【阪神JF】母と姉が敗れたレースでGⅠ獲りだ 東大HCの本命はラヴェル

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阪神JFの前走距離別成績,ⒸSPAIA

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2歳女王決定戦

今週日曜は阪神芝1600mを舞台に、GⅠ・阪神JFが行われる。重要な前哨戦のアルテミスSでワンツーフィニッシュを決めたラヴェル、リバティアイランド、もみじSを圧勝したウンブライル、札幌2歳S覇者ドゥーラ、新潟2歳Sで後方一気を決めたキタウイングなど、2歳女王の座を賭けた一戦に18頭が集結した。

来週の桜花賞まで続く阪神芝1600mの牝馬戦線において力関係を見定める意味でも価値の高い一戦。今週も過去のデータを参考に予想していく。

前走距離別の狙い目を整理

阪神JF・前走芝組距離別成績,ⒸSPAIA


<阪神JF・前走芝組距離別成績>
1400m【4-6-8-101】勝率3.4%/連対率8.4%/複勝率15.1%
1600m【8-9-8-90】勝率7.0%/連対率14.8%/複勝率21.7%
1800m【4-1-0-15】勝率20.0%/連対率25.0%/複勝率25.0%
※2006年以降。前走ダート【0-0-0-9】

阪神外回りコースでの施行となった2006年以降、馬券圏内に入った馬は前走芝1400m、芝1600m、芝1800mのいずれかのローテーションで臨んでいた。今年も各路線から才媛がエントリーしているだけに、それぞれの狙い目を考えていきたい。

まずは前走芝1400m組から。母数が多いため好走率は低調にとどまるものの、昨年も2着にラブリイユアアイズ、3着にウォーターナビレラが食い込み、無視できない存在だ。好走した18頭は全頭が前走1勝クラス以上のレースで1分22秒5以内の走破時計をマーク。ファンタジーSで逃げた馬が強調しにくい点も踏まえ、ブトンドールとウンブライルを残したい。

主役を張る前走芝1600m組については、前走アルテミスS(GⅢ昇格後)の連対馬【4-2-2-5】複勝率61.5%が目を引く。ラヴェル、リバティアイランドの2頭はいずれも重視したい。その他新馬~1勝クラスからの臨戦でも11頭が馬券になっているが、この組は全頭が前走上がり3ハロン3位以内を記録。人気薄濃厚だがシンリョクカを拾っておく。

今年3頭が該当する前走芝1800m組は勝率2割が光り、近年でも2016年1着ソウルスターリング、2018年2着クロノジェネシスなどは翌年の牝馬クラシックでも活躍している。好走した5頭は前走上がり3ハロン2位以内、加えて3着以下に敗れたことがなかった馬。モリアーナのみ検討する。

仁川で泣いた母と姉の分まで

◎ラヴェル
2022年牝馬クラシック世代を代表する未完の大器、ナミュールの妹。活躍を約束されてターフに送り出された小倉芝1800mの新馬戦ではラスト2F11.7-11.3の美しいラップを刻んで快勝した。同コースの2歳戦、11頭以下の少頭数戦を除いたレースで「ラスト2F23秒0以内かつ加速ラップ」の条件をクリアしたのは他にドウデュースとクロノジェネシスしかおらず、GⅠ級の走りだった。前走のアルテミスSでも前半5F60秒0の落ち着いた流れを後方待機から直線だけで撫で切る強い競馬を披露している。

10年前の同レースでは母サンブルエミューズが2番人気8着、昨年も姉ナミュールが1番人気に支持されながら、痛恨の出遅れ、直線で馬場が悪い内に突っ込んでの4着。一族の雪辱を期待したい。

◯リバティアイランド
新馬戦は新潟芝1600mの2歳戦らしくレース上がり3Fが32秒0という典型的なスローからの末脚勝負となったが、持っているエンジンが違うとばかりのキレを繰り出しての差し切り勝ち。上がり3F31秒4はJRA史上最速タイとなるタイム。

アルテミスSではラヴェルの後塵を拝したが、直線で内に閉じ込められるシーンがあり、ギアを上げるタイミングがひとつ遅れた印象。こちらも強い競馬だった。ペースが締まった際の走りが未知数であり一枚下げたが、最大のライバルとしての評価は揺るがない。

▲モリアーナ
数々の名馬を出した6月東京開幕週の芝マイル戦でデビューすると、直線で外を鋭く伸びて快勝。ラスト3F11.2-11.0-11.1はなかなかの数字だ。東京芝マイルの2歳戦でラスト2F22.1秒以内をクリアして勝った馬は歴代で8頭。このうち今年デビューの3頭を除く5頭中4頭が重賞~オープン級まで出世している。

コスモス賞ではジャンプスタートの形となりわずかに立ち遅れたものの、3角から動いていって4角先頭、強気の競馬で勝ち切った。0秒3離したドゥアイズが次走の札幌2歳Sで2着に好走するなど、レースレベルも高かった。スケールでは上位2頭にやや劣るイメージだが侮れない一頭。

以下ウンブライル、ブトンドール、シンリョクカに印を回す。馬券は◎から印に流す馬連とする。

▽阪神JF予想▽
◎ラヴェル
◯リバティアイランド
▲モリアーナ
△ウンブライル
×ブトンドール
×シンリョクカ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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