【京都記念】スローペースと開幕週が勝負を分ける 京大競馬研の本命はエフフォーリア

京都大学競馬研究会

京都記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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豪華メンバー集結

2月12日(日)に京都記念(GⅡ・芝2200m)が阪神競馬場で行われる。昨年は12番人気アフリカンゴールドが逃げ切り、2着には8番人気タガノディアマンテが入る荒れ模様のレースとなった。今年はいつも以上に豪華なメンバーが揃い、ドウデュース、エフフォーリア、キラーアビリティのGⅠ馬3頭が共演する。以下では過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。


レースの展開を左右するユニコーンライオンの逃げ

ユニコーンライオン逃げラップ構成,ⒸSPAIA


今回はユニコーンライオンが逃げる展開と想定して、同馬がこれまで逃げてきた5レースについて前後半5Fタイムとラップを調べた。

まず前々走の福島記念(福島芝2000m)について。前後半59.4-60.8、1.4秒の前傾ラップを刻んでおり、程度に差はあるがパンサラッサのような逃げを打っている。ただ、このようなラップになった理由としては、シャムロックヒルやロザムール、ベレヌスなど他の逃げ馬との争いを600m前後までしていたことが大きく、パンサラッサのように自発的にハイペースを作ったわけではないことに注意したい。

福島記念以外の4レース(21年鳴尾記念、21年宝塚記念、22年京都大賞典、22年ジャパンC)は、福島記念とは異なり後傾ラップとなっている。まず一昨年の鳴尾記念(中京芝2000m)は前半5F62.9秒、序盤に2度1F13秒台を刻むペースで進め、ラスト4F全てが12.0秒を切る典型的なスローペース。一昨年の宝塚記念(阪神芝2200m)はGⅠにしては先行馬が少ないメンバー構成もあって、良馬場で前半5F60.0秒という比較的遅い逃げを打ち、前後半5Fでは1.5秒の後傾ラップとなった。重馬場の同コースで行われた昨年エリザベス女王杯が前半5F60.3秒、0.1秒の前傾ラップであり、これを比較対象にするといかに緩いペースかが分かりやすい。

昨年の京都大賞典(阪神芝2400m)は前半5F60.7秒。数字上はそこまでスローには見えないが、出ムチを使ってまで先行しようとしたアフリカンゴールドとのハナ争いで2F目のペースが11.2秒と速くなっただけで、その後は1600m通過まで12秒台のラップであった。前走のジャパンC(東京芝2400m)ではすんなりとハナを取り、これまで同様に400~1600m区間は12秒台のラップを刻む、やはりスローな逃げを打っている。

今回はアフリカンゴールドやキングオブドラゴンといった馬もいるが、近走の出脚などを見ればユニコーンライオンが逃げるだろう。ここまで見てきたレースの逃げ方と、状態面、距離適性的に少し長そうな2200mであることなどからスロー逃げが濃厚だ。仮にこの馬が逃げられなくても、他の2頭も同様の逃げ方をするタイプなので、緩いペースにマッチする馬を選んでいきたい。

ユニコーンライオンが逃げたレースのラップタイム,ⒸSPAIA


スローペースと開幕週にマッチする馬を

◎エフフォーリア
前走有馬記念は先行馬にとってはかなり厳しい展開になりながら、道中4・5番手で競馬を進めて5着。決して弱い内容ではなかった。この馬が最後にいい状態で走れたのは2021年の天皇賞(秋)で、続く有馬記念もかなり強い勝ち方をしたが、状態は8割前後であった。陣営も明らかにしているが、昨年の大阪杯、宝塚記念は状態がかなり悪く追走にすら苦労していたので、惨敗も仕方ないといえる。

昨年の有馬記念では21年有馬記念と同じくらいの状態にまで戻り、しっかりと先行して追走することができた。状態が昨年の春よりも良くなっているのは間違いない。馬体重は以前より増えているが、良くも悪くも馬がパワー型に変わった印象で、タフかつ上がりがかかりやすい阪神芝2200mコースはフィットする。全盛期ほど強い競馬はできないかもしれないが、それでも先行しながらそれなりに速い上がりを使えることは間違いないので、ユニコーンライオンの作るスローペースと前残りが起こりやすい開幕週という条件はかなりプラス。なお、輸送を不安視する声もあるが、昨春の敗因はそれよりも状態面の問題が大きかったと見ているので、輸送や馬体重が原因で人気が落ちるならむしろ狙い目だ。

◯プラダリア
前走は不向きな道悪ながら上がり最速の脚を使って3着に入ったことに成長を感じた。菊花賞以外では基本的に中団あたりで競馬ができて、それなりに上がりの脚が使えている。スローペースかつ開幕週という条件では高く評価できる。ダービーでは先行した馬に厳しい展開ながら強敵相手に5着に入っており、強い4歳世代でも地力は上位。鞍上も乗り慣れていて手の合う池添謙一騎手に戻り、勝ち負けも十分可能だ。

▲キラーアビリティ
前走は展開や直線の動き等を見れば、一頭だけレベルの高いレースをしていたのは間違いない。これまでは気性の問題などから2000mが限界という印象を受けたが、精神面での成長も見られるのでこの距離もこなせるはず。前走から状態面の上積みも見られそうだ。

△ウインマイティー
能力は劣るが、内枠とスローな展開、開幕週の馬場はベスト。

×キングオブドラゴン
前走は控える競馬で強敵相手に2着に入ったことを高く評価。開幕週の馬場は合う。

買い目としては、◎から印を打った馬への馬連で勝負する。

▽京都記念予想印▽
◎エフフォーリア
◯プラダリア
▲キラーアビリティ
△ウインマイティー
×キングオブドラゴン

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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