【オーシャンS】逃げ先行馬少ない組み合わせ ジャスパージャックの前残りで一発に期待
佐藤永記
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GⅠ馬を生み出す出世レース
2019年オーシャンS覇者のモズスーパーフレアは1年後の高松宮記念を、2020年覇者のダノンスマッシュは香港スプリントと翌年の高松宮記念を勝利している。昨年のオーシャンSを勝ったジャンダルムはその後高松宮記念11着、北九州記念17着と大敗したが、スプリンターズSで勝利した。
そんな中、一昨年はやはり例外だったといえよう。1月開催から時計が悪くなり、レース当日も稍重。勝利したコントラチェックは函館スプリントS8着の後、マイル、中距離で走り引退、繁殖入りした。馬場さえよければ、後々のスプリントGⅠ馬を出しまくっている注目レース、とも言える。
昨年は1月の同コース時計が微妙だったので一昨年のパターンで予想したが、結果、馬場はそこまで悪くなくアテが外れてしまった。今年はどうだろうと、1月のオープン戦であるカーバンクルSの時計をチェックしたところ……。
<近年の1月カーバンクルSの時計>
2019年 1.07.0
2020年 1.08.4
2021年 1.09.2
2022年 1.08.7
2023年 1.09.0(稍)
そう、稍重だったのである。良なのに1分9秒台だった2021年はしっかり時計のかかる馬場と感じ取れたのだが、稍重で1分9秒フラットなら遅いとは言い切れないどころか、まあまあいいのではないか。
逃げ先行組少なく注目のジャスパージャック
例年通りのハイレベルなレースなら、昨年オーシャンS2着馬にして高松宮記念を制し、スプリンターズSも3着としているナランフレグが優勢だろう。後方からの追込競馬であるため安定感という面は心配なのだが、他に消す理由がない。馬連、3連系を買う上で軸にするのは避けられなさそうである。
ただ、勝ち馬となると例年逃げ、先行馬が中心だ。どうしても成績が安定しないヴェントヴォーチェだが、昨春の同コース春雷Sでは先行抜け出し、1.06.8という快速時計を叩き出し、キーンランドCを制している実績もある。前走スプリンターズS11着大敗も目を瞑れるかどうか。
この2頭が人気になってしまうだろうが、穴で1頭探るなら前々で競馬できる馬から拾いたい。ジャスパージャックは関西馬だが、たまに中山に遠征してくることがあり、2走前のラピスラズリSで逃げ切り勝ちを収めている。7歳ではあるがまだオープンクラスで2戦しかしておらず、過去には長期休養やダートを使った時期もあったことを考えると底を見せない部分はある。今回は有力な逃げ先行馬が案外少ないので、ハマれば面白い一頭だ。
馬券は3連複でナランフレグを軸にヴェントヴォーチェとジャスパージャックを2列目とする作戦を考えたい。ヴェントヴォーチェ絡みだと安いのは仕方ないが、ジャスパージャックが絡んで跳ねてくれることに期待だ。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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