SPAIA競馬
トップ>ニュース>【有馬記念】似た適性を問うGⅠでの好走歴が必要 京大競馬研はタイトルホルダーに夢を託す

【有馬記念】似た適性を問うGⅠでの好走歴が必要 京大競馬研はタイトルホルダーに夢を託す

2022/12/24 06:00
京都大学競馬研究会
有馬記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

注目馬揃うグランプリ

12月25日(日)に有馬記念(GⅠ・芝2500m)が中山競馬場で行われる。昨年は天皇賞(秋)を制したエフフォーリアが勢いそのまま勝利し、年度代表馬の座を掴んだ。今年はそのエフフォーリアに加え、天皇賞(春)、宝塚記念を制したタイトルホルダー、天皇賞(秋)を制したイクイノックス、ジャパンCを快勝したヴェラアズールなど注目の馬が揃った。以下では、過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。


GⅠ実績が活きる

過去10年有馬記念GⅠ実績別成績,ⒸSPAIA


過去10年の有馬記念において、それまでに平地GⅠで馬券圏内の経験があった馬は【9-9-10-81】、勝率8.3%、連対率16.5%、複勝率25.7%となっている。これに対して、馬券圏内の経験がなかった馬は【1-1-0-49】で勝率2.0%、連対率3.9%、複勝率3.9%と振るわない。馬券に入ったのは2018年1着ブラストワンピース、2012年2着オーシャンブルーのみだが、前者はダービー5着と菊花賞4着と一定の実績はあった。したがってGⅠでの実績が全くなかったのは1頭のみであり、今回もGⅠで好走実績がない馬の評価は大きく下げたい。

以下、GⅠ実績があった馬からさらに傾向を分析していく。


有馬記念と似たGⅠでの好走歴が必要

過去10年有馬記念好走馬GⅠ実績,ⒸSPAIA


有馬記念で馬券内に入った馬がどのようなGⅠ実績を持っていたのか調べた。なかでも、ホープフルS、皐月賞、エリザベス女王杯(阪神開催)、宝塚記念、天皇賞(春)、菊花賞、(前年までの)有馬記念での実績に注目する。

これらのGⅠでの実績に着目する理由としては、ホープフルS、皐月賞は同じ中山での中距離レースという点、エリザベス女王杯(阪神開催)と宝塚記念は小回りかつ右回り、坂のあるコース、2200m戦で有馬記念に似た適性が要求される点、そして天皇賞(春)と菊花賞も瞬発力よりタフさが要求される側面にリンクが認められるためだ。

先述したように、過去10年の好走馬のうち、ブラストワンピース、オーシャンブルーの2頭を除いた28頭はGⅠでの馬券内経験がある。その中でも、先述した7つのGⅠで馬券内に入ったことがないのは、2018年2着レイデオロ(ホープフルSは当時GⅡ)、2017年2着クイーンズリングのみ。残る26頭はこの7つのGⅠいずれかで好走実績を有していた。

GⅠ実績があったにも関わらず馬券外に沈んだ人気馬の中には、これらのGⅠで実績を有していなかった馬も多い。2020年3番人気5着のカレンブーケドール、2019年1番人気9着のアーモンドアイ、2018年4番人気8着のモズカッチャン、2014年5番人気13着のワンアンドオンリー、2012年4番人気6着のダークシャドウなどがいる。

今年はヴェラアズールに実績がなく、この馬の評価は下げたい。逆に条件をクリアするのはアカイイト、ボルドグフーシュ、アリストテレス、ジェラルディーナ、エフフォーリア、イクイノックス、ジャスティンパレス、タイトルホルダー、ディープボンドの9頭。印は該当馬を中心にして考えたい。


条件を満たす馬から

以下の予想は先週の馬場傾向などを鑑みて、内外で大きな有利不利がないことを前提としている。

◎タイトルホルダー
実績については改めて説明するまでもないが、菊花賞、天皇賞(春)、宝塚記念をそれぞれ制している。特に宝塚記念は馬場がイン有利であったとはいえ、パンサラッサが引っ張って先行馬にはかなり厳しいレースとなった中、後続を突き放す勝ち方。中長距離では国内トップであることを証明したような一戦になった。

昨年の有馬記念は5着に敗れているものの、大外枠、2週前追い切りで放馬のアクシデント、先行馬には厳しい展開という条件の中であったことを踏まえれば十分評価でき、成長した現在であれば昨年以上の着順が期待できる。中山への適性を疑問視する声もあるが、日経賞は怪我明けの調整レースかつ、適条件とは言えない道悪であったもの。凱旋門賞明けは決してプラスではないが、状態的には宝塚記念と同じくらいかそれより少し落ちる程度。7枠13番はギリギリ許容範囲といった感じだが、他の有力な先行馬がこの馬より外にいるという並び自体はプラスで、すんなり前に行けそうなのは好材料だ。

◯エフフォーリア
昨年の勝ち馬。最大の焦点である状態面に関しては陣営の発言は基本的に一貫している。昨年の天皇賞(秋)を100として、かなり強い勝ち方をした昨年の有馬記念ですらそこから1段階以上落ちた状態、今年の春はそれよりもさらに悪い状態であった。一方、現在は天皇賞(秋)程の状態ではないが、昨年の有馬記念ぐらいの状態にはある、といったニュアンスだ。

馬自体は良くも悪くも別のタイプの馬になっている印象で、3歳のような瞬発力は感じられないが、以前よりも力強さは出ていて、冬の中山は条件的に向きそう。課題の前進気勢も春よりは大分マシになっているので、輸送やコース適性、ペースなどを加味すれば春以上の走りは出来るだろう。ボルドグフーシュやヴェラアズール、ジェラルディーナより人気が下の可能性もあり、狙う価値は十分ある。

▲ジャスティンパレス
ホープフルS2着、菊花賞3着と、実績面の条件は満たす。菊花賞は8枠という事もあり、1・2着馬に比べてロスの多い競馬で、かつスタミナ面でも差があったことで3着に敗れてしまったが、能力の高さを証明するレースにはなった。神戸新聞杯を見る限り、3000mよりは2500mが合いそうなので、この距離短縮はプラス。枠も騎手も追い切りもどれもいいので、ここは期待。

△イクイノックス
能力は高いが、積極的に買いたい人気ではない。

×ボルドグフーシュ
状態は良さそうだが、枠と鞍上で妙味はなさそう。

×ジェラルディーナ
内枠はいい。馬場の恩恵は欲しい。

買い目としては、◎-◯▲△×の3連複流しで勝負する。

▽有馬記念予想印▽
◎タイトルホルダー
◯エフフォーリア
▲ジャスティンパレス
△イクイノックス
×ボルドグフーシュ
×ジェラルディーナ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



《関連記事》
【有馬記念】夢のオールスター集結 有馬は「宝塚記念」と「天皇賞(秋)」の勝ち馬が強い!
【有馬記念】参考レース振り返り 天皇賞(秋)勝ちイクイノックスと好データの菊花賞組
【有馬記念】過去10年勝ち馬すべて前走4着以内! タイトルホルダー、エフフォーリアは覆せるか