【フェブラリーS】キャリア全連対の安定感でGⅠ獲りへ 東大HCの本命はレモンポップ
東大ホースメンクラブ
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今年最初のJRA・GⅠ
今週日曜、東京競馬場を舞台にGⅠフェブラリーSが行われる。キャリア全連対レモンポップ、全日本2歳優駿勝ち馬ドライスタウト、帝王賞を制し暮れの東京大賞典でも3着に好走したメイショウハリオ、ドバイGS2着馬レッドルゼル、浦和の誇りを胸に中央へ殴り込むスピーディキック、レース史上初の海外馬シャールズスパイトなどがエントリーしてきた。
“今年最初のJRA・GⅠ”という華々しいフレーズとは裏腹に、国内の砂路線を牽引するメンバーが軒並み海外遠征、有力馬ギルデッドミラーが無念の引退とあって非常に寂しい顔ぶれではあるが、残された優駿たちによる意地の走りを期待したいところ。過去10年のデータを参考に馬券戦略を考えていく。
大敗から巻き返す例は多いが……
<フェブラリーS・前走着差別成績>
(1着馬)【6-3-3-25】勝率16.2%/連対率24.3%/複勝率32.4%
0.0~0.2差負け【0-3-3-16】勝率0.0%/連対率13.6%/複勝率27.3%
0.3差以上負け【4-4-4-86】勝率4.1%/連対率8.2%/複勝率12.2%
※過去10年、前走取消【0-0-0-1】
過去10年のフェブラリーSでは前走勝ち馬が6勝、敗戦した馬が4勝とほぼ五分の成績。それぞれについて内訳を確認していく。
前走勝ち馬は複勝率3割超えと安定感があり、好走は全て7番人気以内。7番人気以内で【6-3-3-15】複勝率44.4%、単勝回収率111%、2番人気以内では【4-2-2-2】複勝率80.0%。凡走した2018年2番人気12着テイエムジンソクはこのレースが初めてのマイル戦、2022年1番人気4着レッドルゼルは前年の同レース4着、どちらもこの距離に実績がなかった。武蔵野S2着のあるレモンポップはプロフィール的に十分信頼できそうだ。
着差0.0~0.2秒と僅差で敗れた馬は勝利こそないものの、前走1着馬に迫る複勝率を記録。馬券圏内6回はいずれも前走ダートの2着馬で(【0-3-3-7】複勝率46.2%)、2019年3着ユラノトを除く好走5頭は既にGⅠ(JpnⅠ)か東京ダ1600mの重賞レースを制していた。全日本2歳優駿勝ちで条件を満たすドライスタウトも評価を落とせない。
0.3秒差以上の敗戦を喫していた馬は複勝率こそ1割強にとどまるが、4勝2着4回は無視できない数字。直近ではカフェファラオが前走で馬柱を汚しながら連覇を達成しており、馬券のキモはここにありそうだ。ここの前走距離別では1400m以下が【0-0-0-38】と全滅しており、該当7頭は基本的に下げたい。残るメイショウハリオ、ショウナンナデシコ、ソリストサンダー、オーヴェルニュがヒモの有力候補となるだろう。
メンバーレベル低調、凡走のイメージが湧かない
◎レモンポップ
確かな先行力と決め手を高いレベルで兼備し、通算【7-3-0-0】という抜群の安定感を誇る5歳牡馬。キャリア10戦中8戦で経験した東京コースはまさにホームグラウンドといえる。
過去10年、前走で根岸Sを勝っていた馬は【3-1-1-3】。このうちダート1600m戦の重賞で馬券に入った経験があれば全て馬券圏内。武蔵野S2着の実績から信頼できる軸馬だ。最大のライバルだったギルデッドミラーが引退し、純粋な脚力でこの馬に対抗できる相手が非常に少ない。1600mはベストではないが、このメンバーレベルで連を外すイメージは湧かない。
◯ドライスタウト
オキザリス賞を1分23秒4という東京ダ1400m(稍重)の2歳戦としては史上最速タイムで勝ち、返す刀で挑んだ全日本2歳優駿を圧勝。唯一右回りだった兵庫CSのみ崩れたが、この一戦を除くと【4-1-0-0】とこちらも優秀だ。前走のすばるSでは2着に敗れたが、直線で勝ち馬バトルクライに蓋をされて追い出しが遅れ、残り300mから猛追したもののクビ差届かず、という強い内容。根岸Sで3着だった同馬を物差しにすれば十分上位争いが可能だろう。継続騎乗となる戸崎圭太騎手の手綱さばきにも注目したい。
▲ソリストサンダー
昨年のフェブラリーS4着馬。4角3番手以内だった3頭が馬券圏内を独占する中、5番手からソダシにクビ差及ばずも頑張りを見せた。武蔵野Sで1勝2着1回、かしわ記念2着2回、南部杯3着1回とマイルでは堅実ぶりが際立つ。前走の南部杯こそ大敗したが、短距離質の馬が上位に食い込む結果から、超高速馬場への適性による負けと片付けてよいだろう。
明け8歳馬だが、一昨年に8歳だったエアスピネル、ワンダーリーデルが揃って好走、2018年にインカンテーションが3着になるなど、GⅠにしてはベテラン勢にもチャンスがあるレース。メンバーレベルは昨年より2枚ほど落ちており、昨年以上の着順を見込んでよいだろう。
以下ケイアイターコイズ、メイショウハリオ、根岸S組だがすばるSの内容を評価してセキフウに印を回す。馬券は◎、◯を1、2着に固定、3着に▲以下を塗った3連単フォーメーションとする。
▽フェブラリーS予想▽
◎レモンポップ
◯ドライスタウト
▲ソリストサンダー
△ケイアイターコイズ
×メイショウハリオ
×セキフウ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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