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【京都2歳S】グリューネグリーンがセンスの高さ見せ逃げ切り 4角不利で次走注の馬多数

2022/11/28 06:00
SPAIA編集部
2022年京都2歳Sのレース結果,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

連続開催、8週目でも

重賞昇格後の京都2歳Sはなかなか翌春のクラシック戦線に直結しない結果が続いている。おそらく偶然ではなく、前週に超のつく出世レース・東スポ杯2歳Sがあり、そちらに出走馬が流れることが一因だろう。

そもそも論として、クラシック出走に必要な賞金を早く、確実に確保したいならば、レベル的にも頭数的にももっと容易なリステッド競走はいくつもある。中距離に限っても野路菊SやアイビーS、萩Sなどがある中で、あえて紛れの多い内回りのGⅢ競走を使うメリットが希薄なのではないだろうか。重賞昇格前の京都2歳Sからエピファネイア、ヴィクトワールピサなどの活躍馬が出たのは、レースレベルの低さ=賞金加算のしやすさが重宝されていたからという見方もできる。実際、ヴィクトワールピサが勝った年はわずか5頭立てだった。

話を戻そう。今年の京都2歳SはM.デムーロ騎手騎乗のグリューネグリーンが逃げ切った。鞍上をして「出過ぎた」と言わしめる好発を切り、そのままハナへ。外からビキニボーイに競りかけられたものの、軽く促して先頭は譲らない。前後半60.4-60.1の平均ペース、後半4Fも12.1-11.7-11.8-12.2となめらかに加速。直線はやや外にヨレてしまったが、ラップとしては自身も最後までさほど止まらずに脚を使って押し切った。

この日の阪神芝は他にも内回りのレースが2鞍行われたが、どちらも道中~4角で内ラチ沿いを回っていた馬が勝利。連続開催の8週目で、見た目には内側の芝がはげて白っぽくなっているのだが、Bコース初週ということもあってトラックバイアスは内有利。そういったコンディションも見事に生かし切った。

グリューネグリーンはこれがデビュー3戦目。関東馬で、ここまでの2戦はどちらも東京。今回は初の関西圏で初の右回り。決して簡単な条件ではなかったはずだが、難なく対応するセンスの高さが光った。日本ダービーなど、直線の脚比べをする競馬が合うタイプには見えないが、GⅡを2勝した兄ヴェルデグリーンのように中山適性はありそうだ。ホープフルS出走なら無視できない1頭になる。

広いコースで見直したいグランヴィノス

内有利のトラックバイアスと多頭数、4角のアクシデントにより、次走以降の反撃に期待したい馬も多数いたレース。2着以下の各馬についても振り返っていこう。

2着トップナイフは好位の内目で脚を溜め、道中も終始いい手応え。3~4角で下がってくるビキニボーイをなんとかパスしたと思ったところ、ビキニボーイが外にヨレて接触。ブレーキをかけて前と離されてしまった。直線の脚でよくリカバーしたが、わずか頭差届かず。不利がなければ結果は変わっていたかもしれない。

3着ヴェルテンベルクも同様に4角で不利。着差的にはトップナイフから0.2秒離されたものの、進路取りの差を考えればそこまでの実力差はない。

4着シュタールヴィントは内を完璧に立ち回って、4角アクシデントの影響も受けなかった中での結果で、上位3頭とは少し差を感じる内容。ただ、未勝利戦の勝ち方や、父ロードカナロア×母マルセリーナという血統背景からも、もう少し短い距離で瞬発力を生かす競馬ならもっと走るのではないか。

ほか、7着ロードプレイヤー、10着ティムールは4角での不利が大きく、また11着コスモサガルマータも外を回りすぎた。特にロードプレイヤーは致命的といえるほどのロスがありながら上がり最速で挽回しており、能力の高さを感じさせる走りだった。次走注だ。

1番人気に推されたグランヴィノスは6着。よくなるのはまだ先という面も確かにあるのかもしれないが、新馬戦の内容からすれば、現状でもこれが実力とは思えない。父キタサンブラックはイクイノックスを筆頭に、東京向きでスケールの大きい競馬を好む産駒が多い。母ハルーワスウィートの産駒たちも、シュヴァルグランとヴィルシーナは東京でGⅠ勝ち、ヴィブロスは秋華賞も勝っているが、ドバイターフも制している。自身も520キロの大型馬。広いコースなら即反撃もあるのではないか。

2022年京都2歳Sのレース展開,ⒸSPAIA



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