【阪神JF】ラヴェルとリバティアイランドは枠次第 ハイブリッド式消去法の本命はドゥーラ、ブトンドールら3択!

八木遊

阪神JFの過去10年『キャリア3戦以上』かつ『前走から中3週以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『チャンピオンズC』は、一本被りのテーオーケインズを信頼。枠次第だったシャマルとバーデンヴァイラーが消しとなったため、本命馬の単勝一点で勝負した。ところが好位追走から直線で伸びを欠き、まさかの4着。競馬に絶対はないことを改めて痛感した。

今年も残すところGⅠはあと4つ。今週は日曜の阪神メイン『阪神JF』を予想していく。いつも通り過去10年のデータを対象に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去する。今週は抽選対象の馬を含めて、登録された全29頭をふるいにかけていく。

『ミスタープロスペクター系』×『前走4角3番手以内』★0.0%★

最初の条件は血統データから入りたい。取り上げるのは、父がミスタープロスペクター系の馬。過去10年の成績は【1-2-0-26】(複勝率10.3%)で、複勝率は辛うじて10%を上回っているが、相性がいいとはいえない数字だ。このうち前走4角で3番手以内に位置していた馬は【0-0-0-13】(同0.0%)で、1頭も馬券に絡んでいなかった。

今年この条件に当てはまったのは、札幌2歳S2着のドゥアイズに抽選対象のダンシングニードルとハウピアの2頭を加えた計3頭だった。

【今年の該当馬】
・ダンシングニードル*
・ドゥアイズ
・ハウピア*

『キャリア3戦以上』×『前走から中3週以下』★2.3%★

続いては、2歳戦で重要視したいキャリアに目を付けた。過去10年でキャリア2戦以下の馬は【5-4-5-45】(複勝率23.7%)。一方で、3戦以上の馬は【5-6-5-103】(同13.4%)と複勝率にかなりの差があった。ここで取り上げるのは後者で、『前走から中3週以下』というレース間隔と組み合わせると、該当した計44頭のうち、馬券に絡んだのは14年1着馬のショウナンアデラだけ。【1-0-0-43】(同2.3%)と、他の43頭はことごとく圏外に沈んでいた。

今年この条件に当てはまったのは以下の4頭。いずれも上位馬とは実力差があるとみてバッサリ消去する。

【今年の該当馬】
・(ダンシングニードル*)
・ミスヨコハマ
・ムーンプローブ
・メイショウコギク*

『4月以降生まれ』×『前走時馬体重450kg未満』★3.4%★

続いてのデータは誕生月と前走時の馬体重を組み合わせたもの。具体的には4月以降の生まれで前走時の馬体重が450kgに満たなかった馬だ。この組み合わせは過去10年で29頭いたが、好走したのは15年3着馬のブランボヌールだけだった。

今年はイティネラートル、キタウイング、そして抽選対象のサラサハウプリティの3頭が該当。キタウイングもは重賞ウイナーだが、他の2頭とひとまとめで消去する。

【今年の該当馬】
・イティネラートル
・キタウイング
・サラサハウプリティ*

『前走初角7番手以内』×『前走0秒2差以上で負け』★4.4%★

4つ目のデータは前走時の初角位置取りとそのレースにおける着差を組み合わせてみた。前走時に最初のコーナーを7番手以内で通過していた馬は【8-5-7-105】(複勝率16.0%)で、この時点では好走馬は多数いる。ところが、このうち前走0秒2以上の差で負けていた馬は【0-1-1-43】(同4.4%)と、GⅠの舞台で巻き返す可能性が極めて低い。

今年このデータに当てはまったのは以下の6頭。うち2頭は消去済みで、新たにミシシッピテソーロなど4頭が消去リスト行きとなった。

【今年の該当馬】
・エイムインライフ*
・コンクシェル*
・(ダンシングニードル*)
・マラキナイア*
・ミシシッピテソーロ
・(メイショウコギク*)

『キャリア2戦以下』×『今回馬番12~18番』★0.0%★

4つのデータを終えて、29頭中消去に至ったのは13頭だけ。抽選対象馬が多いとはいえ、最後のデータでかなり絞らないと、収拾がつかなくなりそうだ。

最後の消去データは再びキャリアを見てみる。先述したようにキャリア2戦以下の馬は【5-4-5-45】(複勝率23.7%)と好成績を残している。ただし、枠順次第では凡走の可能性も……。具体的には馬番12番から外に入った時である。この組み合わせの馬は過去10年で【0-0-0-24】と全滅していた。枠順の有利不利がないといわれる阪神芝1600mだが、キャリアの浅い馬に限れば外過ぎるのは割引材料となりそうだ。

残っている16頭のうち、キャリア2戦以下の馬は以下の10頭。1~2番人気が予想されるラヴェルとリバティアイランドもこの中に含まれる。もし12番枠より外の枠に収まった時は消去する。

【今年の該当候補】
・ウンブライル
・シンリョクカ*
・モズメイメイ*
・モリアーナ
・ユリーシャ*
・ライトクオンタム*
・ラヴェル
・リバティアイランド
・ルミノメテオール*
・ヴィエンヌ*

5つの条件を終えて、確実に残るのは、アリスヴェリテ*、アロマデローサ、サンティーテソーロ、ドゥーラ、ブトンドール、リバーラの6頭となった。抽選対象の馬が多く、レース展開は読みづらいが、もしサンティーテソーロの単騎逃げが見込めるメンバーと枠の並びになれば、この馬が本命の筆頭候補。もし逃げ馬がそろった時は鋭い決め手を持つドゥーラとブトンドールのいずれかを軸に考えたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。単複ワイドに絞った今年の回収率は67.4%(12月4日現在)。



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