横山武史騎手が首位を守る ルメール騎手は月間18勝の大活躍で2位浮上【2月終了時の騎手リーディング】

三木俊幸

2月時点の騎手リーディング,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

最終週で首位奪回

JRAにおける今年最初のGⅠ・フェブラリーSも行われた2月の競馬開催、雪の影響が懸念される週もあったが無事に終了した。2月4日~26日までの開催8日間におけるトピックスを、リーディング上位騎手たちの活躍を中心に振り返っていこう。

2023年2月終了時の騎手リーディング,ⒸSPAIA


1位の横山武史騎手は月間10勝、1月に続いて2月もトップで終えた。6日間の日別成績は1→0→1→0→1→0で一時は3位までランクダウンしたが、最終週は土曜4勝、日曜3勝と大活躍をみせて再逆転。年間勝利数を27まで伸ばしている。

2位は同じく27勝のルメール騎手。1月終了時点では9勝で10位だったが、2月に入ると飛ぶ鳥を落とす勢いで6日目までの日別成績は4→3→2→3→3→3で月間18勝、月間勝率は34.6%。1月28日から始まった1回東京開催では24勝をマーク、同一競馬場における1開催最多勝利記録も更新した。

こうした活躍によって3週目終了時点ではトップに浮上したが、最終週はサウジアラビア遠征のため国内での騎乗なし。2着の回数差(1回)で首位の座を譲る形となった。

3位川田将雅騎手は月間9勝で計25勝という成績。2月はフリームファクシできさらぎ賞、ハーパーに騎乗してクイーンCと2つの重賞を勝利。勝利数の順位はランクダウンしたが、賞金548,572,000円はトップで2位以下を大きく突き放している。

共同通信杯優勝馬ハーパーと川田将雅騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


4位に入ったのは岩田望来騎手。1月は8勝に終わったが、2月の阪神開催では1日3勝以上が4回と固め打ちが多かった。結果的に15勝を上積みして23勝、リーディング上位とも差のないポジションに急浮上してきた。

5位は戸崎圭太騎手。2月は1→1→1→0→1→0→2→0と得意の大勝ちもなく、6勝止まりでトータル21勝。賞金ランキングでは435,703,000円で3位という成績だ。

松山弘平騎手は賞金ランキング2位

勝利数ではトップ5にランクインしなかったが、月間10勝で計19勝、6位となった松山弘平騎手は単複ともに回収率100%超えの成績。中山記念をヒシイグアスとのコンビで勝利するなど、賞金ランキングでは452,274,000円で2位に入っている。

中山記念勝ち馬ヒシイグアスと松山弘平騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


なお、ランキングはJRAのみで集計しているが、吉田豊騎手は2月25日にサウジアラビア・キングアブドゥルアジーズ競馬場で行われたサウジカップにて、パンサラッサに騎乗して優勝。1000万米ドル(約13億5000万円)の高額賞金を獲得した。

その他では、2月4日の小倉1Rで武豊騎手が史上初のJRA通算4400勝、2月18日の阪神5Rで酒井学騎手がJRA通算400勝とそれぞれ節目の記録を達成した。

JRA通算2636勝、福永祐一騎手引退

2月の最も印象に残るトピックとして触れなければいけないのは、福永祐一騎手。2月いっぱいで騎手を引退し、3月からは調教師に転身する。日本での騎乗最終日となった2月19日の東京競馬では、9RのヒヤシンスSをペリエールとのコンビで優勝。JRA通算2636勝目を飾り、場内は大きな拍手に包まれた。

日本での最終騎乗は5着。最終レース終了後には、多くの騎手仲間も見守る中でセレモニーが行われ感極まる場面もあったが、最後は多くのファンの声援に笑顔で応えながらコースを後にした。

ファンの声援に応える福永祐一騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


ラストライドは2月25日・サウジカップデーのリヤドダートスプリント。リメイクに騎乗し、大外から追い込むも3着という結果だった。正式な引退式は3月4日、阪神競馬場で最終レース終了後に行われる。改めてファンにどのような言葉を残してくれるのか注目したい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

《関連記事》
横山武史騎手が好発進17勝 川田将雅騎手は複勝率75.0%【1月終了時の騎手リーディング】
データで見る福永祐一騎手27年間の年表 2連勝の鮮烈デビュー、リーディング獲得、無敗三冠達成
「武豊騎手ら3期生が7000勝」「武幸騎手が2日目で重賞制覇」など 新人騎手記録を振り返る

おすすめ記事