【阪急杯】プラスデータに合うのは3頭だけ!? 阪神C2着グレナディアガーズと伏兵2騎に熱視線

門田光生

阪急杯の前走レース別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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高松宮記念の前哨戦

2023年2月26日に阪神競馬場で行われる第67回阪急杯。翌月に控えているスプリントGⅠ・高松宮記念の重要な前哨戦である。実際にここ10年、高松宮記念で3頭の勝ち馬を出しており、本番に向けても目が離せない一戦といえるだろう。そんな阪急杯にはどんな傾向があるのか。今回も過去10年の成績を基にして検証していきたいと思う。

阪急杯出走馬の所属,ⒸSPAIA
阪急杯出走馬の性別,ⒸSPAIA
阪急杯出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆所属、性別、年齢
栗東所属馬の出走頭数が圧倒的に多く、馬券に絡んだ30頭中26頭は栗東所属。勝率で見ると東西ほぼ同じ(美浦6.3%、栗東6.1%)だが、連対率だと栗東所属の方がやや有利という傾向。

性別でも、牡馬・セン馬の出走頭数が、牝馬を5倍以上も上回っている。こちらは勝率で牝馬が上回っているが、連対率ではほぼ差なし。なお、美浦所属の牝馬で馬券に絡んだ馬はいない(【0-0-0-4】)。

最も活躍している年齢はというと、なんと4~7歳の4世代が横並び。これは非常に珍しい傾向。8歳以上になると勝ち馬は1頭も出ていない。また、5歳以下の美浦所属馬は【0-0-0-12】で、馬券には一切絡んでいない。

阪急杯出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
阪急杯出走馬の前走,ⒸSPAIA


☆前走クラスと前走
条件戦からGⅠまで、ほとんどのクラスから勝ち馬が出ている。年齢もそうだが、非常に的を絞りづらいレースといえるだろう。

相性のいいローテは6頭の連対馬(2勝)を出している阪神Cと、勝率、連対率が優秀な京都金杯。逆に悪いのは東京新聞杯と淀短距離Sで、この2レースからは連対馬が出ていない。また、牝馬でGⅠを使っていた組は【1-1-1-2】で、勝率、連対率のよさが目立つ。

阪急杯におけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを挙げていこう。まず中1週で挑んできた美浦所属馬は2頭いて、2頭とも勝っている。マイナスデータの方では、前走1.5秒以上の差で負けていた馬が、すべて馬券圏外に敗れていた。

今回はまれに見る難解戦

阪急杯のデータをまとめてみよう。まず好走確率が上がるのはA「前走が阪神Cか京都金杯」B「前走GⅠの牝馬」C「美浦所属馬で中1週」。

勝率や連対率が下がってしまうのはD「8歳以上」。連対がないのはE「美浦所属の牝馬」F「5歳以下の美浦所属馬」G「前走が東京新聞杯or淀短距離S」H「前走で1.5秒以上負けていた」。

登録馬を見て驚いたのだが、美浦所属馬が1頭、牝馬は2頭、そして8歳以上馬が不在。かなり偏った登録となっていた。よって、プラスデータのBとC、そしてマイナスデータのD、E、Fに当てはまる馬が1頭もなし。というわけで、唯一残ったプラスデータがA「前走が阪神Cか京都金杯」。ひとつだけで判断するのは危険なのだが、今年の登録馬の前走は阪神Cと京都金杯を除くと、あとは連対データすらないレースばかり。前走阪神Cか京都金杯というのは必須と考えていい。

それだけでは心もとないので、近3年のデータとも比較してみよう。何か目につく傾向がないかと調べていくと、前走2着だった馬は【0-2-1-0】、100%馬券に絡んでいた。この際、1着がないことには目をつむろう。前走が京都金杯か阪神Cで、かつ2着だった馬はグレナディアガーズだけ。不思議と人気どころに落ち着いたが、今回はここが本命でいいだろう。2番手は唯一の京都金杯出走馬、ミッキーブリランテ。3番手はもう1頭の阪神C出走馬ルプリュフォールだ。

問題は4番手以下。今回は連対なしのデータに引っかかっても、面白そうな要素があれば浮上することを許していただきたい。ホウオウアマゾンはH「前走で1.5秒以上負けていた」に引っかかっているが、注目したいのは前走がダートということ。このレースは前走ダート組が【0-1-1-3】と半分近くが馬券内。芝の重賞で前走ダート組が結果を出していることは珍しい。有力なステップレースが少ない今回においては有用ということで、これを4番手に。

最後に、近3年では前走1着馬が9頭中3頭馬券に絡んでおり、前走2着馬には及ばないが悪くない成績。ということで、前走1着馬のアグリとサトノラムセスが押さえ。ホープフルサインも前走1着だが、美浦所属の好走パターンにあまり当てはまっていないのと、連対馬がいない淀短距離S組ということで無印とする。

◎グレナディアガーズ
◯ミッキーブリランテ
▲ルプリュフォール
△ホウオウアマゾン
×アグリ
×サトノラムセス

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
携帯電話を何回買い替えるんや! というぐらい機種変更しています。2万円以下の中古、未使用品ばかり使っているからなんですが、それにしてもバッテリーの持ちとか、システムクラッシュとか、外れを引く可能性がかなり高い気がします。ちなみに、知り合いに譲ってもらったiPhoneも使いましたが、性に合いませんでした。値段的に、これからも買うことはないでしょうが。

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