【朝日杯FS】ビッグレッドファームがドバイで見出した大器 東大HCの本命はレイベリング

ⒸSPAIA
2歳マイル王決定戦
今週日曜は阪神芝1600mを舞台に、GⅠ・朝日杯FSが行われる。同コースのデイリー杯2歳Sを逃げ切ったオールパルフェ、2着に敗れたものの豪脚を披露したダノンタッチダウン、サウジアラビアRCを好時計で勝ったドルチェモア、人気薄ながら京王杯2歳Sを制したオオバンブルマイなど、2歳マイル王を目指す素質馬たちが出揃った。
昨年の勝ち馬ドウデュースは今年の日本ダービーを制覇し、朝日杯FS(前身含む)勝ち馬としては1994年ナリタブライアン以来28年ぶりに世代の頂点に立った。各馬が将来進む路線は分かれていくとも、輝かしい未来を想像させる走りに期待したい。今週も過去のデータを分析し、馬券戦略を考えていく。
「前走東京芝マイル勝ち」がアツい

<過去8年の朝日杯FS・前走勝ち馬・条件別成績>
全体成績【8-5-6-50】勝率11.6%/連対率18.8%/複勝率27.5%
前走芝1600m【5-3-3-14】勝率20.0%/連対率32.0%/複勝率44.0%
それ以外【3-2-3-36】勝率6.8%/連対率11.4%/複勝率18.2%
※前走2着以下【0-3-2-56】複勝率8.2%
阪神外回りコースでの施行となった2014年以降、勝ち馬8頭は全て前走を勝っていた。8レース全てで前走1着馬が2頭以上馬券に絡んでおり、目下3年連続でワンツースリーを独占。まずはここから好走候補を探していきたい。
はじめに前走芝1600mで勝利していた馬の好走率が高い点に注目。特に6番人気以内に限ると【5-3-3-5】複勝率68.6%、単勝回収率173%、複勝回収率110%と、安定感と妙味を兼ね備える。
このうち前走が東京だった馬は【4-1-2-0】のパーフェクト。内訳はサウジアラビアロイヤルC(前身のいちょうSを含む)【2-1-2-0】、ベゴニア賞【2-0-0-0】となっており、重賞組はもちろんのこと、条件戦組も好成績。力量がフルに問われやすい東京コースでの勝ちっぷりが本番につながっている。今年はドルチェモアとレイベリングがこのデータに合致しそうだ。
前走マイル以外で勝った馬も8頭が馬券に絡んでおり無視できない存在。その8頭中7頭が前走で上がり3ハロン最速をマーク。今年はコーパスクリスティ1頭が条件をクリアしている。
前走2着以下だった馬は勝利がなく、当然ながら好走率も平凡。ここから巻き返したのは前走重賞組だけで、2014年2着アルマワイオリ、2016年3着ボンセルヴィーソ、2017年2着ステルヴィオなどマイル重賞からの臨戦となる馬が結果を出している。ダノンタッチダウンには印を回しておきたい。
天国の総帥へ届け
◎レイベリング
ジャパンCウィークの東京芝マイルから始動し、前半3F36秒9のドスローを中団で待機、直線は大外に持ち出すと凄まじい末脚で圧勝。勝ちタイム1分35秒4は平凡そのものだが、上がり3F33秒1は素晴らしい数字だった。過去、東京芝の2歳戦で上がり3F33秒1以下をマークして勝った馬は16頭いるが、このうち上がり2位とのタイム差が0秒7以上だった馬は他にサリオスとダノンベルーガしかいない。朝日杯FS勝ち馬、3歳で豪華メンバーの天皇賞(秋)3着の実力馬と同等の数字だ。
ビッグレッドファームがドバイブリーズアップセールで見出したマル外、故・岡田繁幸総帥から受け継がれたロマン戦略がついに実を結ぶかに思われる大器の出現。中2週、初輸送、初の右回り、ハイペースへの対応など未知数の部分は多いが、このメンバーなら突き抜けてなんら不思議はない。
◯ダノンタッチダウン
ホープフルS勝ち馬で、先週の香港Cでも2着に入ったダノンザキッドの半弟。セレクトセールで2億6400万の値がついた大物候補らしく、中京芝マイルの新馬戦では中団から突き抜けて快勝。上がり3ハロン最速の33秒6は同2位より0秒7も速かった。
デイリー杯2歳Sは上がり33秒1、走破タイム1分33秒3を記録。過去、阪神芝マイル戦で上がり33秒1以内をマークした馬は11頭いるが、ほぼすべてがドスローで、ダノンタッチダウンを除く最速の走破タイムが1分34秒8。段違いの数字面は現時点での完成度の高さをうかがわせる。地元の関西勢のうち、同コースを経験しているというストロングポイントをもって相手筆頭としたい。
▲ドルチェモア
桜花賞馬アユサンの子。札幌芝1500mの新馬戦は凡百の逃げ切りといった内容で特に強調点はなかったが、前走のサウジアラビアRCは逃げるグラニットを行かせて番手から長くいい脚を使っての快勝。パフォーマンスの向上が著しく、新馬戦から8kg絞ったことで本来の姿になった可能性もある。前述した前走東京芝1600m勝ちの好データにも合致し、この大舞台でも堅実に結果を出してきそうだ。
以下コーパスクリスティ、また好走データには合致しないもののティニアにも印を回す。馬券は◎から印に流す馬連とする。
▽朝日杯FS予想▽
◎レイベリング
◯ダノンタッチダウン
▲ドルチェモア
△コーパスクリスティ
×ティニア
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
《関連記事》
・【朝日杯FS】先週のシンリョクカに続け! ハイブリッド式消去法の狙いは「キャリア1戦」の伏兵
・【朝日杯FS】Cアナライズからはドルチェモアを推奨! 前走着順や人気など複数の好走データに合致
・【朝日杯FS】母も制した阪神マイル ドルチェモア無傷で頂点へ
