【京成杯】賞金加算でいざクラシックへ! ポイントは前走からの距離変化にあり
勝木淳
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目安はキャリア4戦以内
クラシックへの道はいくつかある。王道はトライアルで出走権獲得だが、トライアルで賞金を加算できず、皐月賞で日本ダービーの優先権をとれないこともある。できるだけ少ない出走数でクラシックを戦う上で、一発勝負の優先権をとって進むのは矛盾を生じることになりかねない。そういった意味で近年はトライアルより賞金加算を重視する方向へシフトしつつある。
本番まで間隔がとれる2歳重賞や非トライアル重賞で賞金を積めれば、一気に日本ダービーまで展望できる。そこで失敗したらトライアルを目指せばいい。プランAからプランBへ。複数プランを選択可能にしておく戦略はマネジメントのトレンドでもある。皐月賞と同舞台で行われる京成杯は厳冬期という時期的な難しさを抱えているが、今後、存在感を増していくのではないだろうか。データは過去10年分を使用する。
1番人気【3-3-0-4】勝率30.0%、複勝率60.0%が少し抜けているが、7番人気【2-2-1-5】勝率20.0%、複勝率50.0%まで横一線。8番人気以下は【0-0-2-70】なので、1~7番人気で決着する可能性が高い。ちょっと幅を広めにとった上位拮抗戦。絞りすぎず、かといって広げすぎないバランス重視で馬券を組み立てよう。
キャリア別成績では、新馬勝ちたての1戦【3-1-3-13】勝率15.0%、複勝率35.0%が好成績。現状はトライアルほど出走メンバーがそろわないので、重賞といっても1勝クラスレベルでも太刀打ちできる。複数キャリアでは3戦【5-5-2-30】勝率11.9%、複勝率28.6%までが目安。5戦以上は【0-0-2-29】複勝率6.5%。
できれば前走2000m出走
キャリア1戦の前走新馬とそれ以外にわけて、さらに好走パターンを絞り込んでみたい。
まず前走新馬は距離でわける。1800m【2-0-1-8】勝率18.2%、複勝率27.3%、2000m【1-1-2-4】勝率12.5%、複勝率50.0%、安定感では距離変化がない2000mだが、1800m新馬を勝った馬は勝ちきる傾向が強い。2勝は19年ラストドラフト4番人気、20年クリスタルブラック7番人気で妙味もある。今年はソールオリエンスが該当する。
キャリア2戦以上の前走クラス別成績で注意したいのは重賞組。前走GⅠ【2-0-0-7】勝率、複勝率22.2%はホープフルS【1-0-0-1】、朝日杯FS【1-0-0-6】。ホープフルSは22年オニャンコポンが11着から巻き返し。朝日杯FSは14年プレイアンドリアルが7着から巻き返した。オニャンコポンは2勝馬、プレイアンドリアルは東京スポーツ杯2歳S2着馬とGⅠ以前に実績があった。イメージとしてはグラニットが近い。ただし、同馬はキャリア5戦で強気に狙いづらい面もある。
GⅡ、GⅢはさほど強調できず、東京スポーツ杯2歳Sは【0-0-0-10】でシルバースペードには気になるデータがある。シルヴァーデュークのデイリー杯2歳Sは過去出走がない。そこまで前走重賞組が優位なレースではない。
次に前走1勝クラス【3-2-3-32】勝率7.5%、複勝率20.0%について距離別成績をみる。1800m【0-0-0-7】含め2000m未満の延長組は【0-0-0-11】と不振。ベゴニア賞を勝ったシャンパンカラーはここに触れる。狙いは同距離2000m【3-2-3-21】勝率10.3%、複勝率27.6%だが、今年は該当馬の登録がない。
最後に前走未勝利【1-4-3-24】勝率3.1%、複勝率25.0%について。ここも2000mだった馬が【1-3-2-18】勝率4.2%、複勝率25.0%とよく、サヴォーナがここに当てはまる。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。
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