【有馬記念】エフフォーリアもタイトルホルダーも消し!? ハイブリッド式消去法で浮上した3頭とは

八木遊

過去10年の有馬記念『4歳以上』かつ『母父SS系』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『朝日杯FS』は最終的に6頭が消去を免れ、上位を占めた3頭が最後まで残っていた。ところが、本命に指名したのはエンファサイズ。大外17番枠を引いた時点で変更も考えたが、初志貫徹が悪い方に出てしまった。

今週はいよいよ暮れの風物詩『有馬記念』。今週も過去10年のデータを対象に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。いつも通り特別登録がある16頭を対象に進めていきたい。

『4歳以上』×『母父サンデーサイレンス系』★0.0%★

まず取り上げたいのは年齢別データ。過去10年で最も複勝率が高かった年齢は3歳で、【4-2-2-16】(複勝率33.3%)。4歳以上【6-8-8-114】(同16.2%)の2倍超にも上った。4歳以上の馬のうち、【0-0-0-27】(同0.0%)と大苦戦しているのが、母の父がサンデーサイレンス系の馬だった。1つ目はこのデータを採用する。

今年この条件に当てはまったのは5頭。そのうちの1頭が昨年の覇者エフフォーリアだった。半年ぶりのレースで復活は厳しいとみて迷うことなく消去する。

【今年の該当馬】
・アリストテレス
・エフフォーリア
・ジェラルディーナ
・ボッケリーニ
・ラストドラフト

『非社台系生産』×『父ミスタープロスペクター系』★0.0%★

続いては生産者別データから、社台系以外の牧場で生産されたいわゆる「非社台系」生産馬を取り上げたい。過去10年の成績は【3-2-4-51】(複勝率15.0%)とやや苦戦傾向にあった。特に振るわなかったのは、父ミスタープロスペクター系で、その成績は【0-0-0-16】(同0.0%)と1頭も馬券に絡んでいなかった。

今年この条件に当てはまったのは1頭だけ。昨年5着に敗れたタイトルホルダーだ。1番人気の可能性もある有力馬だが、高配当を期待して消去する。

【今年の該当馬】
・タイトルホルダー

『前走4番人気以下』×『前走上がり4位以下』★3.1%★

3つ目は前走の人気順と上がり時計の組み合わせで複勝率10%未満のデータを探した(※人気・上がりデータのない前走海外組は除外)。行き着いたのは前走4番人気以下で、上がり4位以下だった馬。65頭がこれに該当したが、【0-2-0-63】(複勝率3.1%)と好走する確率は低かった。

今年は6頭がこの条件に当てはまったが、うち2頭はすでに消去済み。新たにブレークアップ、ポタジェなど4頭を消去する。

【今年の該当馬】
・(アリストテレス)
・イズジョーノキセキ
・ウインマイティー
・ブレークアップ
・(ボッケリーニ)
・ポタジェ

『前走で人気より上の着順』×『前走から距離±200m以内』★5.7%★

4つ目のデータは前走で人気より上の着順に好走していた馬をピックアップ。過去10年の成績は【1-5-5-62】(複勝率15.1%)で、勝ったのは昨年のエフフォーリアだけだった。これに掛け合わせるのは前走からの距離変動データ。前走からの距離変動が200m以内のデータを掛け合わせると、【0-0-2-33】(同5.7%)と複勝率はほぼ3分の1まで下がった。

今年このデータに当てはまったのは2頭。ブレークアップはすでに消去されており、新たにジャパンC覇者のヴェラアズールが消えた。

【今年の該当馬】
・(ブレークアップ)
・ヴェラアズール

『前走4角7番手以下』×『今回1枠 or 8枠』★0.0%★

4つのデータを終えて、登録がある16頭のうち11頭を消去した。残る5頭の取捨は前走4角通過順と今回枠順の組み合わせに委ねたい。取り上げたデータは前走4角7番手以下で今回1枠か8枠に入った馬だ。これに当てはまった馬は過去10年で16頭いたが、全て4着以下に消えている。

残った5頭のうち、前走4角7番手以下だったのはアカイイトとイクイノックスの2頭。内(1枠)か外(8枠)の極端なところに入った時は消去する。

【今年の該当候補】
・アカイイト
・イクイノックス

全ての条件を終えて確実に残るのは、ジャスティンパレス、ディープボンド、ボルドグフーシュの3頭。いずれも人気の盲点となりそうな伏兵馬だ。アカイイトとイクイノックスの取捨にかかわらず、3頭のワイドボックスは押さえておきたい。最終追い切り、枠順、当日の気配など他のファクターも吟味した上で、この3頭の中から本命を選ぶつもりだ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。単複ワイドに絞った今年の回収率は66.8%(12月18日現在)。

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