以内に限ると【1-1-1-0】のパーフェクト。タスティエーラが条件を満たすのはほぼ確実な情勢で、信頼できる軸馬といえそうだ。

前走GⅠ組は複勝率7割超えと圧巻で、ここで連対していると【1-2-4-0】とこちらも崩れない。トップナイフも上位評価が妥当だろう。ただし、この組から出走した馬に前走二桁着順の例は存在せず、グリューネグリーンの好材料とはならない。クラスを限らず、前走で二桁着順に敗れた馬は1986年以降【0-0-1-24】だった。ここまで印を回すのは悪手かもしれない。


皐月への直通便、チケットをつかめ

◎タスティエーラ
新馬戦のレース上がり3F11.2-11.1-11.2、ラスト5F58秒3はいずれもGⅠ級の数字。引退まで追いかけるべき素材とみている。共同通信杯では直線でやや左右に振れるところがあり、まだまだ走りに安定感が欠けている印象だが、それでも上がり3ハロン3位タイの33秒7でまとめての4着。世代屈指のメンバーが集まった一戦で、結果的に4角2番手以内のワンツーという結果も鑑みれば及第点の走りだろう。現状新馬勝ちのみで収得賞金が足りないため、クラシックへのエントリーチケットを確保する走りを期待したい。

◯トップナイフ
キャリア7戦【2-2-1-2】、大崩れしたのは出遅れた新馬戦と夏の札幌3連戦から強行軍で挑んだ野路菊Sのみ。4角でごちゃついて大きくポジションを下げる不利から2着まで押し上げた京都2歳Sが印象的だ。

ホープフルS2着は4ハロン目から12.7-12.7-12.5-12.5と横山典弘騎手の絶妙なペース配分が光り、そこから11.9-11.2-11.9と踏んで後続に何もさせなかった。緩いペースに恵まれたのは間違いないが、鞍上のレースプランを完璧に遂行したこの馬も称賛に値する。中山芝2000mを経験した強みも武器に再度上位争いが濃厚だろう。

▲レヴォルタード
父エピファネイア、母バウンスシャッセの良血馬。新馬戦はタイセイクラージュを捉え切れずの2着も3着馬には8馬身差をつけており、続く未勝利戦は前半5F59秒4のペースを番手からあっさり勝ち切った。1分59秒4の走破時計は東京芝2000mの2歳戦としては歴代4位の好タイム。まだフィジカルだけで走っている印象はあるものの、先々は伸びてくる可能性が高い。先物買いのイメージで3番手に据えた。

以下ワンダイレクトまで印を回す。買い目は◎―◯の馬連を本線に、◎から▲△への馬単2点を抑える。

▽弥生賞予想▽
◎タスティエーラ
◯トップナイフ
▲レヴォルタード
△ワンダイレクト

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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