【小倉大賞典】好走候補はコース巧者カテドラルと勢いに乗るウイングレイテスト 穴なら7歳以上のベテラン勢

勝木淳

小倉大賞典、アイキャッチ,ⒸSPAIA

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ベテラン勢の複穴に注意

小倉大賞典は2013年、土曜重賞からGⅠフェブラリーS当日日曜メインに移された。つまりこれから紹介するデータはすべてフェブラリーSの裏開催にあたる。勝ち馬は6、1、3、2、4、1、3、4、11、1番人気で、3連単の平均配当は150,656円。単勝から大荒れという年は多くないが、3連系は波乱傾向にある。とかく堅めの決着が多いフェブラリーSより馬券妙味はこちらにあり、馬券好きにとってGⅠの裏にこういった食指が動くローカル重賞が設定されているのはありがたい。もっとも的中しなければ同じだが、馬券ライフには希望が多いに越したことはない。データは過去10年分を使用する。

小倉大賞典、人気別成績,ⒸSPAIA


まずは人気別成績から。1番人気は【3-2-0-5】勝率30.0%、複勝率50.0%で好凡走は半々。勝利した3頭はいずれも3勝クラスを勝ったばかりの上がり馬だった。似たプロフィールの馬が1番人気に支持されるようなら狙っていい。以下は混戦で、8番人気【0-2-1-7】(複勝率30.0%)以内はどの馬もチャンスがある。大穴の10番人気以下は【1-2-3-59】勝率1.5%、複勝率9.2%なので、馬券のどこかに忍ばせておきたい。

小倉大賞典、年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別成績はわかりやすく、4歳【4-1-1-18】勝率16.7%、複勝率25.0%が優勢で、5歳【3-2-5-31】勝率7.3%、複勝率24.4%、6歳【2-3-0-34】勝率5.1%、複勝率12.8%と続き、7歳以上は【1-4-4-42】勝率2.0%、複勝率17.6%。3着以内にきた7歳以上は11、6、6、8、4、14、10、11、8番人気で、ベテラン勢は穴で狙える。


盲点になるならおいしいカテドラル

穴はベテラン勢というひとつのヒントを得たところで、ここから前走クラスを中心に好走馬を絞っていく。

小倉大賞典、前走クラス別成績,ⒸSPAIA


まず前走GⅠは【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%。ホウオウエミーズの前走エリザベス女王杯は【0-1-0-1】で、22年ランブリングアレーがエリザベス女王杯9着から3番人気2着と好走した。ホウオウエミーズは道悪を味方にエリザベス女王杯7着なので、ここも馬場状態はカギだろう。

次に前走GⅡ【1-3-3-15】勝率4.5%、複勝率31.8%について。ここはプライドランドの日経新春杯が【0-2-1-7】複勝率30.0%。着順内訳は4、5着【0-1-1-1】、6~9着【0-0-0-3】、10着以下【0-1-0-3】。8着だったプライドランドは小倉実績も乏しく微妙だ。

小倉大賞典、前走GⅢ・レース別成績,ⒸSPAIA


好走も多いが、出走数も多く絞りにくいのが前走GⅢ【4-4-5-69】勝率4.9%、複勝率15.9%。その内訳から中山金杯【3-1-1-21】勝率11.5%、複勝率19.2%に注目しよう。今年は6着レッドランメルトが該当する。ここは6着以下【3-0-1-16】勝率15.0%、複勝率20.0%なので、レッドランメルトはクリアする。札幌、中山芝1800mで3連勝し、オープン入りしただけに小倉芝1800mは条件好転だ。

中山金杯に限らず、前走GⅢ全体も5着以内【1-2-1-17】、6着以下【3-2-4-51】で掲示板外だった馬の巻き返しが多い。ヒンドゥタイムズ、アルサトワ、カテドラルらベテラン勢も注意したい。なかでもカテドラルは小倉芝1800mの中京記念で2年連続2着とコース巧者だ。

小倉大賞典、前走オープン・L・距離別成績,ⒸSPAIA


前走オープン・L【1-1-1-22】勝率4.0%、複勝率12.0%は距離で傾向をつかむ。同じ1800mは【0-0-0-7】、1800m超の短縮【0-0-1-11】、1800m未満の延長【1-1-0-4】。ニューイヤーSを逃げ切ったウイングレイテストや同7着インテンスライト、リゲルS3着フォルコメンが浮上する。ウイングレイテストは前後半800m47.4-45.8のスローを逃げ切ったが、今回はレッドベルオーブとの兼ね合いが鍵。マイペースで運べるかどうか。なお短縮は白富士S5着サトノエルドール、7着スーパーフェザーが該当する。

小倉大賞典、前走3勝クラス・距離別成績,ⒸSPAIA


最後に3勝クラス【3-0-0-11】勝率、複勝率21.4%だが、登録は長篠S2着のトーホウディアス1頭だけ。こちらは前走1800m未満の延長【0-0-0-3】で、慎重な評価に留めたい。

小倉大賞典のデータ,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。

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