【京都金杯】コースデータからテンハッピーローズ、タイムトゥヘヴン　中京の京都金杯は今年も波乱？

2022/12/28 17:00

勝木淳

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この記事のレース

スポニチ賞京都金杯

GⅢ

1月5日(木)　中京11R

2年連続ふた桁人気馬が馬券圏内

関西圏の年はじめは今年も中京で幕開け。4月京都グランドオープンまでもう少し変則開催は続く。厳冬をなんとか耐え抜き、春を元気に迎えたいものだ。

中京の京都金杯はここまで2年間で、3着まで12、2、14番人気と7、11、2番人気で波乱傾向。3着以内の顔ぶれはケイデンスコール、ピースワンパラディ、ザダル、ダイワキャグニーなどサウスポーがズラリ。今年も左回り巧者がひとつのポイントになる。データは2012年以降、中京芝1600m、古馬オープン＆重賞13レースを使用。コースデータから好走候補を探す。

人気別成績,ⒸSPAIA

京都金杯も波乱気味だが、中京マイル重賞は中京記念もあり、大穴警報が発令するケースが多い。

1番人気は【1-1-2-9】勝率7.7%、複勝率30.8%でわずか1勝。2番人気に至っては【0-3-1-9】複勝率30.8%で勝利なし。7番人気【3-0-0-10】勝率、複勝率23.1%など単勝から穴狙いも有効。10番人気以下は【1-4-2-80】勝率1.1%、複勝率8.0%で、中穴から大穴もいける。

上がり3ハロン別成績,ⒸSPAIA

波乱傾向を頭に入れつつも、もう少し絞る材料がほしい。そこで上がり3ハロン別成績をみる。上がり1位は【6-1-2-6】勝率40.0%、複勝率60.0%で抜けている。左回りで急坂のある中京という舞台で上がり最速を叩き出せそうな馬を探そう。左回りで決め手鋭いピースワンパラディやタイムトゥヘヴンは面白そうだ。

種牡馬別成績,ⒸSPAIA

種牡馬の傾向はマイル戦らしくロードカナロア【3-0-2-6】勝率27.3%、複勝率45.5%、ディープインパクト【2-0-4-15】勝率9.5%、複勝率28.6%が質量ともに好成績。21年京都金杯を勝ったケイデンスコールもロードカナロア産駒で、今年はタイムトゥヘヴンやカイザーミノルが出走予定。

一方でロードカナロアの父キングカメハメハ【0-4-0-12】複勝率25.0%やハーツクライ【0-1-1-9】複勝率18.2%、ダイワメジャー【0-0-1-10】複勝率9.1%、ハービンジャー【0-0-0-2】など気になる数字もある。

ケイデンスコールと重なるテンハッピーローズ

上位人気候補にはやや厳しいデータが続いたが、前走成績はどうだろうか。距離に注目して出走予定馬を分析していく。

前走距離別成績,ⒸSPAIA

前走距離を比較すると、同じマイル戦は【5-8-8-71】勝率5.4%、複勝率22.8%で2、3着が多く、1600m未満からの延長が【6-3-2-48】勝率10.2%、複勝率18.6%と勝ちきる傾向にある。なお、短縮は【2-2-3-46】勝率3.8%、複勝率13.2%。

延長は前走芝1400mが【6-3-2-33】勝率13.6%、複勝率25.0%で、好走すべてはここにあたる。その着順内訳では1着【2-0-1-7】勝率20.0%、複勝率30.0%と6～9着【2-1-1-6】勝率20.0%、複勝率40.0%が狙い。一昨年のケイデンスコールは前走オーロC6着から巻き返した。今年は同じく前走オーロC6着テンハッピーローズが該当する。マイル重賞は3歳チューリップ賞10着以来だが、オープン昇級後は1400m4、2、6着。中京に良績こそないが、7走連続左回り出走中で、ケイデンスコールと重なる部分もある。

同距離の前走芝1600mは【5-7-8-69】勝率5.6%、複勝率22.5%。こちらも前走勝利がいいが、6～9着【2-2-1-16】勝率9.5%、複勝率23.8%、10着以下【1-3-3-23】勝率3.3%、複勝率23.3%も好成績で、昨年の勝ち馬ザダルもここにあたる（関屋記念8着）。今年はマイルCS7着エアロロノア、富士S6着ピースワンパラディ、キャピタルS8着タイムトゥヘヴンなど穴っぽい馬が多い。

最後に短縮のうち、前走芝2000m【1-1-1-13】勝率6.3%、複勝率18.8%について。ここも買うなら負けてきた馬で、前走6着以下は【1-1-1-9】勝率8.3%、複勝率25.0%。秋華賞9着プレサージュリフトは無視できない。マイルは桜花賞11着以来の出走だが、その前は新馬、クイーンC連勝。適距離に戻ったともいえる。ポイントは中京の急坂をこなせるか否かだろう。

ライタープロフィール
勝木淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』（中央競馬ピーアール・センター）にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説　世紀末覇王とライバルたち』『競馬伝説の名勝負 GⅠベストレース』（星海社新書）に寄稿。