【エンプレス杯予想】地方で5戦5連対、距離にも実績あり グランブリッジが重賞連勝を決める

菊池敬太

エンプレス杯、ピックアップデータ,ⒸSPAIA

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来年からは5月に変更

エンプレス杯(JpnⅡ・ダート2100m)が2023年3月1日(水)に川崎競馬場で行われる。ダート競走の体系整備により、来年から施行時期が5月上旬に変更される。冬の開催としては最後の女王決定戦、JBCレディスクラシックを制したヴァレーデラルナを筆頭に、前走のTCK女王盃でヴァレーデラルナを撃破したグランブリッジ、さらに川崎記念4着テリオスベル、地方勢ではJpnⅡで2勝を挙げた大井のサルサディオーネなど、JRAと地方から実績馬が集結した。

一昨年の優勝馬マルシュロレーヌは米GⅠ・BCディスタフを、昨年の優勝馬ショウナンナデシコはJpnⅠかしわ記念を制しており、大舞台への足掛かりとなる注目の一戦だ。過去10年の傾向とデータから勝ち馬を導き出す。

過去10年のエンプレス杯,ⒸSPAIA
人気別成績,ⒸSPAIA


過去10年の人気別成績を見ると、1番人気が【7-2-1-0】と圧倒的にリード。2番人気は【2-1-3-4】連対率30%、複勝率60%。勝ち馬全10頭が4番人気以内だった。

所属別成績,ⒸSPAIA


所属はJRAが全10勝を含む14連対(栗東11、美浦3)とやはり優勢。ただし地方馬も大井が2着5回、船橋が2着1回。2019年から4年連続で大井所属馬が2着に絡んでいる。

年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢は5歳馬と6歳馬がともに6連対だが、勝率トップは5歳馬の10.8%で、連対率なら6歳馬の18.2%だった。ほかに4歳馬が5連対で、7歳馬が2連対、8歳馬が1連対。高齢馬は苦戦傾向だ。

実績面はJRA所属の連対馬14頭中10頭がダートグレードの勝ち馬で、残る4頭中3頭にダートグレードで3着以内の実績があった。地方馬は連対馬6頭中5頭に南関東重賞またはダートグレード、もしくは両方で連対実績があった。また、連対馬20頭中17頭が前走1800m組。近2戦連続で3着以内だった馬が【6-3-2-8】で、そのうちJRA所属馬は【6-2-2-2】と信頼度が高い。連対馬20頭の脚質は【逃げ4先行11差し4追込1】で、逃げ馬は2着が最高着順だった。

エンプレス杯の過去10年データ,ⒸSPAIA

新女王へ名乗りを上げる

◎グランブリッジ
栗東所属で勝率10.3%の4歳馬。前走のTCK女王盃でダート女王のヴァレーデラルナを破り、JBCレディスクラシックのリベンジを果たした。川崎2100mでは昨年6月の関東オークスを制していて、地方遠征は5戦5連対。前走が1800m組という好走データに合致しており、斤量56キロを克服している点も魅力だ。これまで1800m以上では連対を外していない強みがあり、再度女王を撃破して牝馬ダート路線の主役に躍り出る。

◯ヴァレーデラルナ
昨年のJBCレディスクラシックを制して牝馬ダート界の頂点まで上り詰めた。年明け初戦のTCK女王盃は休み明けのぶんグランブリッジの決め手に屈したが、1馬身差の2着と意地は見せた。今回は初めての川崎コースに加えて斤量57キロが鍵になるが、小回り向きの器用さがあるのは強み。課題を克服できれば反撃は十分に可能だ。

▲テリオスベル
昨年末のクイーン賞の覇者。今年は2戦続けて4着だが、前走の川崎記念では一線級の牡馬相手に力走した。今回も先行する自分の形に持ち込めるかだが、連対率18.2%の6歳馬。牝馬同士なら上位争いに加わってくるだろう。

ほか、アーテルアストレアは3戦続けて連対と着実に力をつけている4歳馬。前走1800m組で好走データに合致しており、初の地方馬場と小回りコースを苦にしなければ上位をにぎわしそうだ。フラーレンは初の地方遠征だった2走前のレディスプレリュードで4着と好走した。全4勝中3勝が左回りで、大型馬の叩き2戦目で上積みは必至。変わり身を見せても驚けない。2年連続で惜敗が続いている大井のサルサディオーネは今回がラストラン。雪辱を果たして、有終の美を飾れるか注目したい。

《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。

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