【朝日杯FS】先週のシンリョクカに続け! ハイブリッド式消去法の狙いは「キャリア1戦」の伏兵
八木遊
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5つのデータから絞れた馬は?
先週の『阪神JF』は単騎逃げを見込んでサンティーテソーロで勝負した。好発を決めてハナを切ったまでは良かったが、如何せんペースが速すぎた。1~2着馬も消去を免れていただけに残念な結果となったが、年間回収率は日曜中山のカペラS的中で何とか踏みとどまった。
今週は日曜の阪神メイン『朝日杯FS』を予想する。2013年までの中山開催時も含めた過去10年のデータを対象に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。条件に当てはまった馬を消去していく。今回は先週走ったシンリョクカを除く18頭を対象に進めていきたい。
『前走が重賞以外』×『前走2着以下』★0.0%★
まずは前走クラスから入りたい。2歳戦とはいえ、やはり重賞レースをステップに駒を進めてきた馬がやや優勢。前走が非重賞レースだった馬の過去10年の成績は【7-1-4-62】(複勝率16.2%)だった。このうち前走が2着以下の馬は【0-0-0-14】(同0.0%)。非重賞レースから参戦する馬は前走1着が絶対条件だ。
今年これに当てはまったのは以下の4頭。いずれも人気薄が予想され、GⅠの舞台では苦戦必至とみていいだろう。まとめて消去したい。
【今年の該当馬】
・キョウエイブリッサ
・スズカダブル
・ティニア
・ロードラディウス
『前走3番人気以下』×『前走時初角2番手以内』★3.6%★
2つ目の消去データは前走人気順に注目。3番人気以下だった馬は【1-5-3-84】(複勝率9.7%)と、この時点で消去対象となる複勝率10%を割り込んでいる。ただし、ハイブリッド式消去法では別のデータを組み合わせて、さらに絞り込みを図る。今回は前走時の初角通過順が2番手以内だった馬を取り上げたい。この2つの組み合わせで、【0-0-1-27】(同3.6%)まで複勝率は下がった。2つ目はこのデータを採用する。
今年この組み合わせで消去対象になったのはウメムスビ、オールパルフェなど先行して結果を残してきた馬。前残りの展開なら怖い存在になり得るが、今年の出走メンバーを見渡すと同型馬が多く、ハナ争いは激化しそう。展開的に不向きとみて、これらの馬をまとめて消す。
【今年の該当馬】
・ウメムスビ
・オールパルフェ
・グラニット
・(スズカダブル)
・フロムダスク
・(ロードラディウス)
『距離延長』×『3月以降生まれ』★3.7%★
3つ目は前走からの距離変動別データで、今回は前走で1600m未満を走っていた距離延長組をピックアップする。過去10年の成績は【1-3-3-64】(複勝率9.9%)とかなり苦戦している。これに誕生月が3月以降の馬を組み合わせると、【0-0-2-52】(同3.7%)まで複勝率が下がった。
今年は6頭がこの条件に当てはまったが、うち4頭はすでに消去済み。新たにコーパスクリスティとミシェラドラータの2頭を消去リスト行きとする。
【今年の該当馬】
・(ウメムスビ)
・(キョウエイブリッサ)
・コーパスクリスティ
・(ティニア)
・(フロムダスク)
・ミシェラドラータ
『前走上がり4位以下』×『非サンデーサイレンス系』★5.6%★
続いては前走時の上がり3ハロン時計に注目した。これがメンバー4位以下だった馬は、過去10年で【1-2-3-57】(複勝率9.5%)。今回これに組み合わせるのは血統データだ。父がサンデーサイレンス(SS)系の馬なら【1-1-2-23】(同14.8%)と、複勝率はやや上昇するが、非SS系の馬は【0-1-1-34】(同5.6%)と凡走する確率が高くなる。
今年は4頭がこのデータに当てはまったが、うち3頭は消去済み。新たに消えるのは京王杯2歳Sを勝ったオオバンブルマイだった。
【今年の該当馬】
・オオバンブルマイ
・(スズカダブル)
・(フロムダスク)
・(ロードラディウス)
『前走時馬体重減』×『今回馬体重減 or 増減なし』★5.9%★
4つのデータを終えて、対象18頭中11頭を消去した。最後は前走時と今回の馬体重増減データの組み合わせで絞り込む。前走時がマイナス馬体重、かつ今回もマイナスもしくは増減なしだった馬は過去10年で17頭いたが【0-0-1-16】、馬券に絡んだのは16年に12番人気で3着に入ったボンセルヴィーソだけだった。
残っている7頭のうち前走時に馬体重を減らしていたのはドルチェモアとニシノベストワンの2頭。もし今回がプラスでなかった場合は消去対象となる。
【今年の該当候補】
・ドルチェモア
・ニシノベストワン
全ての条件を終えて確実に残るのは、エンファサイズ、ダノンタッチダウン、ドンデンガエシ、バグラダス、レイベリングの5頭となった。この中で最も安全な選択肢はダノンタッチダウンだが、敢えて1戦1勝のリアルスティール産駒、エンファサイズを狙い撃つ。デビュー戦は今回と同舞台で後方から差し脚を伸ばして完勝。勝ち時計も秀逸で、キャリア1戦なら人気の盲点となりそう。阪神JFで2着したシンリョクカに続く、1戦1勝・新種牡馬産駒の激走を期待したい。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。単複ワイドに絞った今年の回収率は67.4%(12月11日現在)。
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